その活躍は遠い過去のものになってしまってますけども、然し今なお貨物列車のイメージとして離れることはありません。
トレイン題材としては手頃で手がけやすく? 然してディテールなど奥も深い題材です。
トラ45000形。1960年から63年に製造されたもので、この種の貨車としては「新しい」部類に入ります。但し、使い勝手の観点で側面及び床面は木製でした。貨車の木製部分は積荷にダメージ与えず、また破損時の修繕が平易というメリットがあるのです。
JR化後も使われたものが結構あったようです。
さくりん様の作品では、妻面のプレス鋼板部分を普通のウエッジプレートで。
そして側面はグリルブロックで木製表現。それ以上に効果的なのがアオリ戸枠とロープ掛け部分を長4のバー使って表現していることでしょう。これで「ものすごく精密」に見えるのですよ!
積荷おろすと木製の床が見えます。良いアクセントですね。
あと床下、フットブレーキの表現があるのに注目です。シンプルながらこの種の貨車には欠かせない表現ですね。
積荷にシート掛けた状態の再現だとか。これも面白い状態ですね。
無蓋車は何でも運びますから、載せるもの考えるのもまた楽しいでしょう。
さて。やや気がかりなのはホイルベースがやや長いこと。
一応車輪と車輪の間が8ポッチ空いててもカーブ通過は可能ですが、走行抵抗大きくなるのであまり望ましくはないです。理想申せば、もう1ポチづつ内側に寄せたほうが良いかもしれません。
ヨ6000形車掌車。1962年から1969年の間に製造されたもの。
日本は割と車掌車の連結廃止が遅く、1984年迄多数が活躍しておりました。諸外国ではもう少し早い時期に廃止されてたりします。アメリカのカブースは1970年代には元来の役目終えてたようですし、欧州圏だと更に車掌車の廃止は早いみたいなんですよね。中国も日本より廃止は早かったらしい? 一方で、台湾では「今も」健在なようですが。
(労働環境とか、合理化とかいろいろな事情があります)
そんな事情はともかく、車掌車は造っておけば機関車と組み合わせればミニマムな「列車」になりますから、模型的には重宝するもの。
その中でも窓3つのこのタイプはよく見かけたものです。然しJR継承がされなかった悲劇の形式でもありますが……。
さくりん様の作品は窓サイズ・窓解釈が良い感じですね。このやや平べったい窓! 位置が低めなのも実物の印象ですよ。アルミサッシ化された車も多かったですが、その表現があるのも黒い車体ではアクセントになります。
デッキ部は無理せずバーでの仕上げです。白いライン(石油ストーブ搭載者の識別だとか)が嬉しい。ただ、デッキ腰板はもう1プレート高くても良いかもしれません。
ステップはステップ部品ではなくてブラケット+グリルタイルですね。こっちの方が精密感出せるかもしれません。
屋根上は、ベンチレータをやや大仰に表現してるのが印象的です。全体の可愛らしさが強調されましょう。
車体の手すりも大事です。
サイドビュウ。
車内は準備工事です。
実物だと片方側に事務机。反対側にロングシート。
中央にストーブがありました。全て表現すると流石に狭いので、取捨選択の要がありましょうね。
完成度高いのは床下です。
車掌車特有の長い板バネの表現があります。ブレーキに蓄電池箱も。
編成例。これだけで小さな貨物列車になります。
ワム80000形。
言わずとしれた大量生産の有蓋車でした。有蓋車の代名詞。
しかし、レゴ的には制作困難な題材でもあります。実物では合理化ボディであるプレス鋼材の表現がレゴだとパーツとか重量を喰うという矛盾は如何ともしがたく。
この作品では妻部分は木箱の積み上げで表現。
側面は丸太ブロックでの表現です。
この丸太ブロックですが、ワム80000らしい記号を抑えておけば、間違っても「木造貨車の玩具的表現」には見えずに済むのですね。コストは低く、見た目も悪くないので意外とあり? ドア部分は半ポッチ(1/4ポッチ)ずらしで表現するのも有りかもしれませんね。
屋根は凝った、そして理想的なプレス表現です。
ここもコストや重量うまく抑える工法が編み出されると良いのですが……。
レゴ的には難しいワム80000。然し、貨物列車には欠かさざる存在。作る意義は大きいのです。