ある程度明らかなのは、関西鉄道の「電光」(7850)の臙脂(当時の?絵画あり)。
鉄道作業局(官設鉄道→国鉄)の6270形の紺色(当時の着色絵葉書有)。
日本鉄道にも緑色が居たとは言われています。
さて。何処から伝え聞いた話か。関西鉄道の「早風」形(→6500)も鮮やかな色であったと。

それをふまえ、作ってこられたのがこの作品です。
真鍮磨き出しの装飾。赤い端梁。
キャブとテンダは深い緑色。缶胴は塗装の紺色なのか、或いは鉄の表面処理……「ロシアンアイアンブルー」に拠るものか? →参照
いずれの解釈かわかりませんが、とても華やかな機関車です。
「早風」形は名阪間の急行用に、1898年・1906年に総勢9両が輸入されたもの。米ピッツバーグ製。当時最大の動輪径1575mmを誇り、そして何よりの特徴が2気筒複式機関車であったこと。
燃費面で高性能であったとは言われますが、然し国有化後は複雑な機構は好まれず、1925年までに廃車されてしまったのでした。
幻の名機なのかもしれません。

スタイルでは典型的なアメロコ。整ったバランスの良い形状です。スピード感も有り、早風の名に恥じない。
yamatai様の作品は、7幅のゆとりを駆使。かつアメロコへの手練で魅力を余すことなく 色変に惑わされず。たとえ黒一色で作られたとしても、かっこよい機関車であったでしょう……!
目を引くのは、下げられたランボードの処理ですね。第一動輪のフランジを巧く逃がす。横組み駆使して5つの窓を再現したキャブ窓も美しい。
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