
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=5072056
<他の画像こちら>
先の「架空重機コン2011」への応募作です。
コンペのレギュレーションには「レールの上に載っているもの」は特に禁止されていませんので、「レールの上に載っている重機」の中で、もっともベタなお題である「操重車(鉄道用クレーン車)」を製作しました。
操重車はベタであり格好いいのと同時に、レゴでの機能再現が比較的現実的であるというメリットもあります。このモデルでは写真を観て分かりますよう、PowerFunctionによる
「ブーム上下」
「ウインチ巻き上げ」
の操作がリモコンで可能です。
併せて、9Vトレインモーターもふくんでいるため、自走もできます。
(実物の機能のうち、「旋回」だけは電動ではできません。なお、アウトリガも手動で展開可能です)
動力系はPowerFunction-Mサイズモーター2基。ウォームで減速して適度な作業速度を確保。これを「ほぼ6幅」の車体に押し込んだ由。この機能を実現するためのおそらくは最小限のサイズ。
単四用の電池ボックスはありがたい事に?カウンターウェイトとして機能します。
車体部分に特定のプロトタイプはなく、「操重車」という車の平均的イメージでデザインしました。
http://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Rail_cranes
この辺参考に。
外国の例の他、日本国鉄のソ20・ソ30形式はいくらか意識していますが、どちらかというと欧州よりの雰囲気に。時代設定的には上記形式のような、1920年代製造の古風なところを想定。
「この部品があったからこそ、チャレンジした」といえるトラス構造で、ブーメラン型に湾曲しているクレーンブーム。
動きの楽しい歯車などの機構の露出。
操作室がなく、むき出しの操作レバー。ダークグリーンの車体。やたら重苦しい足回りなどなど。
(ここまで、応募文章ほぼそのまま)

で、結果は語るまでもなく(笑)。
形や機能もともかく、色も地味すぎでした。サモネみてるだけで、ああクリックしてもらいにくいだろうなぁ……という空気が出てしまってましたから。何時ものbrickshelf(trainタグ)でクリックしてもらうのとはぜんぜん違う見せ方が必要なんだなぁと痛感しました。
そんなわけで「brickshelf」でのアクセスカウント数でリベンジですね(笑)。
(幸いにもこっちは満足行く数字が出てます……)

ダークグリーンなので、「エメラルドナイト・カーブスロープ」も積極的に再利用してます(笑)。
最小限のサイズに機能を押し込んでますが、電池BOXの一部ははみ出し上等の割り切り。

操重車というと、どうしても作業中の姿よりは、ブームもアウトリガもたたんだ「回送中」の姿のほうが身近な?印象あるんですね。この姿でもブームの迫力が感じられるかと。
それにしても、あのトラスビーム使ったレールクレーン作品は未だみたことないので、「やった者勝ち」の満足感はあります。

手前のモーターがブーム操作用、奥が巻き上げ用。といっても糸の張り方だけの問題ですが。
実はクレーンのワイヤーの張り方の資料がなく、自己流で幾らか苦心しています。
専門家が見たら呆れられるかも(笑)。
http://www.youtube.com/watch?v=ugx6MtOrclE
鉄道の風景として色とか雰囲気はいいのですが、「重機」を語るなら話は別だと思います。クレーンの美しさは機能が醸し出すものだと信じて(笑)いますが、ワイヤーの取り回しを雰囲気とか印象だけで片付けてしまうと、全く筋の通っていない造形になってしまいます。
絵で言うとデッサンとか解剖学を身に付けずに、ディティールばかりを追いかけても説得力のある作品にはならない…といった感じです。
鉄道以外のクレーンに興味を持って下さいとは言いませんが、鉄道クレーンなら実車を理解してトレースする事をお勧めします。なるべくしてして成ったカタチの意味が見えて来ると思いますので…。
エラそうな事書いてすみません。でも、今回の作品は堂々としていないというか、関山さんらしくないなぁ…という印象だったので。
モーター込みでオーバースケールにならないあたりはさすがですね。
アウトリガ展開で吊り下げ能力はいかほどでしょうか?
湾曲トラスはノーマルのトラスが無いと使い道がなさそうと思ってましたが、ペアにすると見栄えするのですね。
G@ひたひたさんのコメント見て思いついた。
この作品は、レゴ操重車界の「萌絵」的ポジションなのかもしれません(笑)
(メカ)素人は素直に格好良い(可愛い)と思っちゃうところ辺りが特に。
糸の張り方によっては、空回りしていたので、モーターバイク#8051に入っているチェーンパーツ↓
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=3711
とか使うのと良いのかなぁと思いました。
制作意図として
「魅力的な形状の、新部品を使ってみること」
「取り敢えず、リモコンで動作できること」
「鉄道車両として不自然な形状にならないこと(サイズが過大にならないこと!)」
が念頭にありました。したがってリアルな重機の再現は考えておりません。
なにより、自分が作りたいのは重機の模型ではなく、レゴであり、鉄道模型です。
たとえ重機として美しくなくても、鉄道車両の文脈で納得の出来る形状にするのが優先です。
だからこそ
「ブームもアウトリガもたたんだ「回送中」の姿のほうが身近な?印象ある」
「専門家が見たら呆れられるかも(笑)。」
と釘は差してあるわけです。言い訳とも云いますけど。
あと、鉄道クレーン(操重車)の資料など或る程度は抑えていますよ。ここばかりは何時ものトレイン系作品と変わらない立場なのですが。ちなみに何時もの機関車や電車作るときにも必ずしも図面までが手に入るわけではなく、写真からの推察だけで作ることは珍しくありません。
その是非はともかく、趣味としては「楽しみ」と「時間・手間(リサーチも含む)」のバランスは考えなければなりません。解剖学的なリサーチは後者の負荷が高すぎるのです。
で、その意味では蒸気機関車の足周りだって、拙作は「ウソだらけ」で「筋は通っていません」。その上、正確に蒸気機関を理解しているわけではありませんから(解剖学的に)、専門家から同様の批判を受けても可笑しくはないのでしょう……。
(でも、自分は正確な機関車1両作る手間で手抜き機関車が3両作れるなら、後者を選びます。また、過去作品は皆その思想です)
ワイヤーに関しては写真では分かりにくいのと、実物通りにするよりも模型としてシンプルな仕掛けで動作することを優先するために「自己流」とせざるを得ませんでした。
但し、動作させるにあたっては相当な試行錯誤を行っていますので、決して雰囲気と印象でごまかしているわけではありません。動作の伴うリモコン模型としては最低限のことは行っています。
>今回の作品は堂々としていないというか、関山さんらしくないなぁ…という印象だったので。
先に申したとおり、何時もの拙作と何らかわらぬ姿勢で作っていますので、かなり意外な印象です。
具体的にいつもの拙作との違いなど、ご指摘など頂ければ幸いです。
◆Buchi様
日本の実物は昔の灰緑色に黄帯が素敵でしたね。黄色一色はなんか違うという感じで。で、今回は「落ち着き」狙ってこの配色になりました。受けよくて幸いです。
「オーバースケールにならないこと」は一番苦心したかもしれません。PowerFunction-Mサイズモーターには正直助けられました。マイクロモーターも検討しましたが力と速度考えると適切ではないでしょうし。
湾曲トラス部品は、ペアにして、かつ間にアングルコネクタ入れて「曲げる」ことでこの形が出来ました。ソ80中期型以降の近代的な直線的ビームは味気ないので、これで正解だと思っています。
>レゴ操重車界の「萌絵」的ポジションなのかもしれません(笑)
ありがとうございます。萌絵好きとして、またレゴでも萌絵的ディフォルメ好むものとして嬉しい言葉です。ただ、厳密に言えば萌絵でも正確な人体図知ってる方が良いのでしょうが……。でも、絵でもレゴでも理屈よりは実践も真実だと思っています。
そんなわけで、この種も何作かつくると考え方も変わってくるのかもしれません。実践重ねてると理屈はあとから付いてくると。
ちなみにアウトリガはほとんど飾りですので役に立たないです(苦笑)。吊り下げ能力はウォームギア取付部の強度に依存してしまうので、さして高くないのも問題点かも。
ここは「鉄道車両」であることを優先したがためですね。前者を実用に、後者を強化しようとするとどうしても「オーバースケール化」は避けられませんから。
◆さとふ様
釣り糸の空回りは吊り下げ部に重量が無いことが原因です。テクニッククレーン用のウエイト兼ねた金属製の吊り下げ部品が理想なのですが、手許になく使用できず。でも、購入も検討してみます。
ブーム角度調整用のウォームギアの前にクラッチギア入れるのも検討課題ですね。現状だと角度上げ過ぎると「破壊」してしまいますので……。
なにはともあれ、運転会では楽しんでいただけ幸いです。
PowerFunctionは過去のレゴの歴史的にも、一番使いやすくて廉価なモーターだと思います。いろいろ用途が広がるといいですね。
強度的には腹が下になっている方が合理的ですが、吊上げ物に対しての逃げと、回送時の納まりを考えると納得出来るのです。
電池ボックスをカウンターウェイトに代用したレイアウトも2つのモーターをこのサイズに納めたのも流石です。
個人的に色も好みですし、いい作品だな…と思ったのですが、ジブを上げた姿を見て「これは無しだな…」と思いました。
ソ80のワイヤの張り方がヒントになると思います。プロポーションは似ていますけど、ソ80には、車輛限界とのせめぎ合いによって生み出された工夫がありますよね。
もし、この作品とソ80が同じ大きさ、筐体の強度が同じだったら、クレーンの本質である吊上げ能力は半分以下になってしまいます。
仮に、ワイヤの張り方をセオリー通りに改良したとすれば、今度はジブを上げるとシーブからワイヤが脱落する危険性のある危ない機械になってしまいます。
ちょっと手を入れるだけなんですけど…ご一考願います。答えはあえて書きません。
…
「らしくないなぁ…」の件ですが、私は関山さんのこだわりや観察力、アレンジ力には一目置いているつもりです。
ブログのタイトルが語る通り、レゴ鉄道界を牽引する役割を既に持っているとも思います…ゆえに、影響力の事を考えると、「鉄道屋は他ジャンルの事は分かってないよな…」と揶揄されるような流れにはなってほしくないな、と。
…
ちょっと話は逸れますが、鉄道模型は肌に合わないのですが、昔のグリーンマックスのカタログは大好きでした。あの雑学王的な懐の深さが楽しかった。何で鉄道模型のカタログなのに古い民家の絵や話ばかりなんだ(笑)って。
…
重機コンに勝負を挑んだ作品でなければスルーしたかも知れません。あるいは、良いとこだけをコメントした可能性もあります。が、ここまで進出したからには、やはり「釘を差して」などと言って欲しくなかったです。
…因みに、萌え絵にデッザン力が無いとは思いませんよ。解剖学は内側から、デッサン力は外側から。アプローチが違うだけで、到達点があるとすれば、結局それは1点ではないかと…。どちらからも導く力は執念ですね。哲学者と職人さんが同じ思想に行き着くのに近いと思います。
長文失礼しました。
素直に適度な重みがあっていいなあと思ってみていました。
ひたひたさんの感想に思わず自分の胸にもグサリと来た思いです。
私この手の話は話すと夜が明けそうです。
仰ることの、答えはわかりました(たまたま見つけた、ソ80初期車の稼働中写真がヒント)。
説得力が出ることよりも、模型としての動きも面白さが加わるのですね。改修案を考えてはいます。
ただ、現状で狭い空間にギリギリにギアなど押し込んでいますので空間的に可能かどうかは分かりません。もともとこの辺の「余裕は全然ない、全くない」モデルですので。あんまり期待しないでくださいね。
試して無理だった……の可能性も高いです。
>ブログのタイトルが語る通り、レゴ鉄道界を牽引する役割を既に持っているとも思います…ゆえに、影響力の事を考えると、「鉄道屋は他ジャンルの事は分かってないよな…」と揶揄されるような流れにはなってほしくないな、と。
ご配慮はありがたいのですが、それはそれでいいと思っています。
そんな考慮とかすると新しいジャンルの作品が「作り難く・発表しにくく」なってしまいます。それより寧ろ「鉄道屋が作るとこうなるんだ!」位の開き直りはありますし。
コンテストへの参戦も、「出さずにあれこれ云うよりも、どんなしょぼいものであっても出した方が良い」と考えていたからです。
この趣味は理屈こねるより、手を動かさないと始まりません。
まぁ、批判に耳をかたむける柔軟性も必要なのですが(苦笑)。
作品の良いところを評価してくださったのは嬉しいです。
バッテリとカウンターウエイト兼ねた配置は自分なりに筋を通した部分だったりしますしね。
あと、この種の古風な湾曲ブームはもっと大きく曲がっていそうですが、「あのパーツ有りき」のビルドですからこの形が限界ですね。ちなみに最初は普通に菱形にすることも考えていましたが、トラスパーツ同士を中継ぎする際に「曲げたほうがかっこいい! 自分の好きな古いタイプもそうなってるし」ということで、この形に落ち着いています。
GMカタログの薀蓄記事はいいですよね。味のあったキット箱絵と共に単行本化されないものかしら。
◆TOM様
ご評価ありがとうございます。作風は全く隠していないので、観た瞬間というのもうれしい話です。適度な重みというのも狙ったところでしたし。
>ひたひたさんの感想に思わず自分の胸にもグサリと来た思いです。
先にも記しましたが、自分はこの辺り、開き直った作り方してますから。正確なのは理想としても、数作るための「手抜き」も考えちゃったりしています。そこのバランス取りこそが、ひょっとしたら「作風」なのかもしれませんが。
しかし、TOM様の作品は正直ツッコミどころが見つかりません。自分が雪上車輌に全く知識がないためですが……。