小さく可愛く。飽和式で空気制動さえ無く。
まるで古典機のようなスペック?
しかし。1944−47年製ですから、実は蒸気機関車ではかなり末期の作ですなのですよね。
戦時体制が産んだ機関車なのですが。戦後はこのクラスは内燃機関車の復活で賄われてしまいますから、15両造られたものの使い所は無かったとか。私鉄の小貨物用にしても、空気制動つけたBタンクやCタンクの中古在庫が幾らでもありましたからね。
と、いきなりネガティブですが。
でも、可愛いことには違いありません。
その御蔭でマスコットとして愛され、1号機と10号機の2両が残っています。
それにしても。
産業用の飾り気のなさが可愛いに転じるタイミングって何処らなのでしょうね?
ガチで産業用の、小型の内燃機関車……加藤や酒井、はたまた10噸半キャブの移動機あたりを可愛がる文脈はいつの間にか生まれました。
B20も、その流れで愛されるキャラになったのでしょう。
面倒な話はともかく、ジョージレモン様の作品は問答無用の小ささ可愛さ。そしてリアルさです。
他のBタンクとは違う、B20としての個性もきっちり抑えてられるんですよね。斜めに切り落としたサイドタンク、角張ったドーム。台形のキャブ屋根。もう溶接の時代だとは思いますが、でも浮き出たリベットも愛おしい。
無愛想な煙突だって!
ちょいと嬉しいのは、スコップを使ったパイプとシリンダの表現でありますね。
無論、プロポーションの良さは動力をオミットしてるためでもありますが。
でもこの機関車が「自走」している状況もあんまり考えられないので(苦笑)、正解ではあるのでしょう。
細いロッドの功績も大きいでしょう。独自の可動システムなのですよ。詳細はこちら参照くださいね。
【ヒント・アイディア】ジョージレモン式 ロッド駆動台車。薄く、コンパクトに。
3幅の缶銅がしっくり来ます。
ウエッジプレート使ったサイドタンクの質感も。
真正面。近代化されつつ。
然し、日本人の大変好んだドイツ系小型機(コッペルやクラウス)の香りもちょっぴり。
そこも愛され要因なのかも。
バックビュウ。
キャブ窓の横組も正解でありましょう。
ステッカーも良い効果です。
同じくジョージレモン様作のオハ35を繋ぐとこんな感じです。
20mフルサイズの客車を繋ぐと、こんなバランスであったのでしょうね。
オハ35、デカいなぁ(笑)。
プレートの重ね合わせなどでロッド駆動用の車重を稼いでます。ミニフィグを(車重稼ぎのために)乗せることもできます。スペース都合で運転台内部は未整備です。コールバンカーは大味ですがスロープ表現です。走行用に客貨車のモーター車が欲しいですね。
— ジョージ・レモン (@boxlegoblog) July 14, 2021
走行動画
行ったり来たりするだけ。オチが… pic.twitter.com/K8sHzopDb2
走行動画です。ロッドの動きが良いのですよね。
さて。
あんまり稼働しなかったとか言われるB20ですけども、その末期には一度だけ華やかな演出があったそうです。
「1969年7月27日に鹿児島鉄道管理局主催のイベント走行でB20+C55+C12+8620形という編成で本線の営業列車を牽引したことがある」(wkipipediaより)
と。
ネタと知りつつ、一度、やってみたくなりますよね。
C55と8620、C12は揃っているのですから!