1923年に目蒲線(現 目黒線及び多摩川線)の開業に合わせて造られた旧駅舎。
洋館……というよりは、瀟洒な西洋民家風外見であり、田園都市如いては東横をさらには、城西部のあのへんの雰囲気というか文化をを象徴するものになりました。
1990年に田園調布駅の地下化で駅舎としての役割を終えていますが、2000年に復元され今もその姿を残します。

くぼっち様の作品。
32x32ベース上。20m車を32ポッチに解釈するスケールに合いましょう。
スロープに寄る大屋根は王道として、細かい部分の仕上げにはプレート単位の調整が入り、それが細密感をあげていましょう。特に凄いのは二階の斜めの屋根部分でしょうか。プレートにタイル張り、それを斜めに処理されているのですから。その裾を45度白スロープで処理してるのも見逃せません。
上下二段の破風部分。ここがリアルな造形です。上屋根も考え抜かれた造形でしょう。
スロープ大屋根部分も側面を覗き込むと、裏打ちが合って丁寧さが分かります。
庇部分。意外と複雑な模様が入ってるのをジャンパプレート並べてさり気なく表現されています。
そして、1階。改札へ続く部分の石組みが丸ブロックで。
ブライトオレンジの壁面も鮮やかで良いですね。
褒め倒しも何なので。
惜しいのは窓でしょうか。1x2ブロック順組の構成がやや無機的な印象です。
ここはパーツ組み合わせによるより精細な表現を狙われるか、或いは「レゴ的」に窓枠部品で処理されるか……。レゴの窓枠は欧州由来ゆえ、こんな洋館建築とは意外と相性も良いのですよ?(自分なら窓枠使って格子の窓内子使うかしら……?)
ここが改良されたらパーフェクトな作品になりそうです。
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今は田園調布駅も地下化されてしまい、この瀟洒な駅舎と電車は離れてしまいました。(その意味で「象徴」であります)
しかし、1990年まではこのすぐ裏手に銀色の電車が発着していたのです。
東横線と目蒲線の複々線で。銀色の電車は9000系や8090系、8000系。営団の3000系や03系が末期の顔ぶれ。目蒲線は7700系や7200系の頃。つまりはそれほど遠くない昔のこと。
更に少し時計の針を戻すと。
緑色の電車の時代がありました。目蒲線が3000系に5000系。東横線が7000系主力で8000系が最新型。そしてこの駅舎から少し離れたところに(横浜寄りに)荷物ホームも有り、荷物電車(デワ3041-3043)が発着してたり。1980年ころの話です。荷物営業は1981年廃止ですが、荷物ホームや日通の事務所は1985年ころ迄あったのを記憶しています。
1960年代。電車が紺とオレンジのツートンカラーの頃だと貨物列車までありました。あの辺りに国鉄の貨物駅は皆無でしたから、それなりの存在意義があったのでした。貨物列車牽いてたのは今も上毛電鉄で保存されてるデキ3021号……。
時間を遡る楽しみさえも与えてくれる作品なのでした。
……ここに合わせる電車、考えたくなるじゃありませんか!
皆様も東急、造ってみませんか? 自分は過去に作った5000系(丸いほうですよ!)久々に整備したくなりました。
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更に申しましょう。
田園調布に倣ってか、城西に限らず城東部でも東京の郊外電車では瀟洒な洋風民家・洋館作りの駅舎が昭和初期に流行ったのです。東武・西武・小田急沿線に。
具体例はあげきれませんが(西武なんか多かったなぁ……という認識で申し訳なく)、現存する小田急 向ヶ丘遊園駅は有名ですよね。
なので、東急以外の私鉄電車だってこの駅舎には似合うことでしょう。
私鉄も楽しみましょう。それも、ちょっと昔の。