
東京メトロ10000系電車は有楽町線と副都心線の主力車両です。
というよりは、乗り入れ先の西武池袋線・東武東上線・東横線でもお馴染みです。
2006年と、もう15年も前の電車なのですが今なおも「新型」のイメージがあります。
それだけに斬新なそして古びない内外装なのです。
(まぁ、7000系という古典がなおも健在な路線という条件もありますけども)
難を申せば……シートはやや堅いです。あの時代の悪しき流行りであったんですが。
今回は、西武の一員としての制作のようです。

最初、Φ8の1/4円タイルを使うと聞いて何を造られるのか? と思ったのですが……。
……予想外の返答に驚かされたのでした!
前頭部の大胆な飾りラインの再現なのですね!
前面は5幅にして、そこに左右1タイルずつ貼った作りです。
難度高い形状をシンプライズ化して、その上で装飾で印象を強調する。巧いのです。
よく見ると前面も垂直なのですが、しかしこの流動感です。変形した前照灯の表現にΦ1丸プレートの裏面使うのも大胆ですね。
メトロマークも芸コマですよ。

全長は32ポッチ。そこに4ドアを割り付ける。王道的構造の安心感!
しかし、ドアの凹み処理。手は込んでいます。
窓まわりの印象も含め、アルミボディゆえのソリッド感は伝わってきます。
屋根は平滑処理。灰色のワンアームパンタも凝った造形。
床下は思い切って希少色、新灰色の台車が効果的です。引き込んだ位置に設けたボルスタアンカが狭軌車両における適切な台車表現の答えにも思えます。
床下機器のタイル処理もいいですね。

西武との並び。
今や西武の3ドア黄色の電車も絶滅危惧種でありますが、10000系デビウ当時の2006年ならまだ並ぶ機会もあったのでしょうか。

街を抜けるシーンが似合います。
東京・埼玉・神奈川の1都2県の郊外。その3線で活躍する電車ですから。
東京メトロ(営団地下鉄)の車両は、乗り入れ先の各線でも親しまれ、そして数々の組み合わせシーンを提供してくれるものです。
その意味で、作る意義は大きいと云えましょう。
また、東上線や東横線も欲しくなってはきませんか? 東京の電車は無限に楽しいのです。