輸入機か、そのコピー国産機です。
イギリス製の8700形 車軸配置2C キャブの曲線が優雅。
ドイツ製の8800形 車軸配置2C
同じくドイツ製8850形 車軸配置2Cですがロッドの掛かり方が奇異
アメリカ製の8900形。これのみ車軸配置2C1。堂々たるアメロコ
彼女らの良いとこ取りとダウンサイジングで産まれたのが8620。……というとやや機関車史としては乱暴ですが。
余談ですが、8850はボイラ中心高が高く、これが4110や9600を生み出してもいます。
2c1の「パシフィック」であった8900は寧ろC51等の大型機に繋がった形式でしょう。
なお、8700や8850は国産コピーが製造されたためか、1960年代まで北海道の私鉄で健在でした。8700形には幸いにも保存機があります。
さて。
8800形は一連の大正前期の旅客列車用機関車4姉妹の中では一番おとなしいスタイルでした。輸入機というよりは寧ろ、国産機的な落ち着きが感じられるほど。
ですが、王道な中型テンホイラーが日本にも居たという事実! その後はやや小柄な8620か、より大柄なC51(以降)に集約しちゃいましたから。

一見 8620? かと思いきや。先輪が2軸。全体にも一回り大きいのです。
そして低めのランボードが如何にも古風な印象に繋がっておりましょう。落ち着き、気品を感じさせるフォルムは8620やC51などとは別物なのですね。
缶胴は今の常識?たる丸表現です。ただ、煙室扉の位置で楕円に見えるのはやや惜しい。煙室扉位置を上方に微調整できたら印象は好転しそうです。
サイズは7幅? と思いましたが、8幅ですね。
前デッキ部分のみが落ち着いた7幅で、ランボード部分・キャブ・テンダが8幅です。ロッドが過度に飛び出さないこと。ランボードと動輪の位置関係がリアルで、幾分なりとも狭軌感があること。
スケールのメリット、生かしておりましょう。

全長方向にもゆったり感が。
動輪はフランジレス−フランジ−フランジという配置です。
この時代の機関車だと大事な、キャブ裾の曲線も。
動力系はテンダ内で完結するテンダドライブのようです。これが一番安定しておりますよね。よく走ることも大事です。


LDDでの検討。
概ね、変わっていない模様です。
ほぼ完成の域と言えますが、イベントデビウが未だなのが惜しまれる作品です。
チャンス、早く来ますように。
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付帯して、客車のLDDも上げておきましょう。
7幅のスハフ42と、スハ43の編成です。
8幅の機関車に7幅の客車を合わせるスケールは、近年8幅の動力車が増えておりますので理想的なラージスケール展開でありましょうね。
端面の表情や屋根のカーブもまた7幅ならでは。
ただ、大量の1x3カーブスロープを使ってしまう曲率は悩ましいところですね。コストとあと重量的に。1x3カーブスロープの4幅版、3x4なんてカーブスロープが出てきてほしいものです。

編成。荷物車あり。狭窓の客車は両端切妻ですからスハ32などではなくて、戦後製の二等車の格下げ車でしょうか? ロングシートのスハ41など。乗る分には避けたい車ですけど、編成のアクセントにはなるのです。

荷物車。マニ36辺りでしょうか?
広窓と大きな扉がシンメトリー。ゆったり、堂々とした風情じゃありませんか。

そして。上記編成には含まれないものの、展望車マイテ49形。
窓割りから、マイテ49 1の方でしょうか。展望室部分の広窓と、1等室部分の狭窓の対比が綺麗なサイドビュウ。
肝心の露台は手すり形状が凝っています。結構デコラティブ。
端面窓は展望車らしい大窓感。横組ではなく順組のみで仕上げです。
屋根は切妻ですが……意外と気にならないものですね。これは本当に意外です……記事書きながら、よく見たら丸屋根というよりは切妻? と気がついたほどですから。全体にマイテ49らしいので違和感がないのでしょう。
3軸ボギー台車も凝った作りです。ただ軸距的に円滑に走るかどうか。そこだけは気がかりでありますが。
1等展望車が含まれる列車というのは組成が難しく(バランスが……)、運用しにくいものですが(時代考証とかも案外シビア……)、それでも、実現して欲しいモデルです。