キハ41000形は1932年から製造された、「国鉄」初の「量産」気動車です。全長16mの小型車で単行運転前提。後世の簡易気動車群(例えばJR四国キハ32や、JR西日本キハ120形等)の遠い祖先でもありましょうか?
なお、カギカッコ付きなのは当時既に私鉄向けでは量産実用気動車が主に日本車両・川崎重工で生産されていたからです。キハ41000の特徴の前面4枚窓も私鉄車のほうが先行しておりました。
とはいえ、天下の国鉄が気動車を導入した功績は大きなもの。
私鉄向け類型車※も含めて200両以上が、戦後1952年に至るまで製造され、1960年代までは国鉄で(キハ04・05・06と改称)、1980年代までは地方の私鉄で活躍する姿が拝めたのです。名車と言っても過言ではないでしょう。
※:荷台付きのものあり、キハ42000ばりの半流線型あり、前面2枚窓の湘南顔の車あり……。なお国鉄にはキハ40000という更に全長を詰めたモデルまであった由。
機関はガソリンエンジンでスタートして、戦後も気動車として残存したもの・戦後新製のものはディーゼルエンジン化されています。機械式のミッションに終止したものが殆どであった一方、最後まで気動車として残ったものには液体式に改造されたものもありました。
あと、戦中に付随車化(客車化)されたものもありますし、戦後にそれを電車の制御車に改造したものも。その中でも最後まで残った蒲原鉄道クハ11形に関山は乗車したことありますが(1990年)、クロスシートの狭さ小ささに驚いたものです……。
お世辞にも快適とは言えない乗り心地の車でありましたけども。
しかし、一つの時代を作った車でありました。

ジョージレモン様いわく。余り似てない……。
そんなことはないです。レゴで作ったキハ41000としてはベターな表現でしょう。
小柄な、そして小粋な感じがきちっと顕れておりますから。
窓は二段ですが、気動車は窓も小さめ故に普通の1x2ブロックの横組がベストな表現に見えてきます。
台車が両端に寄せてあるのもそれっぽいです。
何故か、華奢であった実物の印象に近いのですよね。

前面の4枚窓形状は、3面折妻形のアレンジです。
腰板及び幕板を3面にして、窓まわりだけ横組で4分割という処理は「なるほど!」と。左右窓に1x2のL形パネル使って、幅広感出しているのはかなりのナイスアイディアではないでしょうか。
無論、腰回りを横組にしてカーブスロープで作るなどのアレンジも考えられましょう。

結構きれいな形状です。デッキ部分の下がり方も気動車らしく。
腰高にしているのは解釈の問題でありますが……。

旧型気動車との並びです。左からキハ41000、キハ42000、中国鉄道キハユニ110形、キハニ5000形。なかなか楽しい世界観ですね。

なお、キハ41000は初回公開後に小改良されています。
窓の位置を1プレート下げて、幕板部分に雨樋表現を行い、サイドビュウがぐっとスマートになりました。塗分線の位置も正確ですね。ウインドシルヘッダーは省略されていますが、ツートンカラーでは気にならないものです。
エンジンもリアルな表現に! ギアが堪りませんね!
かなり完成度の高いモデルになったと。

隣に並ぶ車両は?
そちらは先に送るとして(笑)、キハ41000の前面も軽快な印象に。やはり雨樋が効果的です。尾灯の存在も大きい。
先にも触れましたが、キハ41000(キハ04)形は国私鉄で相当なバリエーションを誇る形式でもあります。戦後のツートンカラー(赤とクリーム)が似合うのは言うまでもなく、他にも各私鉄毎の自由な仕様・カラーリングが楽しめることでしょう。昭和初期から平成初期までの世界があり得るのですよ!
さて。
量産性への配慮も見られる(入手の難しい部品は避けられてます)、ジョージレモン様のこの作品が良きヒナガタになること、願ってやみません。地味かもしれませんけども、小さな気動車のメリットは「ミニマムに、自分の鉄道・自分の世界感を持てること」でもありますからね。