さて、プロトタイプについて。
アメリカのPrimus、プリマウス(プリムス・プリマスとも)は小型機関車専業であり、1997年迄製造していたようです。今は他社に買収され機関車製造はやめてしまったようですが。
ここのガソリン機関車は大正末から昭和初期、結構な両数が輸入され森林鉄道・や土木工事などで多用されました。未だ国産機が実用に足る前の時代で輸入品への抵抗感は無かったはず。更に、その前にはコッペルやボールドウィンの蒸気機関車が使われていたのでしょう。
なお、日本の内燃機関車の歴史は主にこうした産業用の小型機から始まり、国鉄の本線用は大きく遅れまくったことは注視する必要あるでしょう。
プリマウスで有名な現存機は長野県岡谷市の釜口水門公園のもので、ナローの泉様の作品もこちらがモデルでしょうか?
鋳物台枠にL形車体。
1924年製という相当に古い機関車ですが、1930年代以降に国産化された、加藤製作所や酒井製作所の機関車とさほど変わらないフォーマットです。
尤も、内部機構はフリクションのようで、かなりプリミティブだったようですが。

10幅です。スケール的には1/20くらいなのでしょうか?
所謂「サムネではレゴに見えない!」作り込です。
キャブとボンネットはタイル表面出しの組み方で薄味感を。
台枠部分が順組で重量感の表現になっているのですね。
鋳物台枠のボルト留め部分はペグ表現。
作り込まれた軸箱。

真正面より。
広めのそして低めのボンネットには縦グリル。
此処のカバーがバー取り付け。

背面も作り込み。いかにもな工事現場用機関車という雰囲気です。
人間を合わせると、この機関車の背丈と変わらないか人間のほうが高いくらいでしょうね。
作品的には、薄板キャブの作り方がわかります。

動力系。
PFの一式が収まっています。電池boxは単3用。モータはMx2。

更に。
モータ2基の出力を合成して車輪に伝えているようです。
なお、歯車K氏作品のようにフリクションドライブは再現せずに、飽くまで実用的模型を目指されているようですね。

サイドパネルを外した状態にもできます。
この種の機関車の使われる現場ではこんな姿でのことも多かったようですね。
もちろん、模型としては走らせる楽しさがあります。走行動画もご覧くださいませ……。

燃料補給口?が開閉できます。

前面は始動用クランクを差し込めるように。この時代の内燃動力にスタータなんてありませんから?

台枠と軸箱廻り。
#長津田トレインオフ2
— 関山@浦賀/1月5-6日レゴ艦船オフ参加 (@houmeisya) 2018年12月23日
歯車kさんのワイヤーシャベルと
ナローの泉さんのプリマウス4.5噸機関車とナベトロ
素晴らしきレトロ土木の世界です pic.twitter.com/DE4scm1Uoa
走行動画です。関山撮影です。
ディテールもプロポーションも素晴らしい作品。
ラージナローゲージの選択肢としてレゴトレインが使われる時代? を象徴するのかもしれません。
このプリマウスが起点になり、加藤や酒井などへの展開もありえましょうか? はたまたドイッツなどのよりゲテモノ?への展開も?
ものすごく楽しみなのです。
そして、自分も参戦したいと改めて……。