ただ、飛躍感というかいくらかの無理を正直申すと否めないものでしたが……。
ここで、王道に立ち返った、日本形の中型プレーリー。C58を提案されてきました。
C58形は1938年から製造された中型万能機で400両を越え、日本各地で見られたもの。D51やC57よりも一回り小さいので使い勝手は良かったようです。
(DD51に対する、DE10的な存在でしょう)
また、動態保存機が2両もおりますね(嘗ては梅小路の1号機も動態だったのですが)。
地味ではありますが、日本の風景にとても似合う機関車です。昭和から、平成まで。

モデルの作りもまた「王道」で堅実。
足回りから見ましょう。トラブル起こしがちな1軸先輪は奥まってボールジョイント支持。確実な作りです。
適度なボリュームのシリンダブロックに続いて純正大動輪(あるいはBBBラージ?)。
エンジンドライブですが、動輪上に置かれたモータ配置は無理が無さそうです。PF機器はテンダ搭載で考えられているのでしょう。
ロッドはbikkkubo氏の簡易メインロッドを「平板化」したものですね。
アームとプレートで、どちらが形状的に有利か好みは別れましょうが。でもプレートロッドも良いものです。

上回りは奇を衒わず、堅実な順組中心です。これが安心感に繋がっていましょうか。
特にキャブ周りが追いついた造形です。
一方で、缶胴は今様のポチスロ組で円柱にしたもの。
細身の形状(3ポッチと1.5プレート分。若しくは4ポッチからマイナス1プレート分)は、6幅車体とのバランス良好じゃありませんか!
スチームドームの造形も好ましく。
汽笛や煙突、給水温め器等のディテールも無理なく好ましいものです。
(ディテールは、後付で幾らでも「盛れ」ますからね)
国鉄蒸機モデルの一つの指標というと大げさでしょうか?
その期待を込めたくもなるのです。これなら確実な安心感、と。

客車を合わせて。

青い客車は14系っぽい? いや寧ろ造形と味付け次第で81系お座敷客車にも見えますかも? C58 1の動態保存機時代(1979-1984)ならどちらもあった組み合わせです。
近代蒸機に青い客車は似合うんですよね。
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そして。別プロジェクトです。

アメリカ型の2C+C2のマレー。関節蒸機。
缶胴6幅キャブ7幅はこの種の題材では大仰ではなく、寧ろスレンダーでもありましょう。引き締まった細マッチョ。良いものですね。
やはり、構造に無理を感じません。ディテール部品は寧ろストイックに?絞り込まれていますが、それだけに排気管が好ましく目立っています。
(無論、ディテールは後から盛れるのです。アメリカ型なら鐘は欲しいですね?)
太めのロッドもこの題材には似合います。
流石にマレーになると可動部も多いため簡単にすんなり行くかどうかは分かりません。でも設計のスジの良さは感じますから、実現と成功、強く願っております。