https://twitter.com/yakushiyama/status/1513858977142288387
より。

薬師山様の作品の好いところは「製品的なストイックさ」に尽きます。
これってじつはものすごい難しいことです。アマチュアのビルドってどうしても「盛る」方向になってしまいますから。拙作も例外ではなく。
でも、レゴ元来の魅力って、抑制の効いた欧州玩具としての素朴さにも……あるのですよね?
(ええと。ここは疑問形にしておきます。断言には勇気いりますから)
その文脈を抑えている作品というのは貴重であり、特筆すべきものと思うのです。

オランダ国鉄1600形は、見ての通りのフランスはアルストム製。
フランス国鉄のBB7200に相当する、B-B車軸配置の直流電機です。1981年から1983年に58両が導入されたもの。
客車も貨車も曳きますが、客車に関しては「推す」もあるのですね。この機関車専用というわけではないようですが、通勤用の制御客車との組み合わせもあります。
薬師山様の作品。逆スラントの前面窓は無理せずにキャノピーで。
屋根のカーブも車屋根。サイドのルーバーも無理には埋め込まず。
それでも、魅力がたっぷり。
実物をしっかり捉えたがゆえの、ごまかしの効かないビルド……といって良いのでしょう。だからこそ、ポイント抑えた灯火類であったり、特徴的な形状の屋上機器。また矢印合わせたオランダ国鉄マークが映えるのでしょう。
引き算、難しいのです。
それをさらっとこなしてしまう。

ペア組む制御客車です。
これもまた、キャノピーでシンプルに纏め。二階に向かって上がっていく屋根は大型カーブスロープという使いにくい部品。
でも、各部品が美しく、纏まってます。
実物のユーロデザインを反映してる……というと褒め過ぎでしょうか?
側面は気合入ってますね。
1/2階とも窓まわりは順組です。しかし、オランダが発祥である「斜めライン」はグリルスロープの横組です。きっと、見栄えがすることでしょう。
屋根のツルツル感は、2020年代の水準と言えます。

編成にて。
中距離の通勤列車でありますから、良い意味で脇役の列車でしょう。
しかし、皆が主役を作るからこそ、脇役の相対的価値って大きいのは言うまでもありません。
この列車は、TEEやTGV、ICEといった花形を引き立ててくれることでありましょう。その意味でも実制作叶うこと、願っております。