500系のハローキティ仕様はつい7月に始まったばかり。この作品も1ヶ月後、国際鉄道模型コンベンションでのデビウです。各メーカーの製品(N及びZ)の試作品を横に(喩えですよ!)快走するハローキティ新幹線は大変な人気者でありました。
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500系としての造形から観てまいりましょう。
既に国内ではmugen氏、エース君の作品が存在しておりますが。
然し、薬師山様のは違う方向性です。精密感を最大に求めたMUGEN氏作品に対して、シンプルなラインと造形での500系を「現実」にしているのですね。
これって結構大事なことだと思います。
(エース君の作品とも近いベクトルですが、然しまた個性が。後述)
なお、取扱は先頭部のみ注意してください、とのことでした。
逆に申せば、先頭部以外は不安なく扱えるモデルでありましたよ。
無論、割愛された要素もあります。
たとえば車体裾の絞り込みはなく、単純化は為されています。然し、制約の中のデザインで500系らしさを最大限に魅せる!
デザイン上の引き算って凄く難しい。
それに毎回成功されてるのが薬師山作品。今回も大成功でありましょう。
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前頭部アップで。
既存キャノピを使った運転台。自作造形とは違う「味」を見せます。そして運転台と運転士が作品の楽しさを補償する感じ。リアル造形とどちらが良いか、考えてしまいますね。ラインも単純化されつつ、それが良い意味での「レゴらしさ」につながっておりましょう。
大胆だと思うのは、キャノピから屋根へのライン。ここは実物ではありえぬ(最高速度300km/h)ギャップがあるのですが、無理して埋めるよりはギャップとして残す。而して造形的には繋がって見えるかの如し。上手いのです。
屋根部分のカーブ具合も見逃せませんね。
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順組で枠を作り、そこに鼻先とキャノピを埋め込んだ作りです。
レゴとしての単純化に成功されてる。良い意味で、「製品的」な節度ある雰囲気といってよいのかも。
ノーズから床下、台車スカートへの繋がりもとても綺麗。
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実物の8連を、6両編成での再現です。
まずは1号車 521形。実物では展示・販売スペースになっています。
シンプライズ方面のアレンジが500系として見事なのは先述のとおりですが、塗り分け・装飾に関しても絶妙なセンスが光っておりましょう。前端部からドア周りへのリボンの印象把握が、レゴパーツの制約の中で。
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2号車。526形。
パンタグラフのある中間車です。帯は車端部でリボン処理され、奇数号車は濃ピンク、偶数号車は薄ピンクです。
濃ピンクの屋根上機器、ここも、やられた感。
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3号車 527形?
ドア表現あります。リボン表現との兼ね合いで優先順位迷うところですね。
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6号車。526形で元516形グリーン車。元の座席で普通車指定席です(乗ってみたい!)
レゴトレイン的には、この車が動力車に。Powered up(PF2.0)対応車です。機器が減りますのでインテリア作る用途にも向くんですよね。
屋根上の突起はPUのスイッチ。
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7号車。527形。
パンタグラフあり。ドア表現は迷われたのでしょうか? 個人的見解としては、このモデルの雰囲気なら省略されたほうが良かったかも知れません。
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8号車 522形。
とはいえ、乗務員ドアはアクセントにほしいところですね。
にゃんこ模様のプリントブロックは予想通り愛嬌をふりまく!
いい仕事をしてくれてます。
なお、全車両共通点として
台枠部分は全車トレイントレインプレート仕様(6x28)。
強度と軽量化で有利なだけではなく、車体裾1プレート下げる効能もあります。
そして、500系の車体下部の丸みを省略していることの補償にもなっています。灰色の影表現という見方もできますし、実際成功されていますから。
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エース君作品との並びです。
良い意味で、いろいろ違いますね。埋没法式とお面方式の差異が印象的です。
然し、どちらも正しく500系です。そして「引き算」を正しく行い、そこに特殊塗装という最大の加算! 結果最適解の生まれた作品なのですよ。
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活躍シーン。mugen氏の500系ノーマルとの並びを撮りそこねたのは大失策でした(申し訳ございません!)。
ただ、同じくmugen氏のH5系と並ぶと、設計思想の差異も見えてくるというものでしょう。6幅の新幹線も、いろいろな方向性あって然りなのですよね。
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編成にすると、リボンが綺麗に繋がります。
この電車が走る地域は災害で大きな被害を出してしまいましたが、ハローキティ新幹線が地域のシンボルとして、復興の支えになること願っております。