自分が知る限り、初の買収国電作品でありますし。
先方の記事、こちら。「熊本電鉄モハ71」
http://boxlego.blog61.fc2.com/blog-entry-560.html
1928年広浜鉄道(現 JR可部線)に導入された電車です。全長11mほどの小さな電車でした。広浜鉄道は1936年に国有化され、車両もそのまま買収されてクモハ90形になりました(後のモハ90やクモヤ90とはまるで別物。注意!)。
戦災で大半が廃車になるも、1953年迄働き、私鉄買収車としては比較的早期に売却され、熊本電鉄にやってきます。
(なので、買収国電の刻印たる、4桁番号は名乗っていないのです……)
当時の熊本電鉄ではかなりマトモな方の車だったはず。小柄の割に力はあったようなので貨物列車なども牽引したのではないでしょうか。また、1960年代以降廃車までは他の電車同様の臙脂系のツートンカラー纏ってました。
1981年に廃車されるも、庫内車として残り、茶色に戻って今に至ります。
2009年の熊電100周年時に整備されたとのこと。このまま大事にされて欲しいものです。

この電車ゆかりの熊本レゴオフで完成お披露目が行われた作品です。
昔の電車定番の三面折妻の表現ですが、カーブスロープ使って丸みたっぷり表現。実物のエレガントな感じが伝わってきます。
前面窓は2x2を少し角度つけて固定。はみ出し部分がシルヘッダという解釈でしょうか。
屋根は深みを出すために、ポチスロの下に1プレート入れています。定番の?45度スロープとも違う雰囲気が出せるのですね。
車体の上下寸法はやや大きめ。これはこれまでのジョージレモン様作品のスケール通りです。ただ、この電車はもうちょい華奢な印象は有るのですが。
(自分が造るなら2プレートほど車高下げるかも知れません。まぁスケールも違いますけども)

非パンタ側。外付けの尾灯表現がいい感じですね。
背が高めなので、華奢な印象は抑えられてる一方、愛嬌はマシマシですね。パンタも相対的に小さく見えて可愛さに寄与してますよ。
これはこれで、素敵な作品なの言うまでも有りません。

サイドビュウ。
可愛い、ちっちゃい。
今の可部線は227系の2-4連が走る路線ですけども(72系や105系の印象は未だに強いですね……)、こんな小さな電車で用が足りた時代もあったのでした。

足回りは9Vで、小型ボギー車の足回りの印象を損ねないため、1B1方式です。これはホイルベースの短い電車や機関車造る際に有効に使える手法です。
なお、9Vでは走行環境選ぶ問題有るので、できたらPF化されたい……とのことですが、PUなら車内に電池boxなど納まりそうですね。
買収国電(社形)はまだ造られたいとのことで、またマニアックな題材など楽しみにしております。
阪和社形なんてエリート揃いで、省形よりも高性能だった車とか、東北美人だった宮城車形。大糸線には優雅な木造車も居ましたっけ。伊那電社形には交直両用電車になったものも。
国電と私鉄電車の両方の味わいのあるこの題材(……私鉄払下げも多いので、多くは私鉄→国鉄→私鉄ですね)。魅力は無限大です。楽しみにしております。いや自分も参戦したいですよ。