それでも蒸機末期迄生き延びています。
あと、関水金属の模型が長期的に製造されてますので、それで有名かもしれませんね。
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さて。今回のなし様の作品の特徴は「フレンジレス・なし」。
レゴでは普通に行われてしまう蒸機などの「フランジの省略」。然し、実物では5軸以上の特殊機ではないと行われません(4110やE10。特殊じゃないけど中国のQJとか)。
それを避けた作品です。

8幅で順組中心の組み方です。ここは真っ当な印象を受けますね。
8幅蒸機モデルゆえの、ランボードと動輪の位置関係による狭軌感は真っ当です。
C50はそれほど大きな動輪の機関車ではありますせんから、動輪径と車体サイズのバランスも良好でありましょう。プロポーションは8幅作りなれてらっしゃるなぁ……という感じです。
ディテールでは過熱管の表現が鮮烈ですね。
レゴでは表現方法悩む部分ですが、敢えて大量のバーパーツで表現されてきました。
惜しいのは煙突が細い印象ということでしょうか。
思い切ってΦ2で円筒にしちゃって良いような気がします。8幅大柄なのですから。対して大きく見せてる前照灯は正解でしょう。

ディテールのアップ。
「フランジレス なし」の外見的効能も感じられますね。
ロッドは……メインロッドに二重のフレキシジョイントが入っています。理由は。

肝と言える足回り。
カーブ通過のため、機関車の前部足廻りがスライドします。
これで全輪のフランジ化を可能にしてる由。
二重のターンテーブルが印象的ですね。

分解状態です。

もう一つの見せ所がバックビュウ。
蒸機の末期。警戒色を施した入換用の機関車は9600ではよく見られたそうですが、C50にもありました。当時のSLマニアの評判はともかく、今の目で見ると、これはこれで鮮やかかつ機関車の現代化として好感持てるものでしたね。
その再現が、如何にもな なし様らしい仕事です。
ポチスロの角度に合わせた、斜め組!
この組み方の発想自体が思いもしませんでした。細密感と質感で他表現を凌駕しておりましょう……。
6幅や7幅に応用はできるか……線が太すぎるかもしれず、不自然かもしれませんね。
逆にラージナローなどでは転用できる技法です。
テンダそのものも機関車に対して小柄にまとまっており、全体のスタイル損ねておりません。ただ、テンダ台車(板台枠)表現はもう少し工夫の余地あるかも……?


内部構造です。
実に楽しい? 組み方です。保持の難しさは窺えましょう。
斜めの組は、ゼブラ以外にも応用できるかもしれません。
レゴの常識は10年前とはガラリと違うのです。

びっちり。見事! 幾何学的美しさというとオーバーでしょうが。

やはり特殊な組み方をされた、新日鐵八幡のE8501と。
より「進化」しておりますね。
この細密感は、レゴ蒸機の進化を促しているのでしょう。