プロトタイプはブレーメン形というタイプ
ドイツの技術ですが、日本でも新潟トランシスが製造しており、1997年の熊本に始まり、以後 岡山・高岡・富山(富山ライトレール・富山地方鉄道)に導入されました。
なお、富山ライトレールのレゴ化は既に2作品があります。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=286934
http://legotrain.seesaa.net/article/101713661.html
grenouille様の作品。大胆なアイディアは氏の建物作品と同様。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=401511
http://legotrain.seesaa.net/article/128117132.html
yuuki様のCAD。実車のホイールベース再現のために9VではなくPowerFunction採用!
あとから同タイプをつくる以上、この先達の両作は意識せざるを得ません。
また、カラーリングは各地とも魅力的であり、岡山とか熊本とか結構迷いましたが、やはり「赤1色」というインパクトで高岡の万葉線に決定! まぁ赤1色というのは従来の鉄道車両でも普通に見られる配色ですから、前衛的なブレーメン形の中でも「普通の電車っぽく見える」のも事実です。


低床感がよくわかるアングルで。
他の画像は以下より。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=455011
例によって暫くは検閲中です……。
●足回りと連結部分
ブレーメン形は2軸車が2両編成のようにみえて、実は通常のボギー車の真ん中が折れる造りです。ですから台車はホイールベースの短い物が付いていますし、そこをPowerFunctionで再現されようとしたのが先のyuuki氏のCADでもあったのですが。氏に敬意を表して?この造りも少し考えました……。
が、9Vで作って車内が透けてみえる様子を優先することにしました。
この地点で、足回りに関しては実物の再現というよりは、如何にそれらしくみせられるか、またレゴとして機能的かということを考えることになります。
ここで思いついたのは動力車は9Vモーターそのままの2軸、付随車はトレイン車輪1軸というアレンジ。
付随車を1軸にすると、有効低床面積が増やせること、連結部を1関節で済ませられることがメリットになります(2軸だと連結部は2関節必要。連結ドラムの構造が複雑に!)。
デメリットは走行性能が未知数なことと、連結部が垂れ下がる可能性あること。
ここは連結部分の工夫で乗り切りました。まず連結ドラム上部でボールジョイント固定。連結ドラム(付随車側に固定)の下部は動力車側のタイル(9vトレインモーターの爪に引っ掛け)の上に乗るようにして、平面・平行方向への安定を確保しています。
連結ドラムは貫通路を設け、実物同様貫通幌として役立つように。

切り離したところ。動力車(右)に1軸付随車(左)がぶら下がり、乗っかる造り。
足回りの覆いは最初2×3パネルを使って車体とツライチにさせることも考えましたが、よくよく考えてみるとこの種の電車の側面の丸み表現するなら裾周りは少し出っ張ってるほうがそれらしくなると。そんなわけでタイルを貼って少し太らせています。覆いの裏側は「ターンテーブルの上皿だけ」を使って裏打ち。これだと微妙に車輪に接触しません。他のプレートやタイルじゃ無理です。

覆い外すとこんな感じ。
●車体
前面は独自の傾斜のおかげで#7938と同じキャノピーパーツを立てれば使えると気がつきました。キャノピーの付け根のヒンジは排障器と見立てもできます。
また左右の窓部は1×6カマボコスロープのスモーククリアを使うことでより窓らしく。
ドアは#8404よろしく建物用の転用。プラグドア自作するのも不可能じゃありませんが……。
なお、写真をよく見ればわかるとおもうのですが、日本のブレーメン形としてはひとつ大ウソついてます(笑)。ドア位置は元来は互い違い、点対称状にになるのですが、それだとモーター収容が不可能になるためドア位置が左右が揃う形に。そのため、付随車の運転台側には客ドアなし。
きっと運転士が運賃収受を行わない信用乗車制(日本では未だに導入例なし)なのでしょう?
モーター及び車輪は車内にはみ出していますが、両者の上にも座席を設けて定員が減らないように配慮。クロスシートロングシート混合。ここは実物と同じですね(笑)。ドア付近は立席+車椅子スペースとして広めに空けてあります(ふっと思ったのですが、レゴの部品にミニフィグ用の「車椅子」欲しい!)。
室内色は実物は白ベースの落ち着いたものらしいのですが、再現困難に付き赤黒青黄のビビットなスキームにまとめました。先に触れたよう信用乗車制のつもりなのでチケットキャンセラー(黄色い棒)も設置。たぶん、suicaのような電子式。

運賃収受のイメージ。
クロスシート・ロングシートはモーターの上。貫通ドラムはちゃんと抜けてる造り。
運転台のパネルは昔のSWより。電車っぽくないのが却っていい感じ?
方向幕はLED式のつもりで蛍光オレンジのグリルタイル使いました。
●まとめ
これまで路面電車はリスボントラム、名鉄510+520、ついこないだのバーゼル市電タイプとクラシックなタイプばかり作ってきましたが、低床のモダンなタイプも意外とレゴ向けなのは驚きました。作ってみればなんとかなるものです。
で、この応用で出来ることはたくさんありそう……。
・ブレーメン形で他のタイプ(岡山とか熊本とか)
・ブレーメン形以外の低床電車各種!
「1軸」+「動力」+「1軸」での3車体版
「動力」+「フローティング」+「2軸」での3車体版
「2軸」+「フローティング」+「動力」+「フローティング」+「2軸」の5車体版
この辺は内外とも実物もバリエーション豊富ですからプロトタイプに関しては実に楽しく悩めそうです。
それにしても有り難いのはこの種の電車は日欧で殆ど形が同じですから(笑)、日本形でも欧州形でも使い回しができること(笑)。どんな街にも似あってしまうんですね。

「交通の共存」。
或いはレゴ的なスケール感を意識したつもりで。
人間と電車、乗用車、自転車のスケール的なバランスは大事だと思うのです。
トイザらスキット買わずにいけそうですね。
真似しないと・・・
カッコいいですね!
ターンテーブルの上皿がそんな使い方があるなんて・・・、
とってもタメになりました!
路面電車は新型も旧型車も魅力ありますよねぇ。
万葉線は乗って楽しい路線でした。
市内電車であり、臨海線でもあり…
また乗りに行きたい路線ですね。
実車の雰囲気満点ですね。
(一瞬、例の組替えかと思いましたがw)
私もレゴで出来ないかなぁ…と思っておりましたが
手がまったく動かないタチで。
体調不良と、さらに仕事が忙しくなりそうなので
レゴはなかなかさわる事が出来ません。
買うばっかりw
今回のオフ、不参加申し訳なく思っております。
あと・・・スミマセン自分の次のネタ、カブってます(汗)。いや、このスマートさとは別物ですが(苦笑)。
◆かう゛ぇ様
本文中にヒトコトも#8404と記していないのに、そこに食いついてくださるのが素敵です(笑)。勿論意識してたのは云うまでもありませんが(苦笑)。
◆エフ様
ターンテーブルの上皿は「暑さ半分の薄いプレート」として使えます。下半分は変わったパターンのグリルタイルとして使えますしね(こっちは製品でも多用されつつありますが)。
窓越しに車内というのは9Vという過去システムならではの話なので、窓越しにPF機器というのも何時か挑戦してみたいところです。未改造(笑)で如何に押し込めるか。これはこれで魅力的な命題ですから。
◆nobiinu様
連接部分はこだわりです。通路が開き、カーブ曲がっても美しく! ここを克服しましたので、今後連接車を作るのは楽しみになってきそうです。
万葉線は加越能鉄道時代に見たことはあり乗ったことはないとう感じです。前の電車(7000)があんまり好きじゃなかったからですが(日本の路面電車が一番駄目だった時代の車)、今のMLRV1000なら乗ってみたい撮ってみたいですね。北陸訪問も考えませんと。
◆G@ひたひた様
今回は残念でしたが、また関西行きは考えておりますのでその折は宜しくお願いします。
あるいは関西でのトレインイベントが開かれるようになるかもしれません。
雰囲気出ているのは嬉しいです。組み換えとは程遠いですが(笑)、前面の作り方はあの組み換え作戦の中から出てきたのは事実ですよ。
あとは次回作楽しみにしております。
◆Mugen様
1ブロック分、1プレート分を無駄にしないというのは大事ですね。
(余談ですが、海外の方の凄いビルドでもここを怠って大味な印象になってるのをみると残念に思ったり)
で、ネタかぶりですか? ひょっとして例の組み換え? 楽しみにしております。
このアイトラムはホントによく似ていて驚きました
古い作品へのコメントも大歓迎です。
(もう1年半も前……)
こちらからライトレールへの展開を計ってくださったこと、嬉しく思います。