試作車955形は1995年に登場したもの。6両編成。
通称は300X。明確に300系の次を探るためのものでした。JR東海としては唯一の試作専用車でもあります。
新幹線試作車、栄光の950代の一つ。
951(1969年)
952・953(1992 STAR21)→E2?
E954(2005 Fastech 360S)→E5
E955(2006 Fastech 360Z)→E6
E966(2019 ALFA-X)→?
と、錚々たる顔ぶれ。
なお、WIN350はあの独自性なのに500系の900代というのは不思議な気もしますが。
また、国鉄時代のレコードホルダー961形も別カテゴリの車両とみてよいのでしょう。
(寝台や食堂、荷物輸送対応などの試作も兼ねてましたよね)
閑話休題。
1996年 7月26日の443.0km/hは国内の最高速度記録。
以後25年。それに迫るものはないまま。
(最高速度試験の意味意義が薄いことは分かりはしますが……。しかし物足りない。E956の挑戦には期待したいもの)
955形はその後2002年までの6年間、各種試験に充当されてきました。
形状違いの先頭車1両づつが保存されています。
作品は955-6。リニア鉄道館に保存されているラウンドウエッジ形をモデルに。
300系の形状をよりスムーズにしたもの。700系・N700系・N700系S……の複雑な曲面を見慣れてしまうと、やや古びて見える? しかし、これはこれでいい形なのですよね。
低屋根低重心は徹底されています。当時は100系全盛、0系も多数の時代ですから衝撃あったことでしょう。一方で500系が営業運転に投入されていたりしましたけども。
三木様の作品は床下スカートも含め、スムーズな形状を再現。
前頭部は実に丁寧な、カーブスロープの合わせで構成されています。
単純に見えるラウンドウエッジ形状も、こうしてみると複雑な形状であったのが窺えるのですよね。
カラーリングは300系の延長でも有り。また、あの1000形試作車A編成を彷彿させるものでもあります。
側面でスマートさと、低重心ゆえの特異さが伝わります。
側窓は飛行機窓の横組がベストマッチでありましょう。以後の新幹線車両はだんだんと窓は小さくなっていますが、955ではある程度の大きさがあったのです。
今なおも、最速の新幹線。
反対側の先頭車、955-1(カスプ形 700系などの原形?)や中間車も楽しみにしたいものです。
その暁には曲線半径大きめのレイアウトで、最高速度試験に挑戦してみたいものでありますね……! 軽量化や低重心化などのノウハウも生きてくるはずでしょう。
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