流行ったのは戦後、1950年代〜60年代。直後に2線式のHOゲージの時代になり、メジャーな商品では無くなっていった由です。
ちなみに3線式は交流・2線式は直流。今の鉄道模型はほぼ直流2線が主流ですが、3線式Oゲージはアメリカでは未だ市場があって新製品投入されていますし、3線式HOゲージというべきメルクリンは大きな存在ですよね。
(メルクリン、入門向けマイワールドにも力入れてるのは嬉しいことです)
閑話休題。Oゲージですので、言うまでもなく、大きい。
レゴで言うなら8幅サイズ。
大きさゆえにスケール車両は相当な高級品になってしまうため、入門向け製品はショーティで作られる文化が有りました(それでも「高級」玩具です)。EF58を縮めた「EB58」は後のHOゲージ版の方が知られるところですが(製造・販売された時期が長かったため)、元祖はOゲージ版。多くは試験塗装機(EF58 4)の仕様だったそうです。
ちなみに先日のJAM。企業出展さんで件のEB58 4の塗装済キット(おそらく未使用品)を27000円の値札つけて売ってる業者さんありました……。正直迷いましたよ?
ただ、Oゲージを現代に維持するのは難しそう……と思い、断念しちゃいました。電気や機械はNゲージの感覚で弄れそうにもありません。
あの価格です、好きな方が買っていかれたと思うのです。
(ウチにはレゴ12v・4.5vのような「動態保存」対象もありますしね!)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
さて。これも8月上旬の京都で撮影。
凄いサプライズ。皆で驚いたものです。

2軸アレンジのEB58。客車はショーティ24ポッチ。
灰緑色というレア色で編成長をかせぐためこのこの構成になったと伺っておりますが、「やむをえぬ」感じは皆無。これはこれで素晴らしい!
感じられる雰囲気・空気感はやはり三線式Oゲージ。間違ってもN規格のBトレじゃないのです(あれはあれで素晴らしい文化ですが)。
また、こうして小さめのレイアウトを駆けてくところが「あの時代の」鉄道模型の雰囲気でもあるのですね。
編成は一応説明しておくと1956年11月から1960年までの「つばめ」「はと」。わずか4年の活躍でしたが、薄緑色の客車編成は多くの人の印象に残っているものでしょう。青大将のアダ名ははじめは否定的意味なものだったそうですが、今はあの列車の代名詞になってしまいましたね。

EB58の前頭部はこれまで制作されてきたEF58のモデルの中でも秀逸な出来と言えるもの。湘南顔の問題点、後退角と傾斜角の両立がなされています。それもパーツの制約厳しい緑灰のなかで。
また、接合部の隙間埋めさえも。
おでこ部分は前面窓ではなく、屋根側に持たせるという作り。
側面は横組の大きめ窓がインパクト。実はEF58の側窓って大きんですよね。
グリルは濃灰で処理されていますが、ここも違和感のないところです。
動力はPFですが、この小さな流線型ボディに一式収まってるのはよく考えると凄いことです。
客車ですが、一番前のスハニ35。妻面窓も省略されていないのに注目!
シルヘッダーは省略ですが、全体の雰囲気的にそれはそれで正解の一つでしょう。また、2等車や食堂車は10系軽量客車でしたから、3等車や荷物合造車も同様の置き換えがなされたというファンタジィも成り立ちましょうね。

最後尾より。当然、展望車。
全広窓でシングル屋根……マイテ58のイメージでしょうか。
すべて広窓なのがすっきりした側面になり、雰囲気に合っています。
Elvesフェンスは実に良い仕事。実物はここまでデコラティヴではありませんでしたが、優雅さの表現として最高のものでありましょう。
そして、バルコニーの奥の縦長大型窓も見逃せません。大きな窓は展望車の象徴! ここは横組で気合を入れて。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
先日のJAMでは客車をもう2両加えて、大活躍したのは記憶に新しいところです。
今後の可能性がちょっと読めないのですが(延長して「EF58」化の可能性もあるとか?)、思い切ったショーティを提案したことと(これが初めてではありませんが)、何より「あの題材」を実現しちゃったことの意義は大きいものです。

このスケールのメリット。レゴトレイン元来の玩具的急カーブで「絵になる」。この事実も見逃せません。
無論、レゴトレインの世界にはフルスケールへの志向もあります。
楽しく共存、がベストであるのは言うまでもありません。