京成の車両を積極展開されている、Mcmug様の新作です。
渋い通勤車! それも1980年代製造という、多くの鉄道事業者では「準旧型」的なポジションの車両。あの時代は冷房エアサスは標準仕様として、ステンレス車体・一段下降窓とグレードアップが進んでいた。今見ると、確実に古い電車ではあるのですけど(苦笑)、デビウ当時の雑誌記事など見る新型としての期待がうかがえるってもの。
この世代って多くの私鉄ではモノもちよく使ってはいますが、JRだとこの世代も退役相次いでる。今後趣味的に注目されるのかもしれません。
京成3600形は1982年から1989年に製造された通勤形。
京成では初めてのオールステンレス、そして一段下降窓採用。野暮ったかった?京成のイメージを変える第一歩でありました。
前面はライトケースが鮮烈な感じ。角ライトはやってた時代ですので丸ライトは当時はやや残念に思えたものですが、時代が一周りするとアグレッシヴな印象の丸目4灯も良いものです。
廃車は出していませんが、2002-2013年に1編成が芝山鉄道にリースされ、塗色変更されていました(運用は他車と同様……のはず)。今は京成に戻っています。

隣は既存作 3500形更新車です。
顔の違いが感慨深い並び。丸目4つの灯火配置は一時期の京成のスタンダードでしたが、鋼製車の引退でこの顔も3600形のみに。白い種別表示器もまたそれっぽい。ちょっと懐かしい、電車らしい顔!
前面窓は横組。トランスブルーの方向幕も京成らしい。
車体裾のアンチクライマーは実物でもかなり目立つので良い表現です。
ぶっちゃけて申せば、地味なんだけど、何故かインパクトの有る顔です。言葉に出来ない愛着の湧いてくるような。
如いて申せば、新しくもなく、しかして未だノスタルジーとして語るには早過ぎる、1980年代の空気感を伝えているのかもしれません。

未だ先頭車1両のみの完成ではありますが。
全長29ポッチ。ドア幅は3ポッチ。
最近は通勤形などでもドア幅2ポッチ(5プレート分)という表現が増えてきましたが(また関山もたまに使ってますが……)、この作品は「3ポッチ幅」表現。
幅的に正確・かつ理想であり、2ポッチ表現は妥協だということ痛感させられます。
3ポッチはイコール7.5プレート。隙間はブラケットの薄い部分で埋めていて、美しい
側面割り付けも均整取れています。3ドア車のドアが真ん中にあるっていいものですね
グリルブロックに依るコルゲートも良いアクセント、リズム感になってる♪ その辺も1970−80年代のステンレス車の魅力かもしれません。
側窓は無理せずクリアパネル。素直って、綺麗。
前面同様、側面も地味といえば地味です。ですが、何故かインパクトはある。
それは、設計と作りの丁寧さから来ているのかもしれません。
地味だけど、見るべき、見倣うべきところの多い作品でしょう。
編成での完成、そして他の京成や一号線規格の車両との共演、楽しいにしております。