ちょうど去年の今頃ですが、2007年11月に作ったタトラ T603を大改修しています。
2007年の記事1/2007年の記事2


T603は、1957年から1975年に製造された、チェコスロバキア(当時)の大型乗用車。
リアにV8エンジンを搭載した全く他に類例のない個性の塊のような車でした。但し、第二次大戦前からのタトラ車の流れとしては極めてまっとう。技術の系譜としてVWビートルやポルシェも血筋は近いようです。
そんなわけか、ある程度は西側に輸出された模様。
また、西側輸出を意識した洒落た宣伝ムービー「happy journey」も作られています。秀逸!
Tatra 603 happy journey part 1(youtube)
Tatra 603 happy journey part 2 (同上)

画像はwikipediaより。wikipedia:タトラ(自動車)
丸みの強い車体はともかく、前面は「寄り目」が強烈な印象でした。
好き嫌いは分かれそうですが、個人的には惹かれるスタイル。日本には大昔チェコスロバキアの大使館公用車として1台入ってきた……だけだそうで、個人蔵も博物館蔵もないようです。お目にかかる機会が皆無なのは残念。但し、西側での愛好者は少なくないようです。
さて。
チェコの工業力は第二次大戦前から大変に高度。ソ連があった当時も、チェコ製の大型機械……機関車などがソビエトにも輸出されていました(個人的には3年前の訪ロ時にシュコダ社製の電気機関車が新旧ともに大活躍しているのが印象的でした)。
あと、我々の愛用するデンマーク産とされているブロック玩具も今や工場は「チェコ共和国」ですね。レゴの大型作品作る工房もチェコにあるそうで、先日の「京都駅ビル」もそこで組まれたものでした。
そんなわけで、身近じゃないようで、案外身近な国?
なおタトラ社は現在は乗用車からは撤退していますが、大型トラックでは主要メーカーです。

作品に話戻しましょう。
上のWikipediaの写真が好きなので、その雰囲気目指して頑張りました。モールの位置とか配色とか。
レール付きプレートで若干車幅を稼ぎ、大型車らしいバランスにしています。フロントのバンパーは取り付け方法限られる中で頑張った部分。

リアエンジン車らしい、まろやかなテール。左右分割の後部ガラスは再現無理なので、エンジンダクトが上まで伸びているという設定で処理。吸気ダクトはやや誇張表現。

リアのエンジンは4気筒として再現。これは前作からのギミック

構造。フロントのフェンダーは前作同様、煽り戸部品で表現。
もちろんゆったり二人乗り。

どこかの党幹部専用車の雰囲気で「黒」バージョン。赤旗も掲げて。
東欧製のこの車は、こういう用途がメインだったはず。

サイドビュウ。モールの位置を変えて、重厚な感じを意識しました。
カラバリ的には白・黄・青なども作れそう。西側向け?には随分カラーバリエーションも用意されていたようですから。
その他の写真こちら(brickshelf。検閲済)
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=518843
タトラT603に関してはwikipediaの他、個人ブログ「シャルル・パナール博士の異常な愛情」の記事がとても充実していますので全てリンクしておきます。
博士の好きな自動車 19 タトラ T603
タトラT603 T
タトラT603 U
タトラT603 V
タトラT603 W
タトラT603 X
タトラT603 Y