10余年前、サンタフェスーパー・チーフ(#10020/#10022/#10025)の市販されていた頃のレゴトレインはずっと形状や表現に制約を受けていた。それでもチャレンジは繰り返されてきました。
翻って、2016年。
丸みを表現できる部品はぐっと種類が豊富に。
1x3に始まったカーブスロープファミリーは1x4、そして極めの1x2なども登場。そして潤沢な供給がなされ、湯水の如く使えるようにもなる。どの色であっても。
そんな時代の象徴と言える作品でしょう。
(無論、パーツが偉いのではありません。形にされた作者が凄いのです!)
Flickrより。
制作過程や旧バージョンも含む詳細なアルバムです。

題材はニューヨーク・セントラル鉄道(NYC)のJ-3Aハドソン。1930年代の流線型蒸気機関車で「20世紀特急」を牽引。ニューヨークとシカゴを夜行で結んでいたもの。
(このルートはハドソン川沿いをずっと走りぬける! 今もアムトラックの列車があります)
アメリカも直ぐにディーゼル時代になってしまったので、この種の機関車の時代は極めて短いものでありましたが、写真や絵画、模型などで多くの人々の記憶に残っているものです。
レゴトレインとしての感想?
完璧・究極・世界最高峰!
他になにか言葉出てきましょうか。「8幅だから」「アメリカ型は馴染みがないから」って屁理屈をねじ伏せるだけの説得力があります。
8幅であることに必然性もある造形ですし、大きさを生かし切ってもいましょう。
その上、バランスが良く安心感が有ります。ディテールも最適化されており、走ったらボロボロ落ちてきそうな不安感がありません。なお、動力系もエンジンドライブのような無茶はせず、テンダに9Vモータx2という堅実志向。
自作シールはナンバーとレタリングのみ。
……曲げた手すりだけは卑怯といえば卑怯かも知れません。

正面下から。機関車が最も力強く見えるアングルより。
もう少し細かく見ると、1x2系のカーブスロープを使いこなしているのが分かります。
尖塔部の3x3カーブブロックも見事。これを横向けに、鋭さを演出。
ランボードに登るステップ部分は裏面を見せる。良いアクセントです。

バックビュウもまた、美しい。
完璧に車輪を覆ってしまった炭水車。8幅ならではといえばそれまでですが、それにしてもツライチ感が際立ってます。
エンジン部分。動輪からキャブへの斜めラインも無理なく美しく。特殊アーチはベストマッチですし、そこからの斜めラインのモザイク表現もあり!と。レゴらしさというか、寧ろアールデコ的なラインを形取る? 流線型とアールデコの時代は微妙に混ざっているのは忘れてはなりません。マシーンデコって言葉もあります。

前バージョンと。こちらも登場時は皆をあっと云わせたものでしたが。
カーブスロープ1x3とBBBホイールの現れた10年ほど前の作と思われますが、今見ると隔世の感。流石に古いですねと書き起こそうとして、しかし!
……これでも今の平均値を超えちゃってる作品ですよ。
この方の作品、「鬼に金棒」って言葉が浮かんできました。パーツと環境を持っている方が、しっかり技術とセンス持っている。
あぁ、こうした傑作でもって、低迷してるこの界隈を元気にしてほしいなぁと思うのです。


