EH10形は1954年から64両が製造された重貨物列車用の電気機関車。
大きく重い機関車でありましたので、運用できるのは東海道・山陽本線のみ!
経緯上、旧型電気機関車のカテゴリに含まれることが多いですが、デッキも先輪もない姿は近代機と変わらぬものでありましょう。
(近代機が初期には脱吊り掛け……クイル駆動など試みて失敗し、吊り掛け駆動に退化してたりします。つまりEH10を旧式にする理由なんて無いのですよ?)
尤も、最高速度85km/hは今の観点では遅そうです。
しかし、長らく貨物列車の速度は65km→75km/hに縛られておりましたから不都合も無かったのでした。ボギー車のみの編成(これなら85km/h)でちょうど良い塩梅。
ただ、100km/h上限の10000系貨車はもとより(あれはいささかオーバースペック 旅客列車よりも速いのではダイヤも組みにくい)、95km/hのコキ50000形が普及してくるとやや物足りない?
そのへんが理由かどうか分かりませんが、うまく使いこなせたとは云えず。1981年までに全機引退してしまうのでした。
その後、国鉄・JRでのこの種の電機は1997年のEH500を待つことになります。
多動軸で牽引力を稼ぐこの種の機関車が間違いでなかったことは、その後が証明しておりましょうね。
さて。
EH10はレゴ界隈ではEJLTC時代の昔から人気のある題材です。近年でも気分屋氏・薬師山氏・きせのん氏作品がある筈。
黒一色というのは作りやすくも有り、造形がためされるものでもありますが……。

最新が、このアイン様の作品です。
先方の記事
https://ameblo.jp/ainchan2019/entry-12658507611.html
https://ameblo.jp/ainchan2019/entry-12659284852.html
全長を40ポッチに収めることがコンセプトで有ったようです。実物は大きいように見えて21mですから(ちなみにEH500は28m)、他車両とのバランス考えると大事なことでありましょう。
いたずらに大きくしちゃいけないのですよ?
側面は側窓を1個減らしています。その代わり、2x2パネル直の窓は形状的に望ましいものです(あのへんの電機の窓、意外と大きいのですよ!)。悠然とした感じがします。

目を引くのは近年の部品、2x2の三角タイル用いた前面窓ピラー表現ですね。鈍重になりそうなところを、とても軽快に見せています。三角にはクリアの45度ブロック入れてきちんと埋める。
前面は後退角省略です。この割り切りも正解の一つでしょう。
一方、前面窓の微妙な傾斜は再現です。細いセンターピラーも黒表現だと映えますね。

サイドビュウ。窓を1個づつ減らしているのが正解だったのわかります。
連結面間詰めることも意識されたそうです。
足回りは<<続きを読む>>