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2007年04月21日

日本型蒸機 4110形式(或いは、美唄鉄道4号)

http://www.brickshelf.com/gallery/sekiyama/clocodile/JNR/Type4110/b4110_03.jpg

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=248887

●製作動機
 AWAZO氏が北海道の産炭地仕様の9600造ってきた時に思ったのは、なんとか対抗……もとい一緒に走らせられるような機関車は作れないか、ということでした。ここで思い出したのはBUCHI氏がずいぶん前に作られたE10。
 こうなると、奥羽本線の板谷峠ではE10の前任機であり、そして北海道の産炭地でも9600と一緒に活躍した4110型がふっと頭をよぎります。5軸で先輪後輪なしの締まった、かつ可愛らしい姿。どこか輸入機を思わせる風情。

 しかし、「E」というか「0-10-0」というのは中プーリー使おうと、BBBホイール使おうと、昔の4.5V車輪使おうとそもそもがレゴで作ることを拒絶するような足回りです(ロッドを省略するなら話は別ですけど)。そのときは深くは考えず、まぁ格好はいいんだよなぁ……に留まったのでした。

 ですが数週間後、ふっと「別に5軸全てがロッドで結ばれている必然はないんじゃ」ということに気がつきます。5軸のうち最低でも2軸が結ばれていればロッドは動く。ロッドで結ばれていなければ左右に遷動させることだって出来る、カーブだってポイントだって通過できる!
 遷動させる空間? グラスカステン他で手馴れたBBBホイールへの%2853差込でのクランクは、車輪とロッドの間に半ポッチの隙間を作ります。そこで十分ではないか? 実際に9V車輪を5つ並べて一部を遷動できる状態でカーブに乗せたところ、遷動量は見事半ポッチ以下に納まっていることが確認できたのでした。

●プロトタイプについて
 Wikipedeaが詳しいです。
 画像の検索結果はこちら。

 奥羽本線の板谷峠などで活躍した急勾配専用の特殊な蒸気機関車。
 欧州風に見える風情は当然。ドイツ製の4100型にアレンジを加えて国産化した形式であるゆえ。
 国鉄機としての活躍は昭和24年ごろに後継のE10の登場で終わっていますが、私鉄の同型機や払い下げ機は昭和40年代半ばまで生き延び、SLブームの中で多くのファンのカメラに収まったのでした。
 全長は10m余しかなく、そこに5軸を押し込んでいますので大変に密度間が高いスタイル。国鉄時代は板谷峠とかで客車も牽いてたはずで、20m級フルサイズの客車との組み合わせではさぞや可愛らしさが強調されたことでしょう(とはいえ、蒸機時代の板谷峠は運転する側も乗客も地獄で可愛らしいどころではないのでしょうけど……)。
 もちろん、小ぶりな石炭車との組み合わせも好ましいものでした。

 現在は私鉄仕様で製造された(美唄鉄道)の「2」が地元で保存展示されています。ほか個人保管の2輌があり。

●製作
 製作は足回り→タンク→ロッド周り→煙室・缶胴周り→キャブ周りの順。
 図面なしの現物あわせであり(蒸機はいつもそうです)、全長は最初の計画では22ポッチ位で、これでも5軸10輪の機関車にしてはずいぶん可愛いよな……とか思っていたのですが、実際の製作では更に4ポッチ詰めて全長は18ポッチに出来たのでした。

 足回りは5軸中どこの軸にロッドを掛け、どの軸を遷動可能にするかで少し迷いましたが、結局は実物と同じ(!)ように、第1/5軸を遷動とすることにしました。ロッドは第2/4軸に掛けています。
 基本的にはグラスカステンと同様、ハーフ厚のテクニックアームをベースに組んだ足回りに、遷動可能な第1/5軸と左右独立の第3軸を追加した造りです。

 サイドタンクは目立つ部分であり、ロッドの動きを規制しますので早めに組んでしまいました。サイドはタイル張りで存在感をアピール。
 そして、ロッド周りはサイドタンクにギリギリ接触しない範囲で可動範囲を決めます。とはいえ、この機関車は動輪上にロッドやシリンダ周りを配置する空間に余裕があるため、苦戦するはずのここらはウソのようにあっさりまとまってしまいましたが。
 長くなるメインロッドはテクニックアーム2本をフック付プレートで張り合わせ。フック部分はクロスロッド系を引っ掛けるのに使えて好都合でもありました。
 メインロッドと動輪クランクの繋ぎピンはグラスカステン同様、シャフトペグのペグ側を削った「魔改造ピン」。

 ロッド周りが固まれば今度は缶胴や煙室。前方から造っていきます。まずは絶壁感のある最前部。煙室扉はテクニック円盤で平面感を強調と。
 続く缶胴の大部分は上下逆に組んでいます。煙突の上部を開口させてリアルに見せ、丸タイル逆テーパーでドームの表現を行うためです。これには他の役得もありましたが後述。

 キャブは特に凝ったことはせず。インテリアも今は準備工事です(勿論、整備する計画はあります)
 最後にエンドのコールバンカー。独逸機風味の微妙な造形を意識してみました。

●ディテール
 大まかに完成し、ディテールに入らんと資料を漁りだすと……こともあろうか、この地点ではじめて国鉄仕様と私鉄仕様の基本造形の違いが目に入ってきます。
 特に目立つ前面に関しては国鉄仕様では絶壁のようにシリンダ上部が切り立っていて厳つく、私鉄仕様では絶壁感が幾らか柔らげられ、少しスマートな表情である、と。
 で、これまでの製作は美唄の2号機をイメージして進めてましたので……見事に私鉄仕様。ですからこの作例は厳密には国鉄4110というより美唄鉄道の2または4となってしまう由です。

 あと、この種のエアブレーキ導入以前の古典機関車では後付けの空制機器……空気溜めや、その上下のランボードがやたら目立ち、それがディテール工作の楽しさを励起する由。仕上げはたっぷり楽しんでみました。
 缶胴の一部が上下逆なので、それに挟み込む手で空気溜め上のランボードもプレートやタイルの裏面を使った表現にしてみたり。

 なお、色は拙作には珍しく徹底して「真っ黒」。ランボードを白くしたり、警戒色を入れる程度の「色気」さえも控えました。おかげでサイドタンクの赤い一菱マーク(美唄鉄道の実物は三菱マーク)が映えること映えること!

●試運転〜運転
 カーブ通過問題なし……。しかし、ポイント分岐側通過は? 脱線! 原因は第1軸・5軸のバックゲージが微妙に狭いためでした(半ポッチ以下の、1mm単位の話)。ギリギリまで調整し改善できましたが、やはりこの種の機関車の足回りというのはシビアなものです。
 以後は大レイアウトでの運転も含め、ノントラブルです。やはりフランジがあるのは有利です。
 そして、4月7日の運転会での「御披露目」では、予定通りAWAZO氏製作の9600やセキ3000との競演が実現した由。初志は果たされたのでした。

 で、今後の課題としては、私の手持ちとしてはこの機関車に似合う貨車や客車がないことですねぇ。私鉄風の小型古典ワフでも(当然黒)こさえて、日本のローカル私鉄ネタ小型車両の汎用動力車にしてしまおうという計画はあるにはあるのですが……。

<写真追加予定ありです。4/7に撮影した、9600との並びやC62との出会いなど……ご期待ください>
posted by 関山 at 23:59| Comment(6) | TrackBack(0) | 鉄道作品(日本形) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

先日の走行会で拝見したときも関山さんらしからぬ(笑)車両の姿に気をとられて
つい細部を見るのを忘れていましたが(笑)、改めて様々な角度の画像を見ると、
組み方の工夫がよく分かり、また、黒一色の車体がいつも以上に実車の雰囲気
をよく出していると感じられます。
関山さんとしては色は相当に我慢されたのでは?と思いますが(笑)
また足回りはよく組んだなぁ〜と改めて感嘆です。
走行シーンはひと足早く拝見していますが、走りに無理がかかっている様子は感じませんでした。

あとは、やはりこのカマに合わせた車両として何が出てくるかが楽しみですね。
無蓋車や木造客車とか・・・って、その辺はワタシも作らないとなぁ(笑)
Posted by awazo at 2007年04月24日 23:49

なるほど
改めて言われて気づきましたが、そうか5軸だったんですね。
曲がれない時良くある工法ではありますが、ここで持ってくるとは思いませんでした。これはナイスアイデアと思います。

当日、インパクトは隠し玉が強かったので影が薄れてたかもwですが、これもまとまりが良くて好きですね。
ぜひ、SLに似合う貨車、客車作ってください。
私もダークブルーが手に入ったら客車作りたいんですけどねw
Posted by suu at 2007年04月25日 01:15

◆SUU様
 そうです、5軸です。左右スライドはなかなか有効な手段ですね。
 インパクトという意味では、もうひとつの方が強烈でしたか。電車のほうがやはり目立ちますかね。こちらも近く公開予定です(無事2連化できましたので)。
 で、4110に似合う客車・貨車……。客車は北海道の炭鉱私鉄にいそうな雑形車、貨車もやはり雑形……これはこれで楽しめそうなジャンルなんですよね。ちょっと資料探しなど始めているところです。

 あと、台湾の方は楽しんできますよ。考えてみたらデジ一眼もってはじめての長旅です。フィルムの制限なくスナップ撮りまくれる快感を味わってきたいところですね。
Posted by sekiyama at 2007年04月25日 23:42

◆AWAZO様
>関山さんらしからぬ(笑)車両の姿
 笑っていいのやら(笑)。色を抑えただけで、細部の表現などは何時もの流儀と変わらないのですけどね。でも、幅が広がったと自負はしておりますよ。

>関山さんとしては色は相当に我慢されたのでは?と思いますが(笑)
 いやぁ我慢しました。ランボードを白くしたい誘惑とかありましたから。あと動輪赤で独逸風とか。
 でも、我慢の効果はあったようで何よりです。

 足回りは意外と苦戦せずに済みましたね。固定+スライドは意外と安定性が高いことが分かった感じです。それにしてもBBBミニにクランク差し込む技法、世界のどこかに追随される方出てこないものか…。

>無蓋車や木造客車とか
 北海道の炭鉱私鉄の客車はかなりヘンなの居ましたから、頑張ってみる価値はありそうです。石炭車も社線内専用のぁゃιぃのがいたみたいですし。無蓋車は美唄には3軸のがいましたっけ…。なんとかします……そのうち。
Posted by sekiyama at 2007年04月25日 23:54

まとまりの良さとディティールの密度感に萌ます。こういった持ち心地の良さそうな(笑)作品て好きなんですよ。構えなくて良いというか、それでいていぢり甲斐があると言うか。…欲しいです(笑)。
手持ちのパーツだけでこんな感じの物が作れないかなぁ…。
Posted by G@ひたひた at 2007年04月26日 18:02

◆G@ひたひた様
>こういった持ち心地の良さそうな(笑)作品て好きなんですよ。
 強度は……見かけよりはありますので持ちやすいです(笑)、という意味ではなくて、サイズのまとまりの話ですね。プロトタイプ自体がいい感じで小柄なので、その雰囲気出せたのかもしれないですね。

>構えなくて良いというか、それでいていぢり甲斐があると言うか。…欲しいです(笑)。
 4110のような大柄のタンク機、或いは6200のような2Bの小柄なテンダ機というのは鉄道模型の世界でもそういう位置付けのようですね。レゴトレインの題材としても悪くないと思う由。後の大型機ほどの華やかさはないですけれど……。

 「手持ち部品」の問題は難しいことですけど、私としてはパーツの制約からあれほどのアイディア実現してしまう貴方の方が凄い! と思うことは多々ありますよ。なにより、フットワークの軽さは羨ましいです。
Posted by sekiyama at 2007年04月26日 23:52
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