別に隠してたわけではなく、この「ロゼッタストーン」は広げた時のサイズが大きすぎて(B3)コンビニのスキャナに載らないので先送りにしてただけですが。
入手は2012年6月。「タウンシリーズ1 機関車」のデッドストックを入手した時に封入されていたもの。
ダイヤブロックの過去製品はモボ様とMugen様の情報提供やカタログ類のアップもあり、1970年代前半及び1980年代半ば以降はかなり明らかになってきています。
このカタログ「日に一度はママと遊びましょう」は、空白の1970年代後半を埋めるもの。
なお、1977年と推定したのは以下の根拠です。
・掲載の3LDKセットが既に2代目(1978-79年ころの品)
・封入されていた「タウンシリーズ 機関車」が1978-79年ころ店頭で見た品であったこと
・1978年以降展開した、マスコットシリーズ(小さな車や小さな家など)の掲載がない
1975-77年と幅がある可能性はあります。

表紙及び裏表紙。「東京都推奨玩具」はいつまで謳われていたのでしょうか?
昔のカタログ類へのツッコミのお約束ですが、モデルさんのファッションがいい味出していますね。セーターとっくり。
「評論家 秋山ちえ子」氏の推奨文は1968年の広告でも使われていました。10年使い回し?
本社は移転していませんが、「長野工場」はその後どうなってしまったのでしょう。
「ソウル工場」。当時のダイヤにMade in KOREA が存在したのかしら……。

2-3ページ。見開き<クリック拡大>
なお、このカタログはB3の大きな紙を8つ折りにしたものです。
掲載のものは、当時の「製品」とカタログ用の非売品?が混ざっているので要注意です。
但し、製品も非売品もすべてパーツリストが掲載されています。
「販売中の製品」とされているもののリスト上げます。
1 ミニ消防車 /2 ミニシャトウ /3 ミニバルコニー /5 ミニ救急車 /6 ミニマンション /7 パンダ /8 ライオン /10 さる /11 ぞう /12 きかんしゃ /13 タワー /14 アメリカ /15 走れ機関車 /16 カナダ /18 消防車 /20 デンマーク /21 パトカー /22 ミニオープンカー /23 ミニマイホーム /25 ミニロッジ /27 五重の塔 /28 ドーザシャベル /29 ブルドーザ /30 ミニトラック /31 3LDK /32 ディズニーガーデン /33 ミニパトカー /34 ミニパネルバン /36 わたしのおうち /37 ミニクレーン /38 クレーン他のモデルは非売品と思われます。
(番号は型番ではなく、このカタログ内でのパーツリストのもの)
ラインナップは建物系がものすごく充実しているのに驚かされます。
定番「3LDK」以外にも、世界のハウスシリーズとでも言える「アメリカ」「カナダ」「デンマーク」が存在。併せてミニハウス……小さめの家が5種類も。
自動車モデルは「ミニ」を名乗っていても6幅です。もう少しあとの時代のマスコット系や、はるか後の「みんなのまち」では4幅になりましたね。この流れはレゴに共通していますが。
「走れ 機関車」は初代品の掲載ですが、このカタログが封入されていた「タウンシリーズ 機関車」は掲載されていません。商品開発とカタログ編集のタイムラグでしょう。

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「ほほえみと創造のある世界」 B3の1枚紙の裏面をすべて使っています。
各商品に関しては「個別」編で取り上げます。
大規模なディスプレイは、当時の子供の憧れであったことでしょう。
今のブロック玩具ファンの大人にとっては、この程度は「容易いなぁ」と思えてしまうところが時代の流れ……。
スケールの違う製品・作品を並べていますが、意外と違和感がないのはこの時代の大らかさでしょうか。
フィグはドイツ製と云われるものに統一されています。
多々見られるリアルな樹木は「ポプラ」という部品で、このカタログ掲載品では「ディズニーガーデン」に入っていた模様。

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製品及び、パーツリスト<クリック拡大>
カタログにパーツリスト掲載は今観ると新鮮ですが、今我々がレゴ買う時ってpeeronやbricklink見てからきめること少なくないですよね(苦笑)。
なお、当時の河田はパーツ単位の販売もしてくれていたようです。
(レゴジャパンも1990年代までは、個別対応してくれたという話もあります。今はパーツ屋さんが内外に多々あるので必然は無いですが)

赤・白・黒・青・緑・黄・橙・桃 の8色基本。
透明赤・透明黄・透明青・透明。
灰色系は当時はまだありません。
オレンジや緑はレゴよりずいぶん早いレギュラー化でした。余談ですが「ベージュ」は1980年には採用されており、レゴのタンよりは凄く早かったのです。




なお、「その他A-2、A-3、A-4、A-5、A-6、車輪、イス、ドアー、バンパー等の部品もございます」とあります。また、セット固有の特殊部品類(カーシャーシ・キャタピラなど)も多々ありました。
<続>
ファンを囲えるほどの強みを持つのは大変と思います。
少しずつ情報が揃っていくのは面白いですね。
細かく情報を整理するのは大変と思いますが、興味深く拝読させていただいています。
製品や作品の造形はまさにブロック感があります。一方で建機は特殊部品を使っているのですね。
建物系はどれもおしゃれです。中でも緑屋根で赤い木枠の家が目を引きました。36番の「わたしのおうち」はドールハウス的な製品が当時既にあったのですね。
木は純正品とは思わなかったです(^^;
半プレートの登場は画期的だったのでしょうね。タイル部品はまだ無いのでだいぶ後発だったのが判ります。
丸ブロックの溝無しは見慣れないパーツです。K1の三角スロープは自分が遊んでいた頃までは存在していた記憶が有ります。K2の急スロープはレゴでも出て欲しいとたまに思ったりします(笑)。
テンテ、建物系は本気じゃなかったですものね。
あれが伸びなかった理由かもしれません。
レゴも2000年代の低迷期、建物をろくに出していなかったんですよ。で、2005年以降「建物」真面目にやりだしてから復活・急成長しています。
ダイヤも90年代なかばから建物ダメでしたけど、ナノは建物で復活していますよね。
この時代のダイヤが華やかなのは、やはり建物のバリエーションに依るんじゃないかなぁと思ったりもします。
>少しずつ情報が揃っていくのは面白い
謎の多かったダイヤブロック史、少しづつですが解明されてる感じがします。
今回は、各商品をアップで取り上げました。
そこからも見えてくるもの、ありますかも?
◆Mugen様
> ダイヤの80年代前半以前
いや、本当に暗黒時代でした(資料がない)。
これで光を当てることができたと思います。
自分にとっては懐かしい時代なのですが、振り返るための資料がないのはもどかしく、辛いことでした。
>建機は特殊部品
正直、賛否は割れますよ(笑)。
>建物系はどれもおしゃれです。
同感です。こだわりのラインナップですよね。建物ってブロック玩具と一番相性は良いんだと思いますし、そこを当時の河田さんはよくわかってたのでしょう。わかってなかったのは2000年ころのビルンド(笑)。
>中でも緑屋根で赤い木枠の家が目を引きました
別記事にしましたが、あれは「ブロック玩具史のオーパーツ」でしょう。
恐ろしく精細な表現の塊です。
>「わたしのおうち」はドールハウス的な製品
確証はないのですが、複数種類あったようです……。ドールハウス用のフィギュアも開発されたと聞いています。
あのドイツ製フィグじゃいまいちでしたから、そこを改良してきたんでしょうね。
>半プレートなど
ダイヤでタイルは「みんなのまち」以降の印象です。
というか、レゴでもタイルが増えたのは1980年代半ば以降かもしれません。少なくとも1970年代後半地点で、レゴでタイルは貴重パーツでした(笑)。
> 丸ブロックの溝無し
子供の頃、少し混じってた記憶があります。「使いにくい!」のヒトコトでした(笑)
> K1の三角スロープ
自分の周辺では一度もみかけませんでした(1970後半−80年代前半)復活した可能性もありますね。
>K2の急スロープはレゴでも出て欲しい
同感です(笑)。ポチスロで高さが3or4プレートみたいな感じかしら(笑)。