然し、話の順序としてはこの作品も見逃すわけにはいきません。

2017年の東大学祭のみで発表され、以後出てくることのなかった作品です。
大正時代の本線急行用機関車 C51を小柄に纏めた作品です。なかなか締まった、好ましい姿ではありませんか。あの時代の機関車らしい、どことなく漂うエレガントさも。
レゴとしての表現も、上手く王道的なところを抑えておりましょう。流石に缶胴だけは45度スロープという古めの仕様ではありますが。でもトータルのバランスは良好です。
排障器も見落とされがちなのですが、良い表現ですね。
メインロッドはたしか未だbikkubo氏の簡易方式が出てくる前後だっと思います。故にとシリンダ周りがごっつい印象なのは惜しまれますが。
C51(繰り返しますが、本線急行用機関車だった由)にしてはボリューム感が不足?
それなら、C51と8620の間を狙ったようなライト級のパシフィックと想定すると説得力ありませんか? 或いは、輸入テンホイラー8700や8800等の後釜という感じでしょうかね? 自由形としての魅力もあります。

サイドビュウ。
ディテールも程よいのです。従台車に持たせる形での、キャブ下の配管表現などは注目です。
ともあれ、蒸機は小柄に作るほうが難しいものです。全長24ポチ位の客車に合わせて違和感が無いよう、ギリギリに全長を詰められているのが分かりますね。
それでいて、C51と特定できそうな特徴は抑えられています。
そして、エンジンドライブ機でもありました。
車体中央におかれたMモータが分かります。

裏面より。落とし込みギアとベベルによる1軸駆動で、あとはサイドロッド連動です。その気になればギアでの2軸駆動もできたかも知れませんが、ロッドの位相も合わせるのは調整困難になったかもしれませんね。

バックビュウ。
炭水車が小型ボギー。これはエンジンドライブならではです。
造形も好ましい。
受光ユニットはキャブ内収容ですが、受光部をキャブの天窓に見立ててるのは巧いデザインですよね。
さて、このC51は既に解体すみとのことです。

ショッキングな画像?
然し、どんな部品で構成されているかが分かる画像でもあります。
また、これが新作の礎になっているのですね。
新作C12は画期的作品ですので、お楽しみに!