一応、くろかね線は外からの撮影・見物も可能ではあるのですけども。
この機会なので、書き起こしてみます。
現役の85ED-1に関してはいろいろ写真も出てきます(wikipedia他)。
E8501-8504のうち、8503・8504は既に廃車されてしまったようですが。またE8501は一時期ワニを大きく描いていたものの、今は標準塗色に戻っています。

wikipedia くろかね線より。
1975年のE8501-8504の投入前は、E601-E605が用いられてました。1両づつ形状の異なる個性派。そして、後継機同様の重量に大柄な車体。
自重60噸で軸重15噸というのは、国鉄電機で言うならED60やED14等に匹敵するもので極端な大型……というわけでも無いのですが、多くは小柄軽量な私鉄電機の世界(30-40噸が普通。50噸で大型機になる)では大きくみえるのですね。
また、当時の同系機(私鉄向け機関車)の拡大バージョンというのも大きさを強調しておりましょう。
なお、以下画像は 朝日新聞社刊「世界の鉄道'69」(特集 電気機関車)からの引用となります。現行書籍や公開webサイトでは画像が「まったく」見つからないゆえ、寛大なご処置をば。

E601。1929年 東芝製。中央運転台の凸型機。
よくある私鉄電機の姿に見えますが、一回り大きいのです。
なお、E601は静態保存・公開されており、今もその姿を拝むことできます。この写真では濃い色(茶色?)と思われますが、末期にはオレンジ色に変更されたのでしょうか? 保存機はオレンジ色。また、幾つか機器も追加されてる模様。

今は単線化されているくろかね線、この当時は未だ複線だったのですね。

E602。1929年 三菱製。エトキでは小田急ED1011(岳南ED501など)との共通性が言われていますが、あれらは川崎製ですから。
実際は三菱がこの時代造ってたWHコピーの、ボンネットが片側に寄ったタイプの私鉄向け電機(弘南鉄道ED333等)の拡大版のようです。
この写真でも尾灯の偏りや、緑十字マークと連結器のズレで、ボンネットが偏ってることが読み取れましょう。

E603。1936年の増備機で日車・東洋電機製。
大きさに関するエトキは的を得ていましょう。伊豆急行ED25 1(→東急長津田工場ED30 1)との同系ですが、やはり一回り大きい。

E604。1942年。戦時中の増備機。川車製。
どことなく満州向け輸出機っぽい雰囲気?
産業用の機関車は、概ね所有者の系列財閥の重機械・重電メーカから買うものなので、メーカは揃うものなのですが、八幡製鐵は前身の日本製鐵(1934-1950)が半官半民の国策会社であったが故、発注先をバラけさせる必要あったというのは穿ちすぎでしょうか?

E605。戦後の増備機。1954年。三菱製。
大井川鐡道E101の同系機であり共通点も少なくないのですが、やはり大きい。
同じ三菱製だと国鉄ED45 1(ED91 1)も60噸ですが、国鉄向けと私鉄・専用線向けは印象もかなり異なってきますよね。
なお、E8501-8504も同じく三菱製です。
余談。同機のナンバープレートが162000円で売りに出てます……国鉄機よりは安い?
8kg! 重いぞ。購入されるかたはご覚悟を。