しかし、9Vでお馴染みの「通電ポッチ規格」を使用した「Light & Sound」が始まったのは1986年のこと。
今回は脇道にそれて?
……いや、1991年の9Vトレインの前歴史として「Light & Sound」に触れてみましょう。この規格あってこそのお馴染み?9Vになるのですから。
◆「Light & Sound」のシステム概要
「宇宙シリーズ」「街シリーズ」に於いて、光(電球)と音(電子音)の演出を行うために導入。
これまでのレゴ電気系との違いは、ユニットの小型化への配慮とケーブル取り回しの簡略化。そのため、「街シリーズ」では4幅サイズの車にも無理なく収まっています。小型化のために電源は9V角型電池(006P)を使用。ケーブルは「通電ポッチ」として省略できるようになっています。
(後日、通電ポッチ規格の電源ケーブル類が追加されます)
また、飽く迄「光と音」のシステムであるため、この規格でモーター回すことは最初は考えていなかったようです(1990年になって初めて9Vのテクニックモーター2838c01の導入が始まりました。同時に単三×6の電池ボックスも)。
モーターを基準で作られてきたこれまでの(そして、その後の)レゴ電気系との大きな違いでしょう。

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4760c01
%4760c01 9V角型電池(006P)用電池ボックス。このシリーズの基幹部品と言えましょう。電源on/offのスイッチ内蔵。但し極性切替は出来ません。
これまでのレゴの電源系では最小サイズです。



http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4757
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4758
通電プレート 3種(1×2 2×4 2×8)
電源ケーブルの代わり?になるものです。

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4774c01
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4774c02
4774c01が警察/消防車両のサイレン、4774c02が宇宙シリーズ用のサイレンを鳴らすものでした。以下リンクより「試聴」可能。
http://www.bricklink.com/catalogItemSound.asp?P=4774c01
http://www.bricklink.com/catalogItemSound.asp?P=4774c02
いかにもな電子音ですが、当時らしくて好感の持てる音色です。
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4774cU
4774cUというタイプもありますが、詳細不詳です。


http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4771
ライト1連 %4767
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=4767
両者とも、普通につなぐと通常点灯・極性を反対につなぐと点滅灯になります。後者は言うまでもなくパトライトを意識したもの。
◆「Light & Sound」の採用製品(1986年)
1986年、街シリーズに2種。宇宙シリーズに3種採用されました。

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=6480-1
#6480 Hook and Ladder Truck

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=6450-1
#6450 Mobile Police Truck
当然、消防と警察で採用です。どちらも電池収容のためバンタイプの大型車が選ばれていますが、違和感は少ないデザイン。但し、予想というか懸念されるとおりそれなりに高価で、1987年日本版カタログ価格は#6780が4300円、#6450は3500円でした。

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=6750-1
#6750 Sonic Robot

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=6780-1
#6780 XT Starship

http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=6783-1
#6783 Sonar Transmitting Cruiser
この時代の宇宙シリーズは白とクリアブルーが基調色でした。ロボットは少し前のつくば万博的というか、なんともユニークな製品ですよね。中型・大型の宇宙船は毎度おなじみ?
1987年の日本国内価格は#6750が4300円・#6780が7000円・#6783が9600円。大きめの宇宙船だとこの種のユニット入れても割高に感じにくいのですね。
以降は割愛します。街シリーズ・宇宙シリーズの章を立ちあげなきゃいけなくなりますので。
さて。気になるシリーズの終焉ですが、1995年ころまでは「Light & Sound」のロゴが、1998年ころまでは9V角型電池ボックスは使われていた模様。
通電ポッチ規格はトレインやテクニック、マインドストームRCX用としては2007年頃まで生き延び、PowerFunctionに移行していきました。

それから、通電ポッチとかユニットの小型化という思想は吹き飛んでしまったかと思えばさにあらず。
2000年代入ってから「ボタン電池内蔵のライティングブロック」「サウンドブロック」が多々リリースされ、今に至っています。今昔の違いは、「街」「宇宙」で多用された「Light & Sound」に対し、クリエイターでの採用が多いことでしょうか。大きくコストアップにはなっていないのも今といえば今様ですが、警察に消防だらけのCityで採用されないのは、対象年齢の関係で難しいのかも知れません。
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この記事書くためにbricklinkとpeeronで「Light & Sound」関係の情報集めしたのですが。
年代に関しては1985-88年の間で結構不正確な印象がありました。例えば#6990の宇宙モノレールはbricklinkでは1988年になっているのですが、日本版カタログ1987年ではしっかり掲載されているとか。
何を信じて良いか分かりませんので、取り敢えず当時の印刷物という一次情報、brickshelfで見られる1986年版ドイツ語カタログと、
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=286497
たまたま手許にある1987年版日本語カタログ(そのうち紹介・記事にします)の照らし合わせから、以下を基準としました。
「Light & Sound」システムは1986年から(ドイツ……西ドイツでは10月)。
「モノレールシステム」は1987年から。
勿論、この辺の「誤差」を考慮に入れても、「Light & Sound」「モノレール」の2者がトレイン9V化の先駆けであった事実関係は揺るがないでしょう。
そんなわけで、次回は「モノレールシステム」です。
通電プレートの2×8と2×2ある・・・。
これ貴重なのかな・・・・?
はじめまして。
通電プレートは欧州だとそこそこ中古の流通あるようです。特に希少ではないですが、それなりに使える品ですので大事になさってください。
なお、電池BOXやライトなどもカンザンブリックでは入手いたしますよ(宣伝)。