
蒸気機関車。特に大型蒸機は足回りの構造上トラブルが少なくなく、トラブルをできれば避けたい大型展示向けではありません。
しかし、走らせるとインパクトは相当なものです。
それだけに「安定走行できる大型蒸機」は有り難い作品です。

エース君のC62は、2C2の「ハドソン」を再現。
そしてメインロッドとサイドロッドを実装しています。
上の写真で分かりますが、ロッドの動的な動きはとても魅力的なもの。動輪数増えるとなおさらですね。bkc展示でかなりの時間稼働していましたが、特にトラブルは無かったようです。
全体に荒削りな感じは残っていますが、フォルムは正確に「国鉄形蒸機」です。
サイドビュウのバランスもまた良好。
動力系は見ての通り炭水車に搭載のテンダドライブ。賛否は割れますが、それによって安定性と高速走行を実現しています。機関車のフォルムにも影響がありません。

悪路……というかポイントなどの続く部分も安定走行します。
こういう調整、意外と難しいのです。
さて。
機関車の印象としては缶が細いので「C57?」というのが第一印象でした。
C62へのこだわりがあるようなので申しにくいのですが、従輪を1軸にして、2C1配置の「パシフィック」とされたら、このままで良い雰囲気のC57作品になりそうです。
(或いは、C57の従輪を2軸に改造した架空の機関車……もあり得るかもしれません。C61が近いのですが、あれはC57よりは太い印象です)
もし、C62を目指されるなら思いっきりマッチョな印象にしたほうが良いかもしれません。缶胴は5-6幅必要でしょうか。
C61なら4幅缶胴のまま若干の「肉増し」(ボイラの高さ上げるなど)でそれらしく見せられそうです。
炭水車はダミーの台車枠が有ると、二軸なのを巧くごまかせます。或いはダミー車輪も駆使すればボギー車にも見せられるでしょう。
もう少しの工夫で良いC57かC61になれそうですね。

C57かC61か、C62か。いずれにしても「国鉄形の旅客用蒸機」な雰囲気は十分に備えた作品です。
つまり、20系のブルートレインが似合うのは言うまでもありません。
写真は関門海峡での1963年ころの「九州特急」の機関車交換をイメージして。
山陽路を飛ばしてきた大型蒸機は海峡越えのため、当時の最新鋭 EF30に交換。山陽電化も九州島内電化も迫ってる中、大型蒸機は最後の活躍。

ED46と並んでみると、1964-1965年の常磐線経由の寝台特急「ゆうづる」のC62にも見えてきます。最後の蒸機牽引のブルートレイン。
こちらも1965年に常磐線電化完成、電気機関車牽引になったのでした。
電機と蒸機の境目の時代というのは、趣味的には模型的には「美味しい」時代でしょう。

長大貨物列車の補機として。
C57なら汎用機として貨物列車にもよく使われてましたし、C62も稀に貨物運用は有りました。
蒸気機関車時代は重連や後付補機は広く見られた運用でした。無論ファンサービスではなく必然性合ってのこと。安定走行できる蒸機モデルが増えてきたら、そうした世界も再現できるようになっていくのかもしれませんね。