今回は「実車系」ということになるのでしょうか。

「ホットウィールに学ぶ未来的ホットロッドデザイン」
えらく、濃い。
「ホットホイール」という世界で一番売れているミニカーの、オリジナル車モデルに関するコレクションの紹介と、深い考察。
上げられたモデルたちは、何も知らない人がホットホイールに持ちがちな「所詮玩具。所詮アメトイ」ってイメージではありません。
自動車メーカーが大金かけて制作し、モーターショウに出展する「未来的なコンセプトカー」にさえ見える。
そのデザイナーの仕事は玩具のデザイナーというよりは、自動車メーカーやカスタムメーカーのデザイナーの仕事に近い、それだけ真摯にかつ楽しまれて仕事をされてるのが窺えます。
(中にはミニカーを題材に実車が制作されてしまった事例も多々あるとか)
こんな文化があることをわかりやすく教えてくれる記事なのです。
翻って。レゴの車の製作者は、車のデザイナーでもあり。
(実車の再現であっても、その解釈には恣意とデザインフィロソフィがはいってきます。デザインは無縁ではありません)
優れたデザイナーの仕事を紹介するものとして、一読して欲しいと思うのでした。
自由な発想、持っていて損はありません。批判的観点であっても、知るべき世界はある、と。
蛇足。
そういえば、鉄道車両のモデルは得てして「真面目」ですよね。
ホットホイール的な自由な発想の、でもその気になれば実車もあり得るような「自由形」は盛り上げっても良いのかな……と改めて思わされる。
思えば、「鉄道模型趣味」誌のコンベンション記事でも盛り上げるのは「優れた自由形作品」です。デザイナーとしてのセンスは再現モデルよりもシビアに問われる。実物への知識造詣は再現モデルより求められる。
自由形を再考すべき時期なのかもしれません。その意味でも勉強になりました。
(世の中には「シャア専用ラピート」なんて模型やウソ電でも思いつかなった「実物」があったのは忘れてはなりますまい。東や西のラグジュアリートレイン群もその賛否はともかくデザインはぶっ飛んでるますよね)