
キハ55・キハ26系は1955年より製造された国鉄の準急用気動車。北海道から九州まで全国津々浦々に配置。国鉄の気動車としては初の優等列車用であり、当時の客車(ナハ10等)同等の車内設備で好評を博したそうな……。
……というのはあとから本で仕入れた知識であり、小学生の頃宮津線で乗ったときにはボロさに感動したものです(褒め言葉)。キハ58だと急行料金取られた時代でしたから(笑)、キハ55は普通・キハ58は急行と云う序列には納得のいくことでした(とはいえキハ55も1980年頃までは急行の増結車にも使われてたそうですが)。国鉄車は1986年までに全廃。活躍した割には保存車がキハ55 1のみと少ないのは残念です。
キハ55が2エンジン、キハ26は1エンジン車。どちらも片運転台。
形状的には初期車がいわゆる「バス窓」、後期車が通常の上昇窓という差が目立ちます。また、キロ25という旧2等車を格下げしたキハ26 400は狭窓が並んでいました。他にも改造車などで変形車は少なからず。
なお、同系列の社車(私鉄車のこと)もおり、南海鉄道と島原鉄道にそれぞれ纏まった両数が新車として入っていました。用途はどちらも国鉄線直通用で、国鉄車+社車の混成で南海のは1985年まで、島鉄のは1980年まで直通運用がありました。運用に便利なよう国鉄車にはない両運車も製造されています(島鉄車は全車両運)。
実物については以下参照。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%89%84%E3%82%AD%E3%83%8F55%E7%B3%BB%E6%B0%97%E5%8B%95%E8%BB%8A
また、資料としてはトミーテックのサイトが役立ちました。
http://www.tomytec.co.jp/tomix/report/n/nj_059.htm
●制作にあたって 各車共通
キハ55系列はかなり前から製作予定に入れており、実際に試作も2005年頃に行っています。タン色のパーツ(特にプレート)を浪費する題材であることが判明し、その時は断念した由。
また、窓まわりも問題でした。初期車のバス窓・後期車の上昇窓ともにとてもとてもレゴでは再現しにくい形状の窓なのです。試作品では後者をトレイン窓で再現しようとしましたが、窓が大きすぎてとても似つかぬ雰囲気に。そんなわけで試作品放置して4年経過……。
……2009年にバス窓・上昇窓ともに作り方を思いつきました。ただ、タン色浪費する題材であるという問題は変わらず、手がついたのは2010年になってから。5年越しでの実現となった由…。
で、車体まで造ってみてもう一つ困ったのは屋根の表現。国鉄気動車の微妙な屋根カーブはプレート2枚重ねで表現するか、或いは33度スロープか、はたまた45度スロープか……。プレートや33度スロープが本命で試作してみてもどうにも締まらない。そこで参考になったのはAWAZO氏のキハ56など。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?i=2513881
結局、45度スロープでいいじゃんと。ダメと思わず試してみるのが大事なんですね。
気動車らしく見せるための工夫として、各車とも車体裾の垂れ下がりを台車側にタイルを貼るやり方で再現しています。これがあるとないとで大違い。
また気動車は片幌ですから、連結面間の短縮という意味も含めて全車貫通幌は片側のみの装備と。連結器廻りもバッファ無しとして日本形らしさ?を意識しました。
ドアは開閉。各車前よりのドアには保護網の表現を行っています。
インテリアは客室部分のみ、やや簡素な表現です。
●制作にあたって キハ55

その他の画像はこちら(検閲済)。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=443053
2エンジンの基幹型式。この車にトレインモーター仕込んでいます。
プロトタイプはバス窓の車。バス窓の表現は旧タイプの2×3窓の上にポチスロクリアーを重ねることで表現。
窓配置は中央の排気筒部分の窓間が開いてるところがポイント。再現してます。

妻面はどうせ見えないからとやや手抜き(笑)。

車内は向かい合わせのクロスシート。ミニフィグ座らせるとゆとりがないのですが、まぁ実物もこんなものでしたから。肘掛と暖房管カバーは再現。ただ車内の排気筒は諦めました。

床下機器。エンジン2台のキハ55はかなーりみっちり詰まっています。前後の機器配置が点対称になっているのは今回はじめて気がついたこと。レゴで作ると実物にも詳しくなれます……。

キハ55を頭にした編成。他の3両については次回へ……。
オレンジとグリーンの車体(名称は存じませんが)と同じ位多分誰の記憶にも
ある国鉄の車輛ではないかと勝手に思ってます。
この車輛見るだけで記憶再生や風景が容易に想像出来て郷愁を誘います。
クロスシートもあぁこんなのだったなぁ…………………………………………………
ちょっと飛んでました(正気に戻った)。
2x3窓たくさんお持ちのようでうらやましいです。
ノブをつまんで、三段階?くらいあがる形式の窓、
忘れていた、懐かしい事を思い出した様に感じます。
サモネイルみただけでバレますか(笑)。ちょっと嬉しいです。
この配色の気動車(主には今回のキハ55より、その後のキハ58系列)と、あと緑とオレンジの電車(113/165系)は蒸機とかと違った意味で国鉄時代を象徴しておりましたね。当たり前のものと思っているうちにあっというまに姿を消してしまいました。嗚呼。
旧規格2×3窓は過去には大量に供給されていますので、意外とあるとこにはあるんですよ……(ご入手希望なら相談に応じます)。
◆エフ様
今回の車は「バス窓(昔のバスの窓のようだからこの名称)」ですね。まぁバス窓も上昇窓の1種です(ノブつかんでというのは同じ)。よくよく考えてみたらJRになってからの新車はみんな固定窓か下降窓ですから、ノブつかんで開ける窓も既に日常の乗り物ではないんだ……と改めて気がつかされました。
涼しくなった秋口にでも、窓の開けられる車両の走っているところに旅に出たいなと思うのです。
懐かし過ぎます
故郷に居た頃は(姫新線姫路寄り)JR直前までキハ20+26+45とか走っていましたので、そんなに古い記憶じゃない…と思っていたのですが、もう20年以上前(笑)
焼き玉エンジンの音や車内の独特の匂い、狭いボックスシートとか、レゴの画像がスイッチになってどんどん思い出します。
格子窓が素敵。ドアステップと車高の感じ、そして床下の見え方が絶妙!屋根もうまいバランスになっていますね〜。屋根に付いた排気口とかツボすぎます。ここの窓間はちょっと広くて、煙突が車内に半円に張り出していたのを思い出しました。
ヘッドライト横のタイフォンの表現方法は私では思いつかないです。表現されていないけど、栓抜きのついたテーブルとかJNRマーク入りの灰皿とか蘇って…書ききれないですよw
少し見えていますが(苦笑)、もちろん凸凹編成になりますよ。それこそが気動車の編成美ですから!
記憶のスイッチになれるだけの作が造れてちょっと嬉しいです。この褒め言葉は一番嬉しいですね。
>ドアステップと車高の感じ、そして床下の見え方が絶妙!
拘った部分です。床下機器は下手につくり込むと鈍重に見えるおそれありますから、バランス取りが肝要だと思う由です。
>ヘッドライト横のタイフォンの表現方法
これがないとキハ55じゃないですからね……(いやキハ55の最初期車はないけどw)。
>栓抜きのついたテーブルとかJNRマーク入りの灰皿
そこまでを思い起こしていただけたなら本望ですよ。
ジュースかサイダー(それ位しかない。冷たいお茶は無かった!)、ついでにタバコ臭かった車内も思い出してしまいました。