大胆な挑戦やらクオリティのアップ続いておりますので。

こちら叡電夏祭りで撮影したもの。8月の作品です。
題材は大軌デボ1形。近鉄(奈良線)の創業時の電車。大正生まれの前面5枚窓。この題材を選ばれた渋さに驚かされます(保存車両はありますが)。
当時の都市間「電車」は未だ路面電車的雰囲気を帯びておりました。そもそも大軌が大阪電気軌道の略ですし、法規上は軌道……路面電車扱いというのが珍しくもなかった。
したがってディテールは路面電車的。窓下のおへそライト。大きな救助網。トロリーポール。
されど、3扉の大型車! 連結運転。デボ1形はその末期には3両編成組んで1965年頃まで客乗せてたと。流石に末期はヘッドライトにパンタグラフと普通の電車に化けておりましたが。でも大手私鉄では木造電車の最後の生き残りになってた由。
エース君の作品。ドアは高さ3でメリハリつける。側窓は横組にチャレンジ!
実際は小窓が並ぶ側面なので2x2パネルよりは1x2ブロックのほうが雰囲気は出るのですが、手持ち部品考えればこれでも次善の策と言えるでしょう。何故か雰囲気が伝わります。
前面も3枚窓に割り切っていますが、角度が大きいためあの時代の5枚窓半円形に見えるのですね。
モールの入る華やかな塗り分けも再現されています。昔の電車が茶色一色の地味なものであった……というわけではなく。木造車時代に鋼製初期はそれなりに華やかだったのです。救助網はグッドアイディア。
さて。惜しいのはポールとダブルルーフ。
ポールは棒の先にホイール……ですから、何らかのバー状・シャフト状のパーツを使って角度もつけうるようにすれば素敵でしょう。
屋根……ダブルルーフはレゴ的には難度も高くないので、是非頑張って欲しいところです。典雅さを増し、完成に近づくと思うのです。

薬師山氏の叡山電車デナ21形と並ぶ。あちらは1929年製の鋼製車。
時代の近い並びで、ちょっと良い雰囲気ですね。
荒削りに見え、本質は抑えてる、というのがエース君のデボ1の印象なのでした。
長期的な視点で詰めていくと、凄いものになると思うのです。
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という「荒削り」な作品を紹介したところで、最新作。
こんどは「精細」というか、十分なオトナクオリティを帯びてきたのですが(笑)。無論、基本造形で「本質」をおさえています。
京阪8000系電車……の更新前。少し……4−5年前の姿。8000系は更新前後で、「どっちも良い 甲乙つけがたい」という稀有な電車でもあります。更新後の方が人気のようですが、あえて更新前狙ってくる!
現状、とりあえず先頭車のみ2両の完成の模様。
交差式パンタの実装は、先の近鉄26000系さくらライナーに続くもの。この電車では重要なポイントです。
前面は既に制作されたアイン様・薬師山様(ただし前頭部のみ)とは違う方向性を見せてきました。1x3x6の平キャノピー部品がこの電車の「正解」と思っていましたが、黒枠の窓を使ってくる。でも、これは案外窓枠の目立つ前面の解釈として「あり」でしょう。平キャノピーだと窓フレームは省略するか、硝子内側に表現するかという妥協が迫られるのもまた事実ですから。
おでこ……も6幅車用屋根を使うのが正解かとおもいきや、あえて平面表現。その御蔭でおでこと屋根部分の繋がりにウェッジ使って「<」状の表現ができています。ここが「<」になると、凄くスピード感・或いは流麗な感じが引き出される!
側面はシンプルに見えてバランスが秀逸。上下方向・左右方向ともに隙がありません。それだけに方向幕が大きすぎる?のが残念です。ここがプレートになれば……。

前面をさらに細かく。先の車両とは反対側。パンタ無しの先頭車。
向かって右手、京阪では今だ健在な副標識が印象的。Φ1のプリントタイル得られたら更に大化けしましょう。鳩マークもそれっぽく見えてるの言うまでもありません。
赤と黄色の塗り分けラインが綺麗。ポチスロの上下逆転をものにしています。
テールライトの表現が秀逸。ここ、1x1の角プレートやΦ1の丸プレートではなく、Φ1の丸タイル使うことで表情を変えてる! 実は私鉄電車にありがちな角形テールライトの電車で雰囲気が「なにか違う……」ことは起きがちなのですが、この表現も選択肢に入ってくるメリットは大きい。
スカートは現状でも十分なのですが、実物の微妙に立体的な形状の再現ができれば、前面全体に流動感が生まれてくることでしょう(全体としては真四角な電車なのに、です)。
今後中間車……ダブルデッカーも作られるのか? 楽しみなのです。