そして、本州の鉄道はイギリス様式。
北海道の鉄道はアメリカ様式でした。
機関車に関して言えばこの両者、まるで違う形状。
わかりやすい実物例は150形(1号機関車)と7100形(所謂「弁慶」「義経」「静」)。
レゴの製品で言えば、歴代のホグワーツ特急と#79111トレインチェイス位の差異です。
さて、イギリス流儀の内地でもある程度はアメロコが使われました(6400形等)。彼女らはアメリカンスタイルに端梁を赤く塗り、カウキャッチャーの代わりに欧州流儀のバッファをつけた米英混成のスタイルで使われていたのです。

6400形。wikipediaより。
東海道本線で特急から普通列車にまで活躍。カウキャッチャや鐘などをつければ西部劇にも出れそうな姿です。他、山陽鉄道(山陽本線)もアメロコを好む傾向がありました。
こうした英国ナイズされたアメロコは割と有名であり、中には1960年代まで生き延びた個体もありました。
さて。その逆。英国機がアメリカンな装備をして北海道で活躍したケースはあったのか?
何気なくwikipediaめぐりをしていたらすごい写真を見つけたので上げておきます。

英国はナスミス・ウィルソン社製のCタンク1100形。元は典型的なイギリス流儀のCタンク機。

それが北海道に流れて「大型の前照灯」「カウキャッチャ」「自動連結器」「鐘」をつけた西部劇スタイルの汽車に化けています。
元が上品で可愛らしい、キャブの丸窓やらチムニーキャップつけた英国機。そこにコテコテなまでに派手なアメリカン装備! まるで遊園地か玩具の機関車※のような愉快な姿ではありませんか! されど石炭運ぶ実用機関車。
色こそ分かりません。しかし、機関車本体は真っ黒でも、端梁やカウキャッチャは赤に塗られてた……って感じはします(写真の色調的にも)。
※:それこそ150形と7100形を掛けあわせた、1970年代にありそうな汽車の玩具
本場のイギリスでもアメリカでも考えられないハイブリッド。日本の鉄道がぎりぎり植民地的(※※)なものであったがゆえの産物なのでしょうが、こうした辺境ならではのごちゃ混ぜは鉄道の意外な魅力といえましょう。
※※:植民地というか、独自の技術体系を持たない国の鉄道車両は得てしてごちゃまぜになりがちです。例えば韓国ではフランス製の電機とTGV、アメリカンなディーゼル機関車群、日本流儀の客車や電車が共存してたりしますよね(技術的的な良いとこどりではありますので、未熟という云うわけではないのでしょうが)。
プロトタイプを無視して開き直って良い……というわけでありませんが、この辺って組立玩具での汽車作りの参考にはなりそうなお題ということで、取り上げた次第。
ウソ電の蒸気版のようです。
特に鏡板とカウキャッチャーの組み合わせの違和感が
何とも独特の雰囲気を醸し出していますね。
最近アメリカ型も面白いなぁと。
実車だと、型にはまっていないのも大きな魅力、
でも、レゴでこうやっちゃうのは、勇気が要ります。
作業はパーツをつけるだけなんですけど•••
それにしても、何方か作ってみませんか(笑)
◆G@ひたひた様
アメリカ機のイギリス風装備の日本機は割と知られてますが、確かにその逆ってウソ電のようですよね。
英国風要素とカウキャッチャーの組み合わせは独特としか言いようが無いです。
ただ、冷静に考えたら英国系植民地だとこの種の組み合わせって意外とあったかも?
◆なも様
古典機の世界は本当に面白いです。明治の鉄道を造る!なんて他ゲージでは難易度高いままですけど(欧州だとEra1とか需要あるのになぁ)、レゴだと他のもの造るのと難度変わらないのも興味深い(笑)。何時か6400牽く最大急行なんて考えたくなります。
あと、アメリカ形も十分おもしろいんですよね。ただ向こうの今のファンはマッチョ感のある蒸機やディーゼル機関車(+貨車)ばかり注目してる印象があり、それが日本から見た難易度を上げまくってるような(苦笑)。
電車とか電機だと日本のファンにも馴染みやすいの多いんですけどね。
◆薬師山様
>ランボードやサンドドームもカタチが変えられていますね。
あ、1100形はいろんな種類あるので、機関車のプロトタイプは上下の写真で別です。誤解与える表現で申し訳ないです。1100形の曲線描いたランボードは美しい……でもレゴでの表現はガチで難儀しそう。
◆K7A4様
機関車のこと詳しくない人が書いたイラストは、割とアメリカ形とイギリス形がごっちゃになってたりします(苦笑)。前者のほうが派手なんで、それを強引に後者に盛り込む感じが多い……。
(逆なら、それこそ写真の6400形とか、拙作#79111の欧州アレンジみたいな感じになるんですが、これはあんまり見ないですよねぇ)
1100形北海道仕様は、まさにその「漫画的」なスタイルの現実版と言えるのでしょうね。