それでも精密さやらシステム性には驚かされたものです。
で、HOゲージは既に子供には手の届かない高級品になって久しく。
但し1980年代でも地味な模型店や地味なデパート模型売場の片隅に、HOゲージの入門セット、それこそEF58ならぬ「EB58」プラス客車数両なんてセットが売れ残ったりしてましたが。
魅力は感じなかったですね、当時は。子供心に「あんなの売れるのかな」とか気の毒に思うほど。
(まぁ、高校生くらいになってレイルマガジン誌の「鉄道模型考古学」辺りであのへんのフリーモデルの魅力に気がついたりしましたが)



そんなわけで、HOゲージでさえ身近ではなかったですから、更に大きくて古い規格であるOゲージ、ましてや精密模型というより玩具的な三線式は「未知の世界」。
そもそも1965年ころが製品の最後だったといいますから生まれるはるか前の話。
なによりOゲージが雑誌などで記事になることも三誌(TMS/とれいん/RM)とも滅多になく、情報さえもなかったんです。先の「考古学」もOゲージ迄は踏みこまず……。
しかし、今はwebがあり、濃い趣味の世界に簡単に触れることができます。
神保町にある三線式Oゲージ専門店、「はぐるまや」この辺のサイトをご覧になると「こんな楽しく、そして美しい世界があったんだ!」と寧ろ新鮮な気持ちで触れられましょう。大きな電車や機関車の、大らかな雰囲気の模型たち。
特に、「三線式旧製品写真館」は必見です。
「陀武須の鉄道模型」。鉄道系総合ブログですが、「懐かしのOゲージ製品」カテゴリでソート。古い製品を今様にレストアされています。美しい!
wikipedia Oゲージ
カツミ模型店 資料室
(本文の引用画像はこちらから。サイズ小さいのがやや難)
そして大柄なモーターや歯車、配線のもつ機械的魅力。

なかでも、カツミが三線式末期の1965年頃に製造したショーティの半自由形電車などをみていると、我々の作り親しんでいるABS樹脂のブロックで出来た機関車や電車との共通性に驚かされます。
サイズであったり(※)。或いは、ディフォルメのセンスであったり。
※:1/45。車体幅で言えば6cm位……レゴで云うなら7ポッチ分です。
無論、機械としての重み、ましてや歴史的重みとかは全くあちらには敵いませんけれど。
だからこそ、あこがれ、その雰囲気を取り入れてみたくもなるのです。

あの模型に新快速仕様があったらなぁとか考えつつ。
さて、少し頭を冷やして。
正史的にはレゴのトレインシステムの古典的ライバルは一応は三線式は三線式でも、メルクリンのHOゲージの方であったでしょう(いやあれも魅力的に過ぎる世界ですが!)、或いは二線式HOゲージか。1960年代まで三線式Oゲージが流行って一般的だったのは飽くまでアメリカと日本。当時のレゴ社にとってはメインではない市場でしたから。
つまりは、三線式Oゲージと、レゴトレインしかも今風の鉄道模型的製品・作品の雰囲気が似ちゃってるのはただの「偶然」に過ぎません。そもそもレゴの電気系はずっと「直流2線」。
でも、あの雰囲気から今も、学び取れるものは沢山あると思うのです。偶然としても、素敵すぎ。知ってて損はない「甘美な世界」であると。
最後に。
アメリカでは三線式Oゲージは「現役」であり、幾つものメーカーから、様々な価格帯(玩具的な低価格品もあれば、精密な高級品も)で新製品がリリースされているそうです。
代表的なところで、ライオネル(wikipedia)
Lionel(英語公式 型録頁)。


ひょっとしたら、「サンタフェ」「マースクトレイン」辺りのレゴトレインアメリカ形って、あちらの三線式Oゲージの今様な製品をライバルとして意識してるのかもしれません。
グロベン付きですし。
カツミの同シリーズは確かに客窓サイズがレゴのトレイン窓っぽいですね。
それにしてもブルーライナー、何度見てもイイです。
白が灰色9号っぽく見えてしまう不思議…
カツミのショーティ急行型電車は飽くまで155系ベースで(ドア幅やベンチレータなど)、それにカラバリ出してた感じですので、165系風という趣ですね。
でもまぁスカ色はご愛嬌でしょうか。そういえばプラレールでも165系のスカ色やら関西線快速色があってえらくレアなんだとか。
閑話休題。
http://blogs.yahoo.co.jp/dmf31zs/51350233.html
こちらに153系風にレストアされた記事があります。
このインパクトは大きかった! これで2010年ころ新快速の制作が加速しちゃったのです。
>それにしてもブルーライナー、何度見てもイイです。
早く改修終えて記事にしたいのはやまやまなのですが……。
白でも灰色9号に見えるというのは嬉しいです。実際灰色9号って限りなく「灰味の掛かった白」ですものね。