東芝がライセンス生産したDD41(DD90)、はるか後世にやはり日本車輌がライセンス生産の釧路臨港鉄道DE601、そしてまとまった数が進駐軍によって持ち込まれた(つまりガチのアメリカ製輸入機)米陸軍8500形……のちの国鉄DD12形。
DD12は使いやすい頑丈な機関車であったようで、1946年輸入後、1972年まで活躍したことも特筆されましょう(特殊な輸入機は得てして短命なのに。そういえば釧路のDE601ももう45歳ですね)。
……って前置きともかく、かう゛ぇ様がDD90の次に目をつけられたのは良い趣味です。
本場のアメロコは過剰なマッチョさ故に好き嫌いもわかれますが、日本(と東アジア諸国。韓国台湾等)に来たアメロコはどこか馴染みやすい存在なのですよね。
先方の記事:「DD12 あと少し」

再現されたのは末期(1960年代なかば以降)の国鉄ディーゼル機関車塗色になった姿。似合わないようで不思議と様になっていたカラーリング。
ゆるやかに傾斜した高いボンネット、窓の大きめなキャブ。中央部が膨らんだ台枠。手すりの配置となかなか雰囲気を掴んで居ましょう。ランボード上のちょっと凹んだ位置のテールライトもそれっぽい。ゼブラマークも嬉しい表現です。
後ろに見える同郷のDD90とは実に良き並び。サイズが揃ってるのもまたリアル。
かう゛ぇ様といえば、大量の灰色有蓋車もお持ちのはずですから、このあたりの機関車が従える様はさぞや……。コンテナ車より古い貨車のほうが絶対に似合いそうです。
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さて、この写真でもう一つ読み取れる情報。
「あぁ、レゴトレインPowerFunction向けの題材なんだなぁ」……ってこと。
左手を見ると、ボンネットが赤いPowerFunction電池BOX本体そのものであるのが分かりましょう。そしてフロイントグリルの表現は内部を侵食せず、電池boxの上にも取り付けうるものであるのも。
DD90もそうですが、高いボンネットは機器収容で実に有利なのです。
(その意味では日本的な液体式の低ボンネット機、DD13やDE10などは不利な形状……。DE10はPowerFunction自走再現された作品は既にありますが)
電池BOXの宿命たる新灰のラインも特徴として生かされてる。実際は白帯ですがアレンジとして云われなけりゃ気が付かない程度。受光ユニットの隠し方も巧い(ただ、この場所本物では排気筒がありますが)。
余りがちな? #7938由来の白トレインプレートもこの種のディーゼル機関車に似合うのは言うまでもありません。
そんなわけで、決してメジャーとは言えない機種なのに、そのあたりを選ぶセンスも凄いと(笑)。
そして、並べて世界観を作っていく辺りもまた。

セピアに加工された少し前のバージョンの画像。
DD90もDD12も現役だった1960年代後半くらいの雰囲気が漂ってきましょうか。
DD90とDD12の実機は配置・稼働場所が異なったため(前者は田端、後者は主に横須賀地区)出会いはなかったかも知れませんが、アメリカンスイッチャーばかりが集められた臨海鉄道の機関庫とかあったら……と思わされるのです。