
2年前に作図されたというものでしたが、隼氏のED79の参考に……と貼って下さったものです。
無論、色あせなど無い。
逆に幾つか忘れかけてたことを思い出させてくれる作品でもあります。
なんといっても第一印象は「濃い・濃ゆい」。いや、彫りが深いというべきでしょうか。
前面の庇や手すり、ステップが1ポッチ単位で強調されています。厳密には半ポッチでもスケールオーバーになりそうなのに……。
でも、この作品は効果をあげています。如何にも電機という力強さの強調として「彫りを深く」するのは有効な手段。同じ箱型の機械であっても、電車は「薄味」に、電機は「濃味」を意識するのはありかなぁと再認識させられる。この辺はシルヘッダのついた電車/デッキ付電機の時代であっても、電車も電機もVVVFインバータの最新鋭機の時代であっても共通しましょうね。
(逆に言えば、電車に敢えて濃い目のディテール表現すれば、私鉄の貨物牽引用電車のようなゲテモノも作れるかも?)
また彫りの深さは地域性の表現にもなりうる。交流電機でも九州に居た組はもう少しあっさり目のディテールだった気もしますから。少なくとも庇は無かったり最小限だったりしますよね? 逆に北国向けは一般に重装備を佩びてきます。
例えばですがED75だと、北海道向500代と九州向300代の作り分けも可能になるかもしれません。前者はこのED77の如く濃く、後者は庇省略で手すりやステップは1x2レール付プレートくらいで半ポッチ程度の張り出しに抑えるとか……?
好みは割れるかも知れませんが、濃い目のディテールが示唆してくれるものは大きいと思うのです。
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ED77としてこの作品を見ますと、屋上ディテールに目を奪われます。
先に発表された試作型の独特の屋上も強烈でしたが、量産型もまた迫力あるもの。それを濃口ディテールで再現されています。
中間台車はダミーに割り切られています。下手にトレイン車輪並べるよりはルックスも上げられて走行性能もメリットあり。

車体造形は答えが出にくい問題かも知れません。この組み方は明かり窓大きすぎかな……? と思える反面、明かり窓とルーバーの位置が綺麗に揃うメリットもあります。微妙なヅレを許容出来るかどうかは作風に影響してくるのかも。