タンク機関車を自走させるのって、以前はとてもとても難しいことでした。
(PFが出てきた10年くらい前の話ですね。それ以前は不可能という次元でありましたから)
そして。今も、難しいことには代わり有りません。
PFのユニットのサイズが変わらない以上特効薬なんか、ない。PUも意外と使いにくい……。
(切り刻む外科手術というか荒療治も、万能ではありません)
スタイルの両立は、今もなお難しいままなのですよ!

みよ、このカッコよさ。
アメリカンスタイルの大動輪の堂々たる!
1060形は6120形(スケネクタディ製造 山陽鉄道。1900年)を1924年にタンク機に改造したもの。車軸配置の2B2も唯一です。
この種の、老朽化した長距離旅客列車用テンダ機関車を、短距離露客用高速タンク機関車に改造する事例は英国系には多いのですが、アメロコでは珍しくやはりこの形式のみ。
片町線やら、鷹取・姫路などの入換に使われ1936年までに廃車ですから殆ど写真も残されてはおりませんが……。しかし、それが惜しまれる軽快な機関車でした。
系譜としてはアメリカ製の1B1タンクで大動輪の持ち主だった900・950形の流れなのでしょうね。
(用途的に)後継機があのC10やC11などになるのですよ。

ジョージレモン様の作品はスタイルに破綻なく、1060形の良さを表現しています。アメロコならではの軽快さとタンク機の自己完結性のバランスなのですよね。
全長もレール2本未満に収め、大きすぎないのが嬉しい所です。
自作動力機ゆえの動輪下のスカッとしたヌケ方も堪りません。
大きな動輪は上端部をサイドタンクが覆う。そんなところも再現。これ、大事なことで、重心が低く見えて機関車自体が落ち着いて見えるのですよ。
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