未だ側面の作り方に迷いがあった頃です(笑)。
仮完成の記事こちら。
4両で仮完成。初お披露目は1月の京都。
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阪急の先々代の京都線特急車、2800の4両編成がインテリアも含めて完成しました。
実物についてはこちら(wikipedia)
二つ扉転換クロスの特急車。二つづつ並んだ下降式の連窓は如何にも優等車然とした装備。
であるのに、殆どの部分が一般車2300と共通という「奥ゆかしさ」。
派手ではないものの、品の良い、質の高い電車。「阪急らしさ」の象徴。
製造は1964年〜1966年。但し、当初の5両編成(2+3)は最終的に8両編成(4+4)にまで伸びたため、増結用中間車は1973年まで製造されています。
当時は京阪間ノンストップだった京都線特急にほぼ専用。
1971-1973年には他車に先駆けて冷房化。これは京阪3000形や国鉄153系新快速を多分に意識したもの。
しかし、その直後に阪急も新車6300で対抗することになり、1975年からは3ドアロングシートへの格下げが始まってしまいます。最終的に1979年までは二つ扉車も残っていましたが。それでも特急時代はわずかに10余年。
格下げ後も冷房車8連であったことから急行に多用。当時の京都線急行は今の「特急」並の停車駅数。今になって思えば3つ扉のまま転クロ維持してりゃ魅力的な電車になったと思いますが、当時の京阪間のパワーバランス的にそんな余裕はなかったのでしょう。
とはいえ、特急車時代の面影残す二連窓は美しいままでした。
しかし、京都線も新車が増えてくると3扉2800も神戸線系へ転属したり嵐山線専用になったりと影が薄くなっていきます。今でこそ物持ちの良い(=貧乏な……)阪急ですが、当時は積極的に新車への代替が進められ1988年には早くも廃車が始まり、1995年には編成単位としては全滅。他形式に組み込まれた中間車も2001年までに廃車されてしまいました。
長く京都線特急として活躍して、今もそれなりの両数が嵐山線に残っている6300とは対照的ですし、同時期の2300が遥か後世まで生き延びたのとも対照的です。ちょっと幸のうすい電車でした。

さて。管理人(関山)は幼い時期は高槻に住んでいました。1970年代の末頃。
6300の特急が通過していくのを恨めしげに眺めつつ。急行に2800が来ると「当たり!」と嬉しかった。3扉ロングであっても二連窓は特急偲ぶのに十分! クツ脱いで窓向いて座るときも普通に窓向くんじゃなくて、横向いて正座したりしたものです。
あの頃は可愛げのない6300は嫌いで、2800好きになったのはその辺の思い出もあるのかもしれません。
(関西離れてからは6300も乗車機会が却って増え、ネガティブな印象は薄れて行きましたけども)
ところで、現在管理人は京急沿線エアポート急行のみ停車の駅近くに在住。
2100形の快特こそ止まりませんが、格下げ2800的な存在である2000形3扉の急行に乗る機会は多い。
縁は、なくならないもの……。流石に横向いて座ったりしませんが(爆)、無論乗るときは車端部クロス狙いですよ。
実物についての語りが長くなってしまいました。
制作にあたっては幾つかの検討がありました。

・側面:普通に2x2パネルを順組して2連並べること考えてました。先行して京阪1900を試作中に、阪急も横組み窓のほうが窓ピッチとか整合性取れるかも……と思い、横組版を試作したところ思ったよりも良好。また阪急標準車ならではのアルミサッシ表現もできて一石二鳥。横組で制作と。
・前面:これも京阪1900同様に平面に割りきってしまうこと考えていました。貫通扉の幌枠が目立つ車両ゆえ、それを表現しつつ折妻は幾らなんでも無理だろうと。
ただ、運転台のインテリアなどを諦めればなんとかなることが判明。折妻形状を再現できた由と。
・色:未だにレゴファンの間では、阪急マルーンは「濃赤」か「新茶」か……という議論があるようですけど(笑)。自分は何の迷いもなく「新茶」派。「濃赤」じゃ寧ろ近鉄マルーンですって! あと新茶の方が圧倒的に入手性が良いメリットもあり。
・台車:2800の殆どの車両が履いてたミンデンドイツ形台車は大好きなんですが、台車そのものが前後方向に大きくなりすぎ床下機器を殆ど再現できない問題あり。そのため、2814編成と設定してシュリーレン式台車編成にしています。

ドア横の白い1x1タイルは、1984年まで京都線8連に貼られてた「ドアカット」ステッカー(京都市内地下駅の一部でドア開きません)。車番や社紋の白もそうですが、阪急電車はシンプルな形状ゆえに、こうしたディテール表現は効果が大きいのです。

実物は連結面にも窓がありますが構造上+予算上省略しています。貫通幌は固定編成な題材だけに、片ホロです。

側面窓配置はドア間の連窓を5組から2組省略して3組に。一方で車端部は省略なし。車端部も連窓だったのが2800のかっこ良さでした。
窓上の黒い部分は「急行|特急|準急」(だったかな? 準急は「堺筋」かも?)の種別表示器。特急は赤ランプ。2880形の実物は付随車ですので、床下機器は少なめに。

モデルでも、この車に9Vトレインモータ装備。
クーラーの位置が偏ってるのは、実物ではこの車にパンタを設ける計画があり、その予定地を避けたため。中間車ながら個性が出せて楽しい。編成物作るときはこうした差異が微妙にヤル気を刺激します。

パンタなしの先頭車ですが、これはこれで上品さが際立つ。2850形と2800形は恰も雌雄の如し。
付随車ゆえ、床下機器は空気系が目立ちます。

緑モケットのシート。薄い木目の化粧板。可能な限りでそれっぽく。
中央部窓下にある爪は、横組の窓まわりが内側に折れないようするための「留め」。小さいな部品の割に有効で、横組みする方にお勧め。
インテリア装備に合わせて床も貼り、いくらか強度面では有利になっています。

阪急標準車に関しては、前面窓と側窓、ドア窓さえもすべて上下の寸法が揃ってるのがデザインのキモ。
修正はちょっと譲りかねますよ。
あと、一般論として電車の前面窓位置って、低く・大きいほうが優しく萌えな感じに。高めに小さめの方が凛々しく或いはマッチョな感じに見えると思ってます。
(例:153系の初期型と後期型/101系と103系ATC/EF58原型大窓と原型小窓……)
管理人の好みは問答無用で前者なのです。
標識板の表現はちょっとオーバーですがお気に入り。「特急/梅田−河原町」を2枚掲げて。

制作は4両だけですが、恰も車庫に3編成が並んでるように見せる。
流石に実物通りの8両編成は考えたくも無いです。
その他画像はこちら(brickshelf 検閲済)
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=542099
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とりあえず、レゴで阪急電車を1本作るという長年の夢は叶いました。
新茶の供給が凄く良くなったこと(タン色とともに、今は下手すりゃ一番安い色かも?)。屋根肩にポチスロ並べる手法が、ポチスロの相場下がって何の躊躇いもなくできるようになったこと。
側面に関しては、先行した京阪1900(おっと同じ時代のライバルですね)の援用で初期案よりもそれらしくなったこと。いろいろプラスの環境が重ねってのことでした。
あとは、既に作った国鉄153系新快速と並走・競争(ルビ:ガチバトル)させるだけ(笑)。名勝負の再現。
阪急がもっとあれば阪急同士並走させたり、大屋根のある頭端式のターミナルに並べたり。はたまた平面交差させたり。でもまぁ、一休みさせてください。
900+920とか、新京阪100(P-6)とか、時代大いに下って9300形とか作りたい形式はいくつも有りますよ。あと、1000系列も好きなんですよね(無論、古い方)。神宝線系だと5200も地味に好き。
いろいろ悩めそうです。
マルーンの外装に、木目色の内装とみどりのシートで阪急基本3色完備ですね。
社紋の裏側の横組窓留めも参考になります。
私も阪急電車を作りたくなってきました(^^)
普通の日でも阪急の車庫の前で撮るくらいはできますが、きっと扱いが大変そうなのでご本人が来て撮られたほうがよりいいんでしょうけど(^^
お待ちしてますよー
グリーンのシートはアイデアですね。
わかる人にはわかるポイントというか(笑)
阪急については小さい時から電車と言えば阪急で、それも子供にウケない茶色だったこともあり、なんでこんなにもっさいんだろうとずーっと思ってましたが、今じゃ我が子にマルーン色のランドセルまで買ってるくらいで(^^
グリーンのシートも落ち着いてていいですし、大人の良さですよね。
実車と並べて写真撮りましょう!
内装の効果は思ったより遥かに大きかったですね。いや、窓の作りから云って(%3065+%3023は光を乱反射する)外から見えるわけでも無いんですけど。
横組「窓留め」は、ああいう形で社紋などついてる車輌だけですね(笑)。でもまぁ参考になれば。
内装といえば、京阪1900も内装完成(テレビ完備)。近日公開です。
>私も阪急電車を作りたくなってきました(^^)
期待しております。阪急電車3編成あれば、あの並走を再現できますから。
◆かう゛ぇ様
桜バック撮影は自分も近所で考えたのですが、その数日前に「京阪」でやったとこだったので(笑)、被るのもなんだなぁと止めちゃいました。
でも、嵐山で桜と実車(6300。側面は2800に見立てできる)バックという状況は惹かれますね。
来年は春に京都行ければいいなぁ。
緑のシートは阪急の阪急たる部分かと(笑)。
> 子供にウケない茶色
自分も子供の頃は、大阪や京都へのおでかけは国鉄の方が好きでしたね。113系のクロスシートがあったこと。行き交う列車のバリエーションが遥かに豊富だったこと。
でも、関西離れてからはあの茶色が堪らなく恋しくなってしまいました。
青春18とかのJR乗り放題系の切符使ってるとき以外は、今も関西行くと阪急での移動を優先で考えてしまいます(……未だJRより安いですし)。
昔の阪急電車って、新茶がいいと思いますよ。濃赤は違うでしょ…アレは近鉄でも、ツリカケ時代の色が似合う。ツートーンになってからだと、普通の赤&白でいいかと。
…まぁ、阪急も近鉄も昔から色は変わって無いと思うのですが、記憶とか脳内イメージで使う色が変わりますね。個人差もあるし。
絵画でも、同じモティーフを別の人が描くと色が違うのと同じで、車輌も個人差があって全然問題無いと思いますけどね。
前面窓の高さ、前面も窓部分を横組みにして、上辺のみアルミサッシ表現行えばベストだと思うのですが、折妻形状の中で横組は技術面・強度面で二の足踏んでます。不可能ではないはずですが……。
近鉄、何方か昔の濃赤1色時代の一般車やる方いらっしゃいませんかね。あれはあれで品の良いものでした。特に銀帯入った800や820は美しい。奈良電の1200も最初は近鉄マルーンに銀帯入りでしたし。
近鉄元来の旧型車は……寧ろ、濃緑のイメージかも(笑)。
> 阪急も近鉄も昔から色は変わって無いと思う
そのはずなんですが、どうも昔記憶してる色と、今見る色が違うような気がするのは何故なんでしょう。
そのうえ、昔のカラー写真の色は正確とは限りませんし。
色は本当に難しいです。
その一方で、京阪特急の上半分のオレンジを黄色に割りきって平気だったりしますけど(笑)。
余談ですが、本物とおんなじ塗料を小さな模型に塗るのもタブーですよね。色の面積の差が大きいですから。薄めにしなきゃいけないんでしたっけ。
(逆に云えば、プラカラーを本物に塗っちゃいけないってことにもなります)
>車輌も個人差があって全然問題無い
これはこの趣味の楽しさですから。
写真と言うよりは絵画・イラスト的なのかもしれません。鉄道系に限らずレゴビルドって。