今や戦前生まれの電車として、恐ろしく貴重な車両になってしまいました。
wikipediaで調べると、冒頭に木造電車の画像出てくるので更に驚くこと必須(笑)。
これは最初は瑞西製の電気部品の木造電車として落成したため。後に車体を鋼製に載せ替えて今の姿に。更に1985年ころに電装品・台車などを総取替しているが故に。さすがに今は瑞西製の部分は残ってないようです。
余談ですが、新世紀エヴァンゲリオン(最初のTV版)で2015年の描写として箱根登山の旧型車が一瞬写っており、「そりゃないだろ」って思ったものですが。現実の2015年でも健在(笑)。凄い。
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http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=550735
さて、wadalong様の作品。先ずはサイドビュウ。
真っ先に目にとまるのは、1幅の横組の間にタイルを挟んだ窓まわり。
電車の二段窓の表現として究極的なものでは無いでしょうか? brickshelfのサムネイルの地点でオーラが違います!

先に種明かし画像を貼らないと話が進みません。
予想通りに「箱根細工」。PowerFunction機器を内蔵するための内部空間に配慮されているのになお驚愕。ディスプレイモデルや9Vインテリア無なら内部を補強だらけにする手も使えますが……。
「キモ」となっているのは、窓間のタイルをクリップ留めとし、クリップをクリアのポチスロで巧みに避けていることでしょう。
新部品のL形タイルに依存……かと思いましたが、構造的に必然というわけでは無さそうです。
つまりは、この構造はどんな電車(客車)でも採用出来る? ということに。
PowerFunction用の空間は、トレーラーなら(或いは9Vなら)インテリアとの両立もあり得ましょう……。

機器の収容状態。全長はわずかに26ポッチ。
この構造で、ドアの色違いも再現されているのにも驚かされます。普通に造っても難易度を跳ね上げる要素ですのに。

前面も件の窓構造です。ここはL形タイルでしょうか?
無論。窓まわり以外も、大変に密度の濃い作品です。
屋根は1x2カーブスロープで構成。歩み板とベンチレーターの精細感。カブスロの屋根と歩み板の間の微妙な空間がなんとも云えません。
作りにくい交差型パンタも、「クリップ−ライトセーバーの柄−クリップ」で下部構成することで適切なサイズとディテールを得る。
ドアステップは台車側に表現。
銀色のテールライトや、黄色のステップ塗り分けも「現在の」モハ2の表現としては欠かせない要素。色鮮やかに。丸タイルは意外とテールライトに見えるもの。透赤とか穴あきじゃないとテールライトに見えないという時代は終わったのでしょうね……。
今後の電車(特に旧型電車全般)の作り方を変えかねない、革命的な「箱根細工」なのでした。
(ただ、コストや工数は相当なものと思われるので、今度はモハ1形の2両編成も造って3両編成に……とか安易に申せないのが辛いところです)
もう、年末まで徹底的に熱い一年。
誰がどう見ても箱根登山鉄道!というアイキャッチャー。顔も塗り分けもうまいですね〜。この組み方でPF機器が全て収まって単コロで走れるというのが箱根組的に大進化です。クリップ+ポチスロ…とか、私はそんな発想出来ない。
この全長に動力台車のホィールベースをそのまま×2で持ってきてうまく纏まってしまうセンスの良さ。全然違和感が無いばかりか、この電車の良さをうまく出しているような気がします。4枚目の斜め前から見た画像、一瞬レゴに見えないw
ハイレゾだけでも難しい所を、でここまでバランス良く仕上げている、というのが最大の特徴でしょうね。妥協点が一切見えないw
たった一両でとんでもなく大きな存在感を放ってます
こんな組み方もあるんですね。
凄く繊細です。
確かに今年もえらくいろいろ有りましたね。
ハイレゾ系はそれこそG@ひたひた様が引っ張ってくださった印象強いです(笑)。
で、これは確かに「締め」になりそうな気がします。
(でも今年はあと10日もあるんですよ?)
「箱根組」なのにPF機器と両立というのは確かに奇跡的です。というか、自分の流儀(9V+インテリア)でもこの手法はありなわけで、いろいろ考えさせられる次第です。
とはいえ自分流儀の二段窓表現も捨てる気はないですが。自分はハイレゾよりコスト派なのです。
>この全長に動力台車のホィールベースをそのまま×2
足回りもセンスが良いのですね。
全長とディテールのバランスが秀逸に思えます。
>妥協点が一切見えないw
この作品のまさにヒトコトでいい切れる印象であり、賛辞でしょう。
◆正乗様
オーラが違う、正に同感です。
1両で、もうお腹いっぱいっていうのが同感ですね。いやこの電車は最大3両編成もあるのですが、あと2両作らないんですか……? と畏れ多くて申しがたき雰囲気なのです(笑)。
それはそうと、箱根の登山電車は旧型車の各時代(長年使われているので微妙に姿が違う。塗色もいろいろ)とか、新型車両も楽しいのでもっと作られても良い題材かも。
一方でコメントが遅くなり申し訳ありません。
今回は「1両でPF機器を備え自走し、かつある程度ディテールもこだわる」がコンセプトだったので、側面の窓割りは自分でもキモだと思っています。
クリップ一ヶ所留めですが意外と固定力は強く、窓割りの固定方法のアイデアとしては(少なくとも日本でネット上にアップされたトレイン作品内では)初めてなのではないかと自画自賛しています(笑)。(側面スタッド付きブロック1x1(#87087)の透明色が出るとスマートになり、応用の幅も広がるとは思うのですが…。)
前面に関しては仰る通りL型タイルを使用しています。ここに関してはL型タイルの使用が現状不可避と言わざるをえません。
車体がフルスケールに近いので床下機器も極力再現したいと考え、当初は足回りを自作して台車の小型化を考慮していました。が、技術不足により早々に断念(笑)。いずれは再挑戦したいです。
モハ1形も作りたいところなのですが、あちらは客扉間の窓数が2形と異なり、どうしたものかと思案中です。
モハ2形はカラーバリエーションが豊富ですが、「客扉色が異なる方が良い(構造上半ポッチ後退等によるメリハリができない為)」「差し色が欲しい」と思い近年のこの配色になりました。
今思うと小田急8000形含め「幾分古めだが、改造を施されつつ最新車両と肩を並べて現役中な車両」に萌えを感じるのかもしれません。
いやこちらこそ紹介が遅れて恐縮です。
いろいろな革命的技法が多々提案されてきてますが、旧型車両で導入してきたというのも珍しいですね。クリップ止めの部分に強度あるというのは伺って一安心です。自画自賛はありません。日本でも世界でもおそらくこの手法は最初のはずです。
で、確かに%87087のクリアが出てきたら問題はかなり解消しますね。%4070ヘッドライトのクリアも出て久しいですから、そろそろ%87087も……
>台車の小型化を考慮していました。
いや、それができてたら本当に凄いです。ただ、前後で同じ台車にしたのは正解な気がします。既にG@ひたひた氏へのコメントでも記しましたが現状で違和感はないですよ。
>モハ1形
1x1クリアブロックに1x1クリアプレートつければ窓幅調整して、窓間5つ窓にできそうですね。
>配色
などほど、現在のステンレスドア仕様が向いてた理由がわかりました。
最後にモハ2に関して自分の好みは1970年代-1980年代前半の随所が近代化されつつも、まだ瑞西製の板台枠台車だった時代ですが、何時か作れればいいなぁ。
(実は、電車を趣味的に意識した1970年代後半への好みは強いです。いやそれ以前の時代でも好きなのは多いですが)