同じ共産主義諸国はもちろん、西側諸国にも国際列車の直通が多々あったのです。1960-70年代が最盛期のようであり、パリやミラノ、ロンドン、そして台車を二度履き替えてマドリッドまでの直通があったとか言われています。
無論列車すべての直通ではなく、寝台車が1-2両のみ直通して、直通先の列車に併結されるのです。
冷戦時代、東西混ざった列車が日常でもあったのでした。
なお。
この話は過去のものではなく、今のロシア鉄道もパリやベルリンには直通を行っています。おそらく数代目にもなるであろう専用の寝台車は西側の車両限界や規格(RIC)に合わせたもので、無論国境での台車の交換にも対応してる由。
余談続ければ。
モスクワでの乗り継ぎ行えば北京からパリまでの鉄道直通は今でも可能なのですね。
……時間は気にしない約束。費用は豪華クルーズ列車よりは格安でありましょう。たっぷり乗れてお得ですよ? 北京からモスクワまでは10年前乗ってるので、いつか乗りたいモスクワ→パリ間も。
なお、現物の写真や記述はこちらにあります。
https://maerklin-kiste.blog.so-net.ne.jp/2013-07-12
1991年の記録のようですが、本当にマドリッドまで向かっていたのですね。

同じくソ連・ロシアの食堂車と連結した状態で。
今のロシア鉄道の直通車は派手なRZDカラーを纏っておりますが、ソ連時代は無論コミュニストグリーンの姿です。
西側の寝台車に合わせた仕様はソ連でも特殊なものであり、西の車両限界に合わせた深い屋根が特徴です。ソ連の客車のいかり肩(奥の食堂車がそれ)では当たってしまうのですよ。撫で肩なのです。
で、深い屋根はおそらくワゴンリのUハンザ辺りに合わせたものなのでしょう。
車内もUハンザ同様で、3人用の3段寝台の個室が並び、それを1/2/3用と切り替えて使うことで1/2等の兼用にするやり方です。1人で使えば1等。3人で使えば2等という感じ。なお、ロシアでは(というか西欧でも)個室寝台車の相部屋使用は一般的な扱いです。
相部屋……何度か使った経験から言えば「上等車である寝台車の客に不安はない」って一言になりますね。語学力かコミュ力あれば旅も楽しくなりましょう?

モデル的には深い屋根の表現が楽しかった。ほぼ平行製作のワゴンリP形と同じ手法で、こっちは新濃灰で。やはりコストは気にしちゃいけませんが、おかげで綺麗な屋根カーブになります。
サボや国章などの表記はやや賑やかに。如何にもな国際直通車らしく。
なお、窓枠が木製っぽい色に見えますので、上辺のみダークタンで表現です。
この客車も共産圏の約束たる?リブが目立つのですが、車体の大部分では諦めたものの窓柱のみは1x2の溝ありブロックの濃緑が得られたので使ってみました。良い立体感が生まれます。
インテリアは割愛ですが、造るなら便洗面所・二人個室x2・車掌室って感じにしたいですね。

客車がいっぱい。
左からユーロナイト(ナイトジェット?)。
ロシア鉄道Chs2形電機はチェコスロバキア製。
東側列車の最後尾についた、RIC規格寝台車。
一番右が西からやってきたワゴンリ。
中欧か東欧の何処か……でありましょうか?
いやロシアの電機までは国境越えてやってきませんが、東欧生まれの同系機は沢山居たのです。
そういえば黄色帯の中国18系客車も一部は東ドイツ(正確には統合後の旧東独)で製造されたもの。鉄道はアジアからヨーロッパまで繋がってるのですよ。

オーストリア国鉄の電機(mazta-k氏作)に曳かれる国際列車。ややフィクションではありますが雰囲気はありますよね?
今度、mazta-k氏・yonenaga氏辺りの中欧・東欧あるいはドイツの客車にこのソ連寝台車を1両だけ混ぜて見るなんてやってみたいです。
あるいは、ウチのワゴンリ編成にくっつけても楽しいかも?
「東からの使者」は模型的には案外便利なワイルドカードでもあり。西ヨーロッパの列車にちょいと刺激足してあげるの、悪くありません。