厳密な言葉の定義とか無視して趣味界の慣例である「軌間が910mm/762mm/610mmなどの鉄軌道」に限定してみても、その規格……車両サイズは種々様々です。
同じ762mm軌間でも。
台湾鉄道管理局台東線はかなり大きな車両使っていましたし(寝台車まであった)、朝鮮半島のナローゲージもそんな感じ(韓国鉄道庁 水仁線は廃止直前に乗りました)。この辺は車体幅で2400mm程度あったはず。実は通常鉄道でも此のクラスの車体幅って珍しくはないのです。
今回製作中の三重交通(近鉄・三岐)も大きい方です(2200mm位)。その意味では「作りやすい」のですね。まぁ電化されるほどなので、そこそこ輸送量があって電車も大きめになってしまうのでしょう。
蒸機が走ってたところで有名だったのは小坂鉄道(同和鉱業小坂鉄道)。ここも鉱石輸送に大きめの蒸機・電機が活躍していました。
一方、小さいのでは工事用・鉱山用のトロッコ、北海道の簡易軌道(殖民軌道)など。この辺は車体幅で言えば2000mm以下はザラ。
国内の現行営業線、黒部峡谷鉄道もまた小さい方に入りましょう。但し、ほぼ全列車が重連の電機で運行され(客車10両編成)、通常ダイヤでは交換駅の機能を使い切っている(輸送力をフル活用)しているあの産業+観光鉄道は別の意味で高規格な鉄道ですが。
森林鉄道各線も小さいのが殆どです。有名な木曽森林鉄道も含め。
とはいえ、台湾の阿里山森林鉄道はかなり大きな蒸機(あのシェイ式)やら、3両編成のディーゼル急行とか持っていました。現行の冷房・リクライニングシートの客車もそこそこの大きさある筈。ちょっとあの線は別枠で考えたほうが良いのでしょう(そもそも旅客営業を行ってる営業線ですし)。
中くらい――多くの人の軽便鉄道のイメージに合致するのは尾小屋鉄道のような非電化軽便鉄道でしょうか。既に国内(と、韓国・台湾)には存在しませんが。
ただ、尾小屋鉄道や頸城鉄道の車両は動態保存されてて、時折運行されてるようです。
というわけで、ナローゲージといっても、その実は種々様々です。
やっぱり難易度が低め(=車体が大きめ)なのは、電化されて電車走ってる路線(下津井、栃尾電鉄等)とか、往年の台湾や韓国のナローでしょうか(ただ……あんまり身近じゃないかも?)。
蒸機も電機も楽しめる小坂鉄道も意外と要注目かも? ただ、茶色と黒の車両のみという渋い世界なので、鮮やかなツートンカラーの電車や気動車(1970年代の末期の軽便のイメージ)が好きな向きには合わないかもしれませんが。
とはいえ、「モーターと電池BOX、受光ユニットをセパレート」にする文脈もあります。意外な車両に動力が組み込めてしまう可能性はありましょうね。
動力系の問題が片付いたところで、妄想は膨らむってもの。
スケールの問題はなおも残りますが、これは通常の鉄軌道でも既に「本線系」と「路面電車」などで起こっている課題なので(そして、殆どの場合が「気にならない」のが結論!)、気にしないのが当面の正義ってものでしょう。