日本のデザインは「新しさ」にこだわりすぎる。
カー&プロダクトデザイナー/SWdesign代表 和田 智さん(1)
インタビュウを受けているのは日産自動車からアウディへ移籍、今はフリーでデザインをされている方。日本と欧州のデザインポリシーの違いについて言及されています。
中見出しを要約すると、文章の要約になります。
「和田さん、とにかく新しいデザインでお願いします」興味深いのは、BMWミニやニュービートル、現FIAT500などのレトロ系欧州車の原点が、日本のパイクカー(be-1やフィガロ)であったということ。日本はそれを一発屋的限定車に終わらせてしまったのに、欧州ではメーカーの定番商品にしてしまったという差異。
デザイナーが恐れる「お前のデザイン、普通だな」
アウディのデザインを日本でやったら全部ボツ
ミニもビートルも欧州のレトロデザインは「日本発」
この違いは興味深いです。
ただ、個別事例に反論することは容易でしょう。日本車でも伝統を固持している車種はいくつもありますし(例えばロードスター)、本文での具体例のアウディも今のフロントグリルは寧ろ大胆で前衛的なデザイン? フランスの某社はDS2とかDS3とか、往年のDSとは何の関係もない車でヒットしちゃってますし(苦笑)。
まぁこのへんは言いっこなしでしょうか。
で、この話は鉄道車両にも当てはまるか……?
国内だけでも「事業者ごとの差異」が激しすぎて一般論化は無理ですね。阪急なんか恐ろしいまでに過去の連続に拘ってます。でも、南海なんか過去を完全に断ちきっちゃてる。
関東だと東急や京急は割と過去を意識してる方でしょうか(東急は5000/6000/7000の襲名の際は過去へのリスペクト有り)。
欧州に目を向ければ、ドイツの近郊型電車・気動車は「新しさにこだわりすぎる」位に大胆なスタイル(でも美しい……)。逆に日本の近郊型・一般型は予算の制約か? 悪い意味で保守的なような……。
面白い記事ではありますが、自動車業界以外に拡大解釈するのは難しいかもしれません。
クルマは、自動車会社(販売者)→一般人(購入者)→家族(利用者)なので、「B2C」。
鉄道は、車輌メーカー(販売者)→鉄道会社(購入者)→一般人(利用者)なので、「B2B」または「B2B2C」。
で、やっぱり鉄道業界に拡大解釈できないという関山さんと同じ結論でした(^^;)
いや、それは一般論なんですが。
自動車(乗用車)も結構な比率はB2Bで使われるものですし、魅力的なデザインの車両が集客能力を持っていることはレイモンド・ローウェイの頃から言われて今はますますその傾向が強くなってますから、B2Cでないとは言い切れない部分もあります。
その意味では、鉄道事業者の保守性というのは良い意味で作用してる可能性はありますね。
この種の議論って、一般論化が想像以上に難しいのでしょう。
自動車(乗用車)に話を戻せばbe-1やPAOを定番商品に出来なかったあの会社は先見の明がなかったなぁと。その意味じゃ軽でレトロデザインを定番にしてるあの会社は商売上手。
あと、ひとつ許せないのは関西の某電鉄。
大失敗したCIカラーとマークを何時までも引っ張るのやめようよ。
あれは黒歴史として葬ろう!
蛇足:
ほとんどロゴマーク換えてないDB/DBAGと朝令暮改状態のSNCF。国民性の違いか……?