しかし、その組み合わせとなりますと……。
なかなか手を付けられなかったのが「SL人吉」用客車の50系700代車です。

難度を上げる、焦茶色の、おそらくは往年の葡萄色1号より濃い車体は色の解釈が難しい。理想はダークブラウンですが、未だパーツの種類が制約されます。
通常の茶色か(いわゆる新茶)、或いは黒か?
後者の解釈です。まずは成功と言えましょう。
50系は1977-79年ころに製造された最後の一般型客車でした。しかし客車列車の電車化・気動車化方針で短命に終わってしまった系列です。
それを1988年、豊肥本線の「SLあそBOY」用に大規模改造行ったのがJR九州の50系700番台。3両1編成。2009年に肥薩線の「SL人吉」運行に併せて全面的なリニューアルが行われました。

オハフ50 701。
展望室の表現が理想的ですね。角度のついた6分割のガラス窓! 側面の大型窓。
その下の装飾表現も決まっています。
側面は50系……なのですが、1x2ブロックの組み合わせは正解でありましょう。トレイン窓使うと(黒なら入手は可能)大味な印象になってしまったかも。
ダブルルーフが嬉しい。濃灰も黒い車体に似合っていますし。

オハ50 701。
折戸に改造された扉も再現されています。
なかなか整った姿の中間車です。上下の寸法取りが理想的な値に収まったと申せばいいのか。もとは50系なのに、良い意味で異国情緒があるのですよね。
ロゴマーク等の表現が観光列車らしさ盛り上げます。
全車共通ですが、32ポッチ全長、6幅です。
(個人的には好きな寸法です)

オハフ50 702。
反対側の展望車です。ドア凹みが乗務員扉も含め、表現されているのに注目。単色塗り車体では映えること! 冷房化で増えた床下機器も精密感あります。
簡素でも良いので内装あると楽しいかなとか、はたまたバリエーション展開として豊肥本線仕様(あそboy時代)も考えられたりしますね。イングリッシュ・プルマンを想起させるあの時代もまた魅力的で、欧州調の8620には似合っていたのでした。
(いや、自分で作ることはなんとなく考えてますが、緑の58654も揃えて!)

当然、8620が似合います。

鱒寿司様のは特定ナンバーでは無いようですが、形態の特徴は58654同等でありますよね。門デフの8620、いいものです。
さて。もう一つ客車が。

これは本物の昭和初期の客車。オハ31。
17m級の3等車です。オハ50からみたら5代くらい前のご先祖様?
(→20mのスハ32→広窓オハ35 →戦後のスハ43→軽量ナハ10→間があって、オハ50)
国鉄からの引退は1960年代でしたが、津軽鉄道に払い下げられ現地で保存されていたものが大宮の鉄道博物館に保存されています。
車体は窓が小さく未だ木造時代の特徴を残しておりました。その雰囲気、伝わって来ます。
シルヘッダは定番の色差表現。
ダブルル−フはガラスが抜けてる!
台車はイコライザ省略ですが、その代わりに板バネ表現あり。床下は水タンクと蓄電池箱。
全長は28ポッチ。32ポッチが20m級の世界に整合性あるのですね。
赤帯はないので、戦中(1941-)から戦後の姿でありましょう。

やはり、8620がとても良く似合います。
保存とかではなく、8620の長い現役時代でお供することが多かった客車ですね。オハ31は木造の22000系客車や、20mになったスハ32だって連続した歴史でありますし。
ここに2軸貨車も加えた混合列車も素敵でしょうね。
機関車をC11やC12や9600、はたまたもっと怪しい古典機にしても似合いそうですよ。