Tu114。
ツポレフ114は「ターボプロップ」のカテゴリの中では一番好きな飛行機です。或いは、東側の民間輸送機の中で一番好きな……でも良いかもしれません。1960年ころ就航。
言わずとしれたTu95爆撃機の旅客機版。この発想はソ連的とか言われたりしますが、アメリカもB36ベースの旅客機は考えてたとか言われてますから、戦略爆撃機と民間輸送機は遠くて近いもの……だったのかも? 尤もジェット機以降は東側でもこの辺は完全に別物になってしまうのですが。
また、世界最大のプロペラ旅客機でもありました。以後は東西ともにターボジェット・ターボファン時代になってゆきますから。
そんなTu114で有名なのは、1967-69年の日本航空との共同運行! モスクワと東京を結ぶ。
(画像は藤田様提供の「3年の学習」1967年 10月号表紙)
アエロフロート塗装の上に鶴丸も描き、「JAPAN AIR LINES」表記も入れたTu114にはJL側からの乗務員も乗っていたそうです。冷戦下とは思えぬエピソード。
短期間の運行ではありましたが、多くのファンが記録されているようで(そりゃ珍しいものですものね!)写真はたくさん見つかります。
文字通り、東西を結ぶ友好の翼でありました。
その後のTu114ですが、1970年代には引退してしまったようです。ジェット機の発展の中では大型ターボプロップは使いにくいものであったのでしょう。
一方、戦略爆撃機という兵器は結構長持ちさせられるもののようでTu95に関しては「今なお健在」です。
Tu95……一度威嚇行為ではなく、友好目的で飛来・公開してほしいとか思うのですが(笑)。
海軍では親善訪問は一般的ですけど、空はそうは行かないのかしら?
製作ですが、例によってかなりの駆け足製作です(怖くて制作時間書けません……)。
もっと真面目に時間かけて作るべき題材なのですが。
胴体は7幅。
全長は約50ポッチ。全幅59ポッチ。
ミニフィグ「ノン」スケールです。摩周丸もはたまた先のDC-3もそうでしたが、鉄道車両の流儀というか、鉄道模型のストラクチャ的思想での縮小・ディフォルメスケールです。
胴体幅7というのは実物がツーリストクラス(エコノミークラスの当時なりの言い方)で3-3配置だったため。鉄道車両よりも少し広幅と解釈します。また、先のDC-3(6幅)との整合性も考えねばなりません。
7幅の胴体作りは難航するかと思いきや、意外と楽でした。
また、胴体上半は2x2カーブスロープの合わせです。綺麗な丸みが得られます。
Dc-3と同じく、窓から下は上下逆組で胴体下面を処理しやすく。こちら側は流石に45度スロープメインで簡略化です。
側窓(丸窓)はテクニックビーム穴。フィグサイズでこの時代の旅客機用として適切なサイズ感でありましょう。
カラーリングは当然アエロフロート。写真によって青の濃さが違うのですが、通常青だと激しく違和感があり、手持ち総捻出してミディアムブルーに。正解でした。
製作は機首から始めています。
Tu95譲りの特徴的な観測窓からです。此処だけはとても民間機じゃない(笑)。
ただ、観測窓抑えたらあとは比較的かんたんにコクピット廻りまで造形できてしまいました。内部はコクピットの準備工事までは。
ミディアムブルーの部品が不整合なのは……暫定です。
此処は2x6ウエッジカーブと、1x4カーブスロープに後日改修ですね。
マーキングはたまたま格好良いニンジャゴーのプリントタイルあったので使ってしまいました。鶴丸ならぬ菱龍紋。エスニックな雰囲気が似合うのです。
主脚は可動考えず(地上状態での)固定です。ただ強度がなさすぎ且つ手抜きすぎなので、ここも要改修。
胴体の丸みが伝わるかと。コクピット窓も上に展開してる展望性の良さそうなものですね。
6幅の機首部から7幅の胴体への繋がりもそれほど不自然ではない……?
4発のエンジンは意外とお気楽に。ターボプロップはレシプロよりもシンプルなエンジンナセルになりますし。
但し、二重反転プロペラはブレード造ってて「マジキチ」って思いましたが……ブレード16枚! 非可動の模型でこれですから実物のメンテとか大変であったことでしょう(Tu95では今でも扱ってるんですよね!)。
ただ、格好いい!
レシプロともターボジェット・ファンジェットとは違う魅力なのです。
真上より。
主翼は階段状の表現に妥協しています。そのかわり上面のツルツルとそれっぽい翼断面を実現していますが。絞りつつ、絞るのは半狂乱ですよね。ウエッジプレート使うとポッチ露出になりますし。
主翼はプレート2-3まい重ねで桁を造りその上にタイル仕上げ。強度はあります。なお左右一体で作り、胴体とは半固定です。ただ、そこが弱いので何らかの補強を検討中。
主翼と胴体は分離でき、垂直尾翼も簡単に外せますから輸送(トランクに入れての鉄道輸送)は平易です。
さて航空灯が左右逆ですね(恥)。
それから恥ずかしい部分としては製作中に気力が尽きて……。機体後部がやや不本意な仕上げです。もっと絞り込みしなきゃいけないのですが。おかげで角度によってはズンドウにみえて、とてもスマートなTu114にみえない……。
かなり改修しないとなりませんね。
でも、今はこれで。
(発表は改修後、とかにすると永遠に作品が出せなくなりますから)
さて、飛行機造る苦労を。
重量バランスが実物と模型(レゴ)では全然違います。脚をつけたとき、尻もちつきそうなバランスに驚きました。後輪は図面や写真よりは心持ち後ろにズラしてます。
強度確保が大変……。
大きめになると、自重でどんどん垂れてきます部品は外れてきます。
ブンドドなんてもっての他。分離式の主翼と胴体の取り付け方法の改修と(ゆるバメではなくがっちり固定)、主脚の強化で多少はナントカなりそうですが。
しかし、いつか作りたいインテリア! 重量は増えちゃいそうですからねぇ。
それでも、DC-3についでこの大きさの旅客機を実制作できたのは良い経験になりました。7幅胴体は現行のナローボディ機種(B737系)にも応用できそうです。ただ個人的な好みから造るかどうかは微妙ですが。
小金井空港?での活躍は別編とします。余りに写真多いので……。