先方の記事「国鉄 クエ28004」
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1960年ころからか、関西地区の所謂旧型国電は茶色からオレンジ色に塗り替えられたものが現れました。主に阪和線用です。
(いっぽう、東海道線(緩行線)等は茶色のままでしたし、70系や80系はもちろんツートンカラーのままでした)
お肌も荒れた古い電車に鮮やかなオレンジバーミリオン……。
正直な所、好みではありませんでした。旧型国電の「カラー化」にしてもツートンカラーの新潟色や湘南色やスカ色は素晴らしく、単色塗にしてもスカイブルー(大糸線)やウグイス色(呉線とか可部線とか仙石線とか)はわりかし似合ってんですが、関西のオレンジ旧型国電は写真などで観る限り違和感しかなく。これが未だ省形だけならよいのですが、末期の阪和社形までオレンジに。模型などで再現するの、ちとゲンナリと言ったところでした。
しかし。

このジョージレモン様の作品を拝見して、オレンジの旧型国電への違和感は消し飛びました。レゴという素材のゆえか、とても上品にみえるのですよ!
お題は淀川電車区の救援車 クエ28 004。
17m級旧型国電 クハ16形(所謂「50系」。1933年以降に木造電車を鋼体化して生まれた系列)を1960年に改造したもので、運転台の増設で両運転台化。また救援車のお約束、大きな資材用扉を開けています。
淀川電車区に長らく置かれておりました。オレンジの塗装が特徴でしたが、これは阪和線あたりに合わせたと言うよりは寧ろ、環状線の101・103系に合わせたものであったのかも知れません。
廃車は1985年で、「50系」としては最後の生き残りでした。
作品ですが、癖なく17m級旧型国電を再現し、そこに大扉という救援車としての仕様を盛り込んでおりますね。横組み前面は素直な感じですし、側面のシルヘッダの割愛もこの題材では「あり」に思えます。「50系」って近代的なスッキリした17m級電車でありましたから。

大扉周りです。6幅分の横組が挿入されています。荷物車でもそうですが、この大きな凹み方が「らしい」です。

クハ16形は片運転台車ゆえ、反対側の運転台は増設されたもの。
貫通扉や尾灯の表現が異なり、きちんと差別化されています。なお、増設運転台側の側面乗務員扉はエラーなんだそうですが、これは気が付かないですよね!?

グルーブ形ベンチレータに円錐台使ってるのは印象的ですね。適度なボリュームと形態でありましょう。

床板はやや特殊な組み方のようです。
「動力が入れられない」と先方の記事にありますが、この種の救援車は電動車ではなくて付随制御車ですから、実物にしても何らかの他の電車に牽引・推進されて運用されることになります。救援車は滅多に動かない使っちゃいけない車両故に、他私鉄でも付随車であることが多いのですね。
(尤も、国鉄では牽引車に救援車機能をもたせる方向になりましたが)

熊本オフでの撮影です。編成に、組み込まれて。
入出場の回送か、或いはそうした回送の「控車」として使われているのか? 並んだ急行電車も含めて1970年代くらいの雰囲気でありますね。事業用車は案外カオスな編成も組めるので面白いのですよ。新性能電車にくっつける遊びも出来ますし。
さて。
冒頭の話題に戻りますが、オレンジ色の旧型国電が魅力的なものであるとしたら……。阪和線の、阪和社形のオレンジ塗装というのも案外良いかも知れません。
重厚な、元来の阪和形たる元モタ300・モヨ100等のグループ。
丸みのついた窓がエレガントだった、元クタ7000形等のグループ。
限りなく南海電車に酷似の元クタ600形……。
面白い作品、作れそうな予感なのですよ?