それとは違った意味の「DE」が1970年に日本車輌製造で生まれ、そして北海道は釧路の地で活躍を続けています。
Diesel Electricの意味の、釧路臨港鉄道DE601形。
私鉄唯一(※)、そして国鉄DF50の退役(1983年)以降は日本唯一の電気式ディーゼル機関車でありました。
※:専用線向けだと、新日鉄室蘭向けに、日立の作った電気式ディーゼル機関車がありました。参考→
その正体はGEのU10B形のノックダウン生産車。
キャタピラーの機関とGEの電装品を持つ異色の機関車でした。今でこそ海外製機関や電装品の採用もありますけども、この時代は珍しいものであったのです(因みに、国鉄の電気式DF50などの機関はライセンス生産の国産品です)。
この機関車が釧路にやってきた理由は未だに明らかではありませんが(輸出向け試作車の引取とか言われてましたが、この説も根拠は無い模様)、以後50年近くずっと主力機として稼働続けています。
輸入品多用とか試作的要素というのは鉄道業界に於いては「死亡フラグ」なのですが、致命的故障など起こさず愛用されているのはそれだけ出来の良い機関車なのでしょう。
同じような生まれの国鉄DD12形(米軍8500形)も終始快調で高く評価されたことや、台湾のR20形(EMD)が長く使用され続けていることも共通するのかも知れません。

ある種のゲテモノ車両としてよく冗談に登る車両ではありますが、制作の実現はなかなか進まず。
遂に、レゴ5udon様が形にされました。
6幅スケール向けですが、7幅です。
ワイド感はこの機関車には必要ですね。造形的必然性があります。
前面窓は窓というかパネルの縁を使って、実物の微妙な垂れ目感が表現されてますね。エンドビームのゼブラタイルも良い表現です。この面に連結器が設けられないのは痛いですが……。ダミーカプラーがあれば理想でしょう。
ななめのラインも含む塗り分けも綺麗。スロープ合わせでの再現。

PF動力で、キャブ内に受光ユニット。
ボンネット中央部に(すなわち車体中央部に)電池box搭載です。電池BOXは縦置きです。エンドキャブのフォルムは正確ですね。
ボンネット後部の「盛りあがり」も良く特徴、抑えております。
5幅のボンネットも必然ありますね。
小柄だけど、力強い印象。
小さくても、アメリカンなロード・スイッチャーなのです。

炭鉱地帯にて。同じく北海道の炭鉱で働いてたアメロコ 9046(雄別鉄道)との並びです。
9046の引退が1965年で、DE601のデビウが1970年。
この間、僅かに5年しかありません。9046が長生きに過ぎ、DE601が余りに先進的だったのですけども。

運炭列車を曳いて。
他私鉄でよく見られたDD13系列とはまるで違った雰囲気です。

本線にて。

DE601が入った頃からの釧路臨港鉄道は他の線路とは切り離された孤絶線ですが、釧路などで国鉄車と顔合わせとかあったら素敵でありましょう。

合わせる石炭車も5udon様の作品です。
釧路臨港鉄道で現用の石炭車は、2ユニットの連接で、積み込み取り下ろしなどを極力省力化した「最新型」です。
最後の炭鉱であり、最後の運炭鉄道でもある此処は、歴史の中に埋もれぬ新しさがあり、それもまた魅力であり続けています。
とはいえ、DE601も50年選手です
今や日本のディーゼル機関車も電気式が当たり前になりました。DD200ベースの後継機が何時かは投入されるのか? 気になるところですね。