先日の碓氷峠訪問時に合わせて作ってきて下さったものです。
碓氷峠は1893年の開業から1911年の電化まではアプト式の蒸気機関車での運行でした。
最初に導入された(そして最後まで残った!)のがドイツ・エスリンゲン製の3900形でしたが、その増備として1895年にイギリス・ベイヤーピーコック製の3920形が入ってきました。
なるべく普通の機関車に見せた? 3900。それに対して、サイドタンクが大きく重量感のある、如何にも特殊そうな形状が3920形とその増備の3950・3980形の特徴。
3980は英国製を模した日本製(汽車会社)でした。
功罪相為す碓氷の蒸気機関車ではありましたが、1911年の電化後も10年ほど貨物列車用に残されました。
3920形は一足早く1917年に廃車されています。なお、状態の良い順に3900 3950 3920 3980だったようで……。
(3900造ったエスリンゲンはEC40の機械部分も造ってる由)
さて。うまく特徴を抑えた作品で、みなから声が漏れる。
大きなサイドタンクが印象的。ここにリベットを強調する魅せ方が上手いのですね。
銅色のスチームドーム、その後ろの重油タンクも見逃せません。キャブの造形も丁寧です。
2両目は歯車緩急車ピフ。ラックレールにブレーキ掛けられる車であり、碓氷の蒸機時代には(電機の初期にも)欠かせない車です。
古典客車然とした車、横組みの多用で丁寧に造形されています。
前面はサイドタンクが故に鮮烈な印象ですが、そこに手すり表現は良いアクセントでしょう。
さて。レゴで作るとなると難しいのが足回りです。
ラック式は断念するにしても、この辺の機関車は全て「アウトサイドフレーム」ですから6幅とは相性がよろしくありません。
この作品では思い切って通常動力と台車枠に割り切っています。
しかし、違和感が皆無なのですね! 上回りで特徴さえ押さえればこの手法もありなのでしょう。バランスの良い作品です。
(尤も、作者は8幅リアル系も手掛けておりますから、そちらの展開も楽しみではありますが)
蛇足ながら。
サイドタンクが大きいのでPFやPUでの自走も出来るかもしれませんね。
ピフの足回り。こちらは凝っていますね。ユニークな三軸車でした。
ギアこそダミーですが、固定ペグの位置を調整することでブレーキ掛けられるのは面白いギミックです。66.7‰模した線路(因みに、レゴトレインではレール1本にブロック1個で、75‰になる由)にディスプレイするときは有用でありましょう。
碓氷第7隧道前にて。
この機関車は上り下りとも横川方に、この向きで付いていたようです。正確なシーンの再現のはず?
いざ、隧道へ。熊ノ平へはまだ遠い……。
でも、その前にちょっと一休み?(撮影。ひろどり様)
お馴染みの「あの釜」は碓氷のカマに合わないわけがありません。
時代考証は離れますが(笑。釜めしの発売は1958年でED42の時代)、細かいこといいっこなし。
(おぎのや自体は蒸機時代からの老舗なんですよ!)
ディスプレイアイテムとして物凄いパワー持ってますよね。無論、中身も美味しいのですよ。
閑話休題。
碓氷の機関車は拙作のEF63・EF62、ED42・ED41。京福テキ512(EC40)と揃って来ましたが、蒸機時代や電化初期も面白そうな世界です。
皆様も、挑戦されてみませんか?