極めて、特別な車両です。
1915年の大正天皇の即位式のために製造。京都までを往復。
その後、1928年の昭和天皇の即位式にも運用されました。
然し、戦後は「即位礼を京都で挙行する」規定がなくなったため、運用されることはなくなりました。
1959年に廃車され、1963年以後は大井工場に保管され今に至ります。
3軸ボギーの、重厚な木造客車の現存車の一つ。

ゆゆ様の作品は、以前制作されたものを、改良されたとのこと。
側窓を細くすることで、その役目に相応しい重厚さ、特別さを醸し出す。この改良は正解でしょう。
側窓位置、1プレート下げて幕板があると、より「らしく」見えるかもしれません。
三軸ボギーに、更にトラス棒があるのが良いですね。

側面。
両開きの扉が、他になき重厚さを。
シンメトリーなサイドビュウは御料車以上の美しいもの。扉の装飾や質感が良いです。
細い側窓は実物の窓配置の再現になっています。

内部。「神社」といって良いのかどうかわかりませんが、しかしこうしてみると「神社」そのものであります。

反対側側面。
全く異なる側面。こちらもまた、重厚さがあります。
「ただものではない」雰囲気があるのです。
運用はしにくい客車ではありますが、しかし特別なものであるがゆえの魅力に満ちています。同時代の御料車も揃えた編成、いつか実現しないかなぁと思うのでした。