製品史第3回は規格3年目の1968年の製品です。。
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レゴトレイン規格3年目の、1968年のトレイン関連製品は7点。
http://www.bricklink.com/catalogList.asp?itemYear=1968&catString=124&catType=S
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=343-2
この年は、音声コントロール(笛)という電子的な製品がリリースされるという大革新がありました。しかし、通常4.5Vも負けてはいません……地上(線路側)からの「停止」「方向転換」に対応するようになりました。1990年までの4.5V終焉まで持っていた機能が実装されたのです。前者は「駅」を、後者はポイントtoポイントの自動運転を可能としました。
また大きな改良として、連結器が磁石式に改められたことも特筆されましょう。1966年からのフック式は僅か2年で終わり、以後は今にいたるまで形状・機能・性能(磁力)を変えつつ互換を保つようになります。
●#102 4.5V Motor Set
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=102-1

1966年の#100/#101では4.5Vのモーターと電池BOXは別売でしたが、#102では1セットに纏まりました。4.5Vは今のPowerFunctionのように1つの電池BOXや制御系に複数のモーターを使うようなことは原則としてありませんから、セット売りは適切でしょう。
なお、モーター・電池BOXともに成型色は青のままでした。前年1967年よりトレインセット用には黒バージョンも出回りだしているのですが。両者の形状も再初期型のままで、モーターは背の高いタイプで電池BOXはコネクタ正負(+-)が離れてついているタイプ。リード線は端がセパレート。
なお、4.5Vモーターセットは以下の変遷を辿ります。
●#103 4.5V Motor Set with Rubber Tracks(1969)
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=103-1
#102にゴムキャタピラが付いたもの。モーターと電池BOXの成型色は青。但しモーターは背の低いタイプとなり(分解・モータ交換可能)、電池BOXはコネクタが正負くっついた形へ。リード線も正負くっついたコネクタタイプになりました。
●#107-3 4.5V Reversible Power Unit (Motor)(1971?)
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=107-3
#102とほぼ同じ内容。既に#103でモーターと電池BOXが2代目に変わっているのに#107は何故か旧タイプ。在庫処分か、データベースの誤りか?謎の多いセット。
●#900 Universal Motor Set(1973)
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=900-1
#103の成型色を黒にしたもの。しかしトレイン車輪はセットから外されてしまいました。他は同様。
●#107-1 4.5V Motor Set(1976)
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=107-1
電池BOXが3代目になり、底面の4.5Vモーター直結用の端子がなくなりました(4.5Vバッテリーカーの登場で存在意義が無くなった盲腸的端子でした)。4.5Vモーターも3代目になり、テクニック軸1軸を駆動出来るタイプに(これまでは金属短車軸のみ対応だったのです)。トレイン車輪同梱。欧州及び日本向け。
●#901 4.5V Motor Set(1976)
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=901-1
#107のアメリカバージョン。トレイン車輪なし。
●#810 Basic Motor Set(1985)
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=810-1
#107の改良品。電池BOXの成型色が灰色に。
1992年以降、モーターセットも9Vに移行するので4.5Vモーターセットはこれが最後に。
なお、#107と#810の間に4.5Vテクニックモーターがリリースされ関わりも深いのですが、トレインとは無関係であったため割愛します。
(2006年以降、テクニック軸のトレイン車輪も存在していますので……使えるかも?)
●#118 Electronic Train
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=118-1

笛でコントロール(前進・停止)できる蒸気機関車+炭水車。機関車のみでレールなし。
レゴの「先進性」を語る上で良く引き合いに出されるセットですね。このセットか後継の#138か不明ですが日本でも市販され、2004年頃に動作品が「発掘」されたという書き込みがEJLTC掲示板でなされたこともありました(これ読まれていたら、ご一報くださいませ!)。
制御は笛を1度吹くと前進、もう1度吹くと停止。
機関車+炭水車の造形は前年の#116に近いものです。制御ユニットのクリア部分が未来的でカッコいいといえばカッコいいですね。
機関車にモーターと制御ユニット、炭水車に電池BOXとマイクユニットを搭載していました。配線は以下の通り。
電池BOX=制御ユニット=マイクユニット(=はリード線)
制御ユニットの真下に4.5vモーターがあり、ここはリード線無しでモーターの上部端子を利用して「直結」していました。
なお、翌1969年には#138として「前進・停止・後進」に対応する改良がなされました。
●#118 Small Train Sethttp://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=118-2

1966年の#111の再販。低価格の簡易なトレインセット。
連結器はフック式のまま。
それにしても#118に同年に二種有るのが紛らわしいですね。レゴの品番被りはたまにありますが、同年同ジャンルというのは……。
●#119 Super Train Set
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=119-1

モーター付きのセット。
蒸気機関車と炭水車、客車2両。レールは曲線1周分+直線8本(4対分)+ポイント左分岐1+踏切1。
前年の#080(駅舎と家3軒)とは違った意味での贅沢セット! ポイント入りセットは案外少なく、9Vの#4512(2003)や、RCの#4898(2006)、あと今度のPowerFunction貨物列車(2010)位しか思いつきません。
蒸気機関車は煙突の大きなアメリカンタイプ。客車もオープンデッキのアメリカンなものとなり従来と一線を画すデザインです。縦長窓と赤いストライプ、ダブルルーフがお洒落♪
そして、一線を画したのは機能の方も。
炭水車の足回りには「x877c01 Electric, Train 4.5V Automatic Pole Reverser Brick」
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?P=x877c01

が仕込まれ、地上からの進行方向転換(折り返し)操作が可能になりました。このユニットは電池BOX底面の端子に直結され、サイドのバースイッチ操作で電池BOXからの出力の極性を逆転(すなわち方向転換)させることができた由。
もうひとつは腕木信号機と連動した停止操作。信号機の真下の「地上子」が上がっていると、モーター底面につけられたアタッチメント「bb97 Train 4.5V On/Off Switch Brick」
http://www.bricklink.com/catalogItemIn.asp?P=bb97&in=S

のマイクロスイッチを押し、列車が停止する仕組み。腕木信号を「進行」にすると地上子が下がり、列車がスタート。
これらの機能は後に4.5Vバッテリーカー(#161 1972年他)に纏められ、1990年の4.5V終焉まで継承されたのでした。
継承というと、連結器は最初から磁石式です。
また、前年の#116同様に途中(1969?)より電池BOX・モーターが改良品に。車輪もスポークタイプになっています。
●#156 2 Signals with Automatic Stop / Go Attachment
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=156-1

地上からの停止/進行を操作出来る信号機2基。
そして従来の4.5V列車を地上操作に「アップデート」出来るアタッチメント「bb97 Train 4.5V On/Off Switch Brick」のセット。
なお、方向転換地上操作へのアップデートは翌年の#157待ちです。
●#160 Magnetic Couplings
http://www.bricklink.com/catalogItemInv.asp?S=160-1

磁石連結器(3両分)。意外にも単品販売された磁石連結器はこのセットのみ。
従来のフック式連結器の車両をアップデートすることが出来ました。またいろいろ使い道は考えられた製品でしょう。
●#343 Ferry Boat
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=343-1

前後にランプのある、通過型配置の車両渡船……鉄道連絡船のモデル。
レゴのふるさとデンマークでもこの種の船は多数使われていますから、モデル化は必然性大いにあり!でしょう。でも最初に写真を見たときにはほんとに驚きましたが。聞いた話では日本でも売られていた模様。
船内には直線レール3対分が敷かれ、2軸の客貨車なら3両くらいは搭載できた筈です。
なお、#343には微小に改良された製品もあり、こちらは#343-2といわれています。
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=343-2
基礎板が違うようですね……。
船自体の造形についてとやかくいうのは野暮でしょう。企画自体を凄いと云わざるをえません。
なお、同種のコンセプトとしては2008年の#4997「Transport Ferry(クリエイター・フェリー)」
http://www.bricklink.com/catalogItem.asp?S=4997-1
が思い出されます。こちらは普通の自動車渡船で、もはや鉄道レールは無縁ですが……。
<以上、画像はbricklinkよりリンク>
1975年当時、カタログに載っていた#118がどーしてもほしくて、
高島屋経由で不二商に問い合わせた所、(無謀にも、当時小1だった私は、不二商の担当の人と直接電話で「これほしい!」と懇願したのでした…)正式な発売は予定がないので取り寄せになる、とのお返事でした。で、取り寄せてもらったんですが、箱と説明書はありませんでした(その代わり、不二商の人の手書きの絵入り説明書があります)。これ、今でも動きますよ!
コレに味を占めた私は、12Vの世界に誘われていくのでした…。
フェリーボートは私の大のお気に入りでした。
といってもシーシェパードもびっくりの捕鯨母船にしていました。
私が6歳頃に印象深かった捕鯨映画「荒い海」
http://movie.walkerplus.com/mv22623/
の影響なのですが。
よくこんな映画を見ていたなあと・・・感慨。
懐かしい子供時代のレゴの記憶を掘り起こしてもらって感謝、感謝。
20050509「マインドストームの始祖?」
http://legotrain.seesaa.net/article/101714100.html
20050510「118/138続報」
http://legotrain.seesaa.net/article/101714099.html
で記しておりました。
◆しゅー様
こちらでは、はじめまして!
1968年の製品を1975年に取寄で入手というのもすごい話です。#138に関しては確か別の方(ume殿)で日本語説明書をお持ちだったと記憶していますので、正規販売は為されたのでしょうが……。
説明書・箱なしというのは不二商の方でも持っていたサンプルだったのかもしれませんね。
歴史的製品を可動状態でお持ちというのは素晴らしいことです。今後も大事になさってくださいませ。
ところで、12Vも取寄で入手されたのでしょうか? 12Vも序次紹介していきますので、また情報提供頂ければ幸いです。
◆Nyu様
お久しぶりです。
フェリーボートは幼時の自分の手許にあったら、やっぱりお気に入りになってたと思います。ちなみに船は手持ち部品で頑張って作りましたが、車両航送船という発想は出てこなかったです……。
あと、捕鯨母船……あの形状と色、確かにしっくり来ます。
……ところで、今の技術と部品で捕鯨船と云うのも面白いかも知れませんね。勿論製品ではなくて個人の作品レベルの話ですが。政治的意図ではなく、純粋に船の一種として魅力的ではないでしょうか。
なつかしいセットの写真にしばし感動です。
笛でコントロールするセットはただただ欲しかったのを覚えていますが、夢に終わっています。那須のレゴスタジアムで展示してあるのを見た際には、感動ものでしたよwww
話しは飛躍しますが、マインドストームで動きをコントロールするようなトレインの作例は、どのあたりを検索すれば確認できますでしょうか?教えていただけると幸いです。
はじめまして?
青レールは管理人も大昔持っていました……手押しですけど。この辺の昔話は当該製品が出てきた時にもさせてくださいね。
青いモーターユニットは本文で記したところの#103でしょうか。
ライトユニットもまもなく取り上げる予定ですのでお楽しみに。
笛でコントロール……は、当時何処でお知りになったのでしょうか? カタログなど? 日本語版カタログに掲載されていなくても、製品同梱の小カタログなどで日本未販売品が掲載されていることがあるのでその中でというのも考えられますが……。
那須での展示は管理人も見て、感動しました。
笛でコントロールの製品は今でもbricklinkで出てきてはいます(流石に可動品は高額です……。まぁ価値を考えると致し方ありませんが)。可動品が未だに市場にでまわるということは或る程度の量が出荷されたということに他なりません。実はレゴの奇怪なシステムの中には全く出まわらない幻のような製品もあったりしますので……。
マインドストームでのトレイン作例は……まだ作品の体系的な紹介には手をつけていないので何とも。前は幾つか内外にサイトが有りましたが、今となっては見つけられず。
理論上は或る程度の自動運転などが可能なのですが。
申し訳ありません。
笛でコントロールの製品は、子供のころ、おもちゃ屋さんで毎日見てましたよ(笑) 欲しくて欲しくて...
マインドストームの作例がさほどないというのは、ちょっと意外な感じですが、マインドストーム本体が6ポッチ幅だったら、状況はちがってたかもですね。
失礼しました。内容的にいつもいらっしゃってる方かなとは思っていたのですが。
「店頭で見ていた」なるほど! やはり国内正規流通だったみたいですね。
>本体が6ポッチ幅だったら
それも一因でしょうね。
マインドストームとトレインの「相性の良さ・悪さ」は話が長くなりそうなので、いつか【考察】ネタにすることにします。