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2011年12月25日

【鉄道作品】札幌市交通局 A830 1960年代のモダンな市電



<他画像はこちら>
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=492153

 1964年製造。似た様な形のA820とともに札幌市電を代表する車でした。
 しかし、地下鉄整備と交通政策上の問題でせっかくの連接車群は引退を余儀なくされ、1976年ころには運用離脱。名鉄に払い下げられた3編成以外は早期に廃車されてしまいました。
 名鉄払い下げも含め完全な形で残っているものがないのは惜しまれますが、ほぼ同型の路面気動車D1040は1両保存車があり、雰囲気を今に伝えます。

 詳細こちら。wikipedia 但し名鉄末期の写真のみ。

 実物画像はこちらとか。
http://www.tetsudo.com/kefu/onen/337/
 こちらとか。
http://omotetsu.art.coocan.jp/sapporosiden01.htm
 どちらも地下鉄開業以前の札幌市電の姿を捉えた、貴重な写真いっぱい。
(あの時代北海道でSL撮ってても市電撮る人少なかったんだなぁと思います。意外と記録がなくて)
 日本の路面電車のどちらかと言うと低迷期※の車両ですが、デザインに関しては他に寄せ付けるもののない優美さ! 最大限に取られた大きな窓、曲面ガラス使った凝った前面。「北欧スタイル」と云われる由ですが、北欧のどんな都市にも類例するスタイルの車はありません(笑)。良い意味で個性があったのですね。
 ただ、あの時代の路面電車はあんまり長期の耐久性を考えていない安普請な車も少なくなかったようで、車内写真を見るとインテリアの簡素さに驚かされたりします。引退が早かったのも(また名鉄にしか譲渡されなかったのも)実はその辺も理由だったのかもしれません。

※:復興期が1980年ころの軽快電車。それが1990年代後半以降の低床電車群に繋がっている由です。

 なお、流麗なデザインは東急玉川線のデハ200に通じるものもあります。札幌市電の200形以降の丸っこい電車は東急車輛の設計といわれ玉電200の影響下にあるそうですから、同じ東急車輛製のA820/A830も同じ文脈で語っていい車なのかもしれません。


◆レゴ化にあたって
 数年前ですが、この世界の先達たるAWAZO氏との雑談で「札幌の市電、中でもA830とかは絶対レゴじゃ無理だろ!」と盛り上がったことを覚えてます。側面の大窓はともかく、細いピラーをどうするのか。あとは前面の大型ガラスの処理。あと、微妙な塗色! 
 数年間「あれは無理」と思いこんでいました。

 が、別の北海道在住のビルダーさんとお話する機会があったとき「以外となんとかなる?」と思って設計してみると、意外となんとかなる! あとは数週間のブランク空けて制作に至った由です。

 以外と何とかしたのは、以下。

●側面の細いピラー → 普通に1×1ブロックで割りきってしまいました。ぶっとくなりますが強度とか考えたらこれが一番。

●前面形状 → 1枚もののキャノピーじゃ絶対無理ですが、複数のスロープやパネルを組み合わせりゃなんとかなる? なお、腰から下は横組で楽勝です。

●塗色 → ダークタン+緑が近いんじゃないか? しかしダークタンでは基本的な部品さえ供給ないのが判明し、タンに割り切り。色あせた感じならギリギリ見えなくもないと。あと腰回りの緑も灰緑に変更。

 「多少の」妥協ということです。



 あとはモデル化へのアレンジ。
 全長は長すぎると他の本線車両との整合性が壊れますのでいつもどおり極力詰める。それらしく見える窓割を最低限維持することで決めました。
 床面も路面電車として納得できるレベルまで、下げる。(日本語だから出来る話ですが、海外の市電作品は床面が高くて雰囲気壊しているもの少なくないのが残念すぎます)
 その関係で、足回りは「2-2-2」のボギー式連接を、「1-2-1」に省略。ボギーの旋回があると床面を下げるのが極めて難しくなり、車体形状への悪影響もある為です。
(ちなみに「2−2」の二軸車2両編成へのアレンジもちょっと考えました。連接台車はダミーの飾りで済ませると。流石に連接車の機能を省略するのはなんかと思いやめちゃいましたが)


◆腰から下。連接部
 先ずは腰から下を完成させます。側面タイルで隠し処理しているのはこれまでの低床電車系と同じ流儀。但し、2プレートほど床を上げ、普通の電車の範疇に納めてはいますが。
 また、タイル処理のお陰で前部で車体幅絞りこまれている部分が、内部のヒンジ処理するだけで再現できてしまいました。


 苦労したのは連接台車がモーターなので動きまわる周りの処理。側構体と座席と床面を合体させたような作りで、連接台車上を構成しています。

 連接台車は車体裾の一部も含めたデザイン。これでも車体全長に対して台車が大きすぎるのが難です。


 貫通幌はMLRV1000、京阪「びわこ」、広電5000に次いで内部の通路を確保した方式。2車体間の連結は「びわこ」のとき同様、屋根上で2車体をテクニック接続しているだけ。


◆腰から上。前面
 側面はパネルと1×1ブロックをひたすら積み上げるだけです。ピラーはやっぱりぶっとすぎると思いつつ、窓配置はそれっぽいと思うので納得しています。
 座席がある部分のパネルは上下分割にして、せずり兼保護棒の表現にしました。実物写真見ると意外と目立つところですよね。


 前面は何度か作り直し、なんとか納得できる形状に追い込みました。幸いであったのは他の目的(ドイツのガラス電車ET91用)に確保してあった33度スロープ3×3のクリア(たしかレア部品)があったこと。
 この電車、前面窓は微妙に傾斜しています。そこを省略しちゃいけません(=制作上の制約になります)。最初幅2高さ3のクリアパネルを考えてましたが、実物の前面窓は意外と横幅も広い一枚ものなので少しでも幅を拡げるため幅2高さ2のパネルを二枚繋げて横倒しにしました。
 なお、検討として幅4高さ3のパネルを横倒しにし、左右をクリアのポチスロで処理というのも試作はしましたが、随分角張った雰囲気になったので却下(まぁ1980年代の軽快電車でも作るときは役に立つのでしょう)。

 ドアは運転台直後のものは省略して腰部のみドアっぽいダミー表現で済ませましたが、センタードアは4箇所ともスライド開閉。ドア下半部を側面とツライチにできたので、ここに関しては本物よりスマートかも?

 でっかい前面方向幕付近の作成は楽しかったです。やたら目立つパンタカバーも同じく。


 車内は灰色の床に赤いシート。ずいぶん明るい雰囲気に。実物のカラーリングは分かりませんが。


◆まとめ
 完成はしました。
 が、やはり無理無茶な題材を妥協重ねて造った作ではあります。見た方には「札幌市電の連接車」と認識していただけるのかしら? 不安です。
 とはいえ、前面形状に関しては欧州の、やはり1960年代の路面電車作るときにでも応用・アレンジ利くかな?と思ってるところです。あっちのほうが三車体とかそれ以上の連接あって面白いですし(をい。

 さて。
 発表までしといてから記すのもなんですが……全長を短くアレンジしすぎたこと。車高を下げ過ぎたことが制作翌日から気になっています。実物写真見直すともうちょっと長くてスマート、でもって高さ方向へのボリューム感もある電車なんですよね。

 大改修(床面1プレート上げ、全長窓1つぶん延長)しようかしまいか……。
 
posted by 関山 at 23:56| Comment(5) | TrackBack(0) | 鉄道作品(日本形) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
カッコイイ、デザインですね!側面のピラーは横組みでの表現も見てみたい感じがしますが、記事に有りますように、強度的に無理なんでしょうね?また、横組みにするとせっかくのセンタードア4箇所ともスライド開閉を捨てなくてはならないのでしょうか?難しい選択ですね?
Posted by エフ at 2011年12月26日 00:36
札幌在住者として、札幌市営交通物が作品として出たことは
何より嬉しいの一言です。

正直これが北海道以外の人の手で
ここまで作られたレゴお目に掛かることはないだろうと思ってました。
それも連接の800系です。
両手を上げずにどうしましょうか。(笑

私も好きで密かに来年の作成将来の予定に入れておりましたが、
もう作る必要もないでしょう。(笑

良いものを見せて頂きました。
ありがとうございます。

Posted by TOM at 2011年12月26日 11:54
内装、椅子の色や、当時の大きな差はなく床の作りは共通だったきがします。家に資料館のA800や他の車体写真があるので確認しておきます。

椅子は概ねブルーかグリーンだと思います。

床は昔の車両はどれもそうでしたが、板張りですね。新品の薬を塗った状態はブラウンじゃないかな…と思います。
Posted by TOM at 2011年12月26日 12:40
この前面…普通はレゴで作るの諦めますよねw
名鉄の方が印象強いですが、作品の初見のインパクトは凄いですよ。
瞬間記憶を呼び覚ましたから…
今年の締めくくりに相応しいですね。

実物が見てみたいです。

低床路面は9Vが有利ですね〜
ウチには線路しか無いのでw
Posted by G@ひたひた at 2011年12月26日 19:00
◆エフ様
 側面ピラーを横組にすると、窓幅が1ブロックか2ブロック分になると思うのですが、それだと雰囲気が微妙に出さないような気がします。開閉は不可能じゃないですが、強度的に地獄です。
 と、いうわけでこれで正解だったんだなぁと今更ながら。

>カッコイイ、デザインですね!
 実物はもっとかっこいいです。そこを汲み取りきれた……のかな?

◆TOM様
> 札幌市営交通物
 ササラ電車とか考えてたことはあるのですが、この連接車は不可能と思い込んでいたところからのスタートでした。あ、ササラ電車も考えたいです。木造の方を。

>北海道以外の人の手で
 こちらの地元だと玉電デハ200になるので更に大変です……と冗談はともかく、居住地以外だからこそエキゾチズムで制作が加速するのかもしれません(外国型とかそうですが)。

>もう作る必要もないでしょう。(笑
 そんなことは仰らずに! TOM様の流儀だとどんなふうになってくるか楽しみですから。

 椅子はブルーかグリーン。地味な感じですね。床面は木製……北国じゃバスの床がスケルトン初期まで木製だったのを思い出しました。
 どちらも地味過ぎるので、自分の作品は赤シートにリノリュウムの床という設定にしておきます(笑)。

◆G@ひたひた様
 名鉄の方が色彩的には難度が下がりますね(笑)。ただ赤1色だとごまかしも難しいかも。あと名鉄の方だと既存作のモ510+520と並べられるメリットはありますが。

>この前面…普通はレゴで作るの諦めますよねw
 EF58とか幾つか不可能を可能にしてきたこと、思い出してみたり。
 こうしたチャレンジができるのでこの遊びは何時までもやめられません(笑)。

>実物が見てみたいです。
 何か上京の機会あれば良いのですが。歓迎オフ開かせて頂きます。

>低床路面は9Vが有利ですね〜
 そうとも言い切れません。9Vモーターが制約になって足回りが完全に自由になりませんから。万葉線にしても今から思えば足回りはかなり妥協しています。今になって実物写真見直すと、足回りが窄まったような特殊なスタイル。あれって決して2軸車×2じゃないんですが、厳密に再現しようとするとPowerFunctionのほうが有利なのかなと思うこともあります。

 あと、平凡な!路面電車のボギー車を考えると、PowerFunctionで足回り完全自作じゃないと無理かなと。軸距の短い台車が問題になるのです。
Posted by sekiyama at 2011年12月27日 01:42
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