こちらは以前試作品を紹介させていただいたもの。
試作品の記事はこちら。
【作品紹介】薬師山様の試作品から(東野鉄道DC20と8620)いや、試作品の地点で完成度は高かったのですが、更にリファインされています。
【作品紹介】薬師山様の試作品から 新幹線?/8620風蒸機(#79111改)
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東野鉄道DC20形ディーゼル機関車に関して(前回の再掲)。
東野鉄道DC20形ディーゼル機関車。wikipedia
1952年という黎明期のディーゼル機関車であり、冬季における機関の整備などを考えて箱型車体にしたというゲテモノとして有名?です。この種の機関車は通常L形か凸形ですから。
以後、同種の機関車は登場していません(近いのはありますけど)。自重20トンなのでかなり小さな、貨車並みのサイズの機関車。
津軽鉄道(盛業中)向けに製造されたものの、同社がより大型機を導入したため東野鉄道(1968年廃止)に譲渡。廃止後1両が西武鉄道に引き取られ、機械扱の入換機として使われたという話もありますが、通常のL形に改造されています。
写真はこちら参照(画像検索)。

以下、薬師山様のモデルの話。
先ず、全長が先の20ポッチから18ポッチに縮小され、より可愛らしさというかこの機関車の「サイコロらしさ」が強調された感があります。貨車と合わせた時のスケール感もばっちり。そしてよりリアルなフォルムになったとも。
ちなみにPowerFunction機器はタンデムに並べると16ポッチは消費します(モータ縦置きの場合)。18ポッチはぎりぎり?
しかしこの機関車は全面が横組。その構造も考慮すると18ポッチでは収まらない。
その答えは。

なんとモーター横置き。モータの上に電池BOX。この配置はちょっと考えつかないものでした。頂いた写真からは駆動システムの詳細がわからないのがちょっと残念ですが。でも、この配置が可能ならいろいろと可能性は膨らむことでしょう。箱型でちっちゃくでロッド駆動という題材は少ないようで、探せばあるもの(国鉄ED40とその払下機であるとか、瑞西ナローにみられる二軸箱型小型機とか)。不可能を可能にする?
あと電池BOXを巧く処理すれば、L形のディーゼル機関車(ボンネットが高いもの。有名なところでは英国国鉄のCLASS08かしら?)にも応用可能でしょうか。

細部に気をつけてみましょう。Φ1のプリントタイル使った社紋表示が印象的。
屋上のエアタンクも大げさな表現にすることで、機関車を逆に小柄に見せる効果があります。Φ1円筒だとこうは見えないでしょう。大胆な選択が正解?
前面では、試作時にちょっと寂しかった前面下部がディテール追加でえらくリアルに。大仰な解放テコは想像以上に効果的です。ぐっと引き締まる。
なお、モータと電池BOXの二階建てを行った割に車体高は控えめ。このぎりぎりの抑えこみも功を成していましょうか。

DC20に合わせた二軸貨車。長物車の積荷はレゴらしい洒落ですね。
冷蔵車はレ5000風の青帯入り。ただ、冷蔵車のドアって実物は保冷のために開口部最小(+密閉装置などディテール豊富)ですので、スライドドアより別表現の方が冷蔵車らしく見えるかもしれません。
圧巻は有蓋緩急車(ワフ)。シンプルながら私鉄のワフになってます。丸屋根に窓枠ニス塗りの窓。機関車とお揃いの社紋。そして手ブレーキハンドルのカバー。あとはちょっと意匠に凝った古風な外付け尾灯か、或いは標識円盤(赤い丸タイルΦ2)があれば完璧でしょう。
機関車と車掌車(緩急車)は同じ鉄道でおそろいにしておくと、中につなぐ貨車はなんでもそれらしく見えるというのは模型鉄道での貨物列車の基本ルール? その意味でも緩急車はあると便利です。
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こちらは、JR四国のキハ32。新幹線前頭部付き。
実車の発表時には「ネタ車輌」と思われてましたが、いざ実車が運用に入ってみるとなんか観光の目玉として定着しちゃってる模様。たしかにこの大胆さは「惹きつける」ものはあるんですよね。観光列車も全国区で大ブームの中、この発想は強烈! 差別化に大成功。
あと、可愛らしさもプラスか。リアルのショーティモデルでもありますから。
薬師山様のモデルに戻って。これも試作時に相当な完成度でしたが、今度は動力組み込まれ、屋根と床下機器も追加。実車が単行気動車ですから、自走機能は必然性高し。

未改造の前面は、普通にキハ32のモデルとして良い感じでもあります。あまり注目される機会のないローカル気動車ですが、まじめに取り組む価値はありそう?

屋上機器(冷房装置)はカマボコスロープの屋根に3幅という精細な表現。こうした部分のリアルさが、「大胆な車輌」をもリアルに魅せましょう。
イベントでは、実物同様に人気者になりそうです。
勿論、リアルな新幹線0系との並びも期待できちゃいますよね。
あと先のDC20とは時代は違いますけど、架空のローカル線でなら「共存」もできちゃいそうです。ユーモラスな車両同士で不思議なコラボ……? 良い意味でベクトルが揃ったモデルでもありましょう。
最近トレイン系の方々、組み方のギミックがハンパないというか、どんな表現でも四角四面でやりますよ的になってきているのがすごいな、と。
青いトレインドアほしさに#60052買おうかと本気で悩んでいるなんてレベルの低いことではいけません。
中身だけ見ると、かなり背がオーバースケール?とか錯覚しますが、
うまく収まっていますね〜
車体の中に機器を入れる…という従来の方法ではなく、
バッテリーボックスや機構がフレームになっていて
肉付けしていく…といった、哲学というか、美学のようなものを感じます。
…ところで、長さ9の薄いリフトアームなんてあったのですね!
レアパーツ?
新幹線っぽい何か…の方は、
ダンボールの枠を抱えたでんしゃごっこみたいで面白いですね。
カントのついたカーブを行く後ろ姿に、何とも言えない哀愁が漂う…
見た目がもう四国の新幹線にしか見えないですw
レゴトレインとしての完成度と話題性で
JAMで大人気になることはほぼ確定だと思います!
その窓ですが、普通のクリアのブロックが窓と車内の展示ケースを再現しているように見えてすごく良いです!
ご紹介ありがとうございます。
かう゛ぇ様
G@ひたひた様
rubykuma様
コメントありがとうございます。
DC20は試作時より2ポッチ短くしました。そうすると縦置きにしていたモーターがどうしてもいい位置に来なくなってしまったので、横置きに変更しました。モーターからの駆動は、12歯ベベルギア、8歯平ギア、12歯ベベルギアの3段で下に下ろし、最後の12歯ベベルギアを動輪軸のベベルギアへ90度向きをかえて伝えています。減速率は1になります。ロッドで全軸駆動です。ロッドのパーツはtaizoonさん式二枚おろしですので、残念ながら市販されていません(^^;)
キハ32は床板がトレインプレートですから、走行性能はバッチリです。実車もおもちゃっぽいので、レゴでも違和感が少ないのが想定外の出来でした!!
いや、かう゛ぇ様も以前のDD90であるとかトーマスシリーズ、或いは今度のホーマーを拝見してると確実に半端ない組み方・ディテールになってるように感じます(笑)。その上で可愛らしさとか入れてるのはすごいですし(自分だったら、プロトタイプのイメージとか行って顔無しでごまかしちゃいそうです)。
#60052は焦らずとも大丈夫じゃないでしょうか。でも、かう゛ぇ様のお好きなアメリカンなディーゼル機関車ではありますよね(笑)。
◆G@ひたひた様
DC20 背がオーバースケールになりそうでそうじゃないところが濃いというか濃ゆい作品です。
あの配置、ほんとに希望を持たせてくれます。
>バッテリーボックスや機構がフレームになっていて
>肉付けしていく
徹底してますよね。
キハ32は実物以上に可愛らしさというか、愛らしさが強調されてるような。
確かに後ろ向きにカントカーブゆく姿は哀愁というか愛嬌というか……。
◆rubykuma様
キハ32、きっとウケ取れると思います。というか走らせた時の反応が楽しみだったり。時事ネタでもありますし。ガチな新幹線との並びだって……。
クリアブロックの窓は、独特の効果出して綺麗ですよ。使い方次第で「ケース」にも見立てできるんですよね。
◆薬師山様
2ポッチ縮めた甲斐はありましたね!
動力はかなり凝った作りのようなので、現物拝見するのが楽しみです。ロッドの二枚おろし……最初からハーフハイトの長アームあればいいのに(笑)。個人的にはこの種の魔改造は肯定派です。だってあの会社トレインに便利な部品作ってくれないんだもん(笑)。
キハ32の違和感のなさは予想を上回りましたね。先も記しましたが、お客様の反応も楽しみです。