
西武の黄色い3ドア電車。701系・801系・101系……(301系・401系・501系)。
20年前なら珍しくなかったのに、いつの間にか西武全体通して希少車になってしまいました。
4ドアで黄色の2000系さえいまや見ることはまれに。
しかし大昔……所沢にライオンズがやってきた時代。
未だ西武が赤電だらけだった時代には冷房付で高性能の黄色の電車たちは、近代化のそして「量から質」への変化のシンボルでありました。
701系は1963年に初の高性能量産車として登場したもの。
その頃は未だ「赤電」でありましたが、銀色の装飾版や2灯化した前照灯に明確に変化があったのです。増備車が801系。
黄色の電車の始まりは101系で1969年。こちらは秩父線開業に合わせたもので更に高性能。
そのうち701系以下の高性能車は皆黄色化・冷房化されていくのが1970年代なかば(そうですライオンズがやってきた頃ですよ)。
101系の増備も続いていましたから全盛期。
編成はバラエティに富むものでしたが、意外と2連口は有りません。
いや、無いわけでは無いのですが2連口は「新101系」と称されるグループで全面の造形が違うのです。
例外が501系。
701系の編成替えで宙に浮いた制御車を電装して2連口を1979年に組成したものです。電装品は101系のものですから「合いの子」でもありますね。
しかし……性能的に使いにくいものであったようで1990年には退役しています。地方私鉄譲渡に向いていそうなのですが、それも叶わず……でした。

この顔で、2連口・二挺パンタは501系のみでした。
下手に形式起こさず、101系の一部としていればもっと活躍できたかもしれません。
(顔違いの新101系には2連口も多々いたのですから)
そういう背景を含めると、この幸薄な黄電も別の魅力が見えてきましょう?

ぬで様の作品。
いわゆる湘南顔の亜流顔です。そこに装飾板を実装する難しさ。
複雑なベクトルチェンジを重ねて実現しています。タイルの表面出す部分、横組みの部分、上下逆転の部分。そのうえで、内部では車体と接続しているのですよ。
もう一つ印象的なのは、湘南顔表現では避けられない「隙間」をミニマム化していること。<<続きを読む>>